イタリアの裁判所は、病気のペットの面倒を面倒をみることは仕事を休む「切実な個人の事情(serious personal grounds)」に該当するという裁定をくだしました。
動物の権利擁護団体はこの決定を、動物が家族であるという認識を前進させるものとして、歓迎しています。
ことの発端は、La Sapienza大学の図書館に勤務する職員(アンナという女性と一部報道)が、犬を獣医に連れていくための有給休暇取得を申し出たことにありました。イタリアの公共機関で働く従業員には、「切実な個人または家庭の事情」を理由として有給休暇を取得する権利があるため、職員はこれに従って申請を出したというわけです。
しかし大学はこの申請を退け、休んだ2日間を「休暇」として処理。職員への手当の支払いを拒否しました。
職員の愛犬Cucciolaは、今年2月には腫瘍の切除を、5月には咽頭麻痺の治療を行った12歳のイングリッシュ・セッター。この時も職員は、Cucciolaに手術を受けさせるため、動物病院に連れていかなければなりませんでした。
職員は、2日間の休暇は「病気の犬のケアのために必要」でだから”家族病気休暇”に該当するはずと考え、動物の権利擁護団体Lega Anti Vivisezione(LAV)の助けを借りて大学を相手に訴訟を起こしました。
裁判所は訴えを認め、大学側に2日間の有給休暇を与えることを求めたのです。
イタリアの法律では、ペットを適切にケアできない飼い主は動物虐待または放棄をしたとみなされ、禁錮や罰金の厳しい罰が課されます。今回の裁定は、これが法的根拠になってようです。LAVは、「今後同じような事例では、この判例を挙げることができるだろう」と述べ、「動物は家族の一員。彼らをケアすることは義務ではなく権利でなければなりません」と主張しています。
職員はこの裁定について「非常に満足」とコメントしています。「動物の飼い主のためにより多くの支援があるべきだと思う。小さな友人の治療コストは非常に高くて、誰もが払えるわけじゃない」
h/t to Italian woman granted sick pay to look after her unwell dog
Featured image credit philhearing / Flickr
ペット死亡で忌引休暇〜ペットを愛する家族に配慮、人材獲得施策と位置づける企業も | the WOOF イヌメディア
ペット動物との死別は、飼い主に深く大きな喪失感をもたらすもの。その苦痛の大きさから、心のバランスを崩してしまう人もいます。時間をかけてその死を悼み、喪失に向き合いたいと希望する飼い主は少なくありません。 米国では近年、従業員に有給の忌引休暇を認める企業が登場しているそうです。