迷い犬の行動〜迷子になったワンコはどんな行動をするんだろう?

生態・行動
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なんらかの理由で、ワンコが迷子になってしまうことは少なくないようです。

頼りになる飼い主さんもいない、いつもと違う環境に置かれたワンコたち。彼らはどのような行動をとるのでしょうか。

犬による違い

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いろんなワンコがいる © mezzotint / Shutterstock

迷い犬がどこまで行ってしまうかを予想するのは難しいものです。犬の性格、環境(地形、天候)、どういう状況で迷子になってしまったか、などいろいろな要素がからんでくるからです。

・老犬、障害犬、小型犬

一般的に言って、老犬、障害犬、小型犬は、いなくなった場所からさほど離れていない場所ですぐに発見される傾向があるようです。家から2〜3Kmの範囲を探すと良いでしょう。アパートやマンションなどの人口密度が高い地域は狭い範囲で、農地や山など人口密度が低い地域は広い範囲で探しましょう。

犬がいなくなった地域には、目立つポスターをはり、半径1.5Kmの範囲に迷い犬のちらしが配られるように手配しましょう。

・人なつっこい犬や血統書付きの犬

人なつっこい犬、血統書付きの犬、珍しい種類の犬は、雑種の犬に比べると早く発見される可能性が高いと言えます。飼い主さんや保護団体の人でもない限り、雑種の犬が歩道をうろうろしていても気にしないことが多いでしょう。しかし、珍しい、価値が高そうな犬(例えば、イングリッシュ・ブルドック、アフガン、グレート・デーンなど)だと目に留まりやすいものです。

見つけた人が自分のものにしようと思うか、野良犬ではなく迷い犬だろうと推測して助けようとするため、保護されることが多いものです。家から2、3Kmの範囲でちらしをたくさん配り、目立つポスターをはりましょう。

・攻撃的な犬、パニックになっている犬、臆病な犬

攻撃的な犬、花火や車の事故などでパニックになっている犬、性格が臆病な犬の場合、捕まえることがよ大変難しいといいます。このような状態にある犬は、やたらに走り続けて林や墓地など極端に人が少ない場所にたどり着くまで走り続け、想像より遠くまで行ってしまうことが少なくないようです。

ポスターを貼るときは、最初はいなくなった場所に、後には目撃情報があった場所にも貼るようにしましょう。範囲は10〜15Kmの広範囲を目安にしてください。

パニックを起こしている犬を家に連れ戻す

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おうちにかえりたい © Jaromir Chalabala / Shutterstock

・パニックになった犬はどう行動するのか

パニックになっている犬は、飼い主のところに戻らずに、怖がって逃げてしまうことが多いものです。

たとえ飼い主に反応しなくても、他の犬には反応するという場合もあります。ちょっと高度ですが、長いリードを付けた犬を使って気をそらしておき、その間に近づいて捕まえる方法があります。非常に友好的な犬を使うか、パニックになっている犬がよく知っている犬を使うとよいでしょう。

パニックを起こした犬に近づく際に覚えておいてほしいのは、通常は捕食する側であるはずの犬が、捕食される側(獲物)の行動をとるということです。彼らは、すべての人間を捕食者として見ているため、人が近づくと怖がって逃げてしまうそうです。

・パニックになった犬に近づくための3つの段階

パニックになった犬に近づく際には3つの段階があることを覚えておきましょう。①認識の段階、②注意の段階、③行動の段階です。

①認識の段階では、犬はあなたの存在自体を認識します。あなたに犬が見えるのなら犬もあなたに気が付いているということです。犬に近づくにつれて、犬のボディランゲージが変わります。このときが、②注意の段階です。この時点では犬は逃げ道を探している可能性があるので、忍耐強く穏やかなボディランゲージを示す必要があります。

犬をじっと見つめてモノトーンな声で話しかけながらゆっくり犬に向かって進むと、犬はさらにパニックになって逃げ出しかねません。私たち人間は、ゆっくり進めば危害を加える気がないことを示していると思いがちですが、その行動自体がまさに捕食者の獲物に対する行動と同じだからです。

ですから、犬が②注意の段階にあるときは、立ち止まり、いろいろな声のトーンで落ち着いて犬に話しかけましょう。決して近づいてはいけません。犬があなたの存在に慣れてきたら1、2歩進んでみましょう。そのとき犬に向かってまっすぐ進むのではなく、横向きになって少しづつ進みます。

③行動の段階というのは、犬が攻撃態勢(噛み付こうとする)になるか、逃避態勢(逃げ出そうとする)になる段階です。動物の捕獲のプロなら、ここで捕獲用のひもなどを犬の首にかけて捕まえます。そういった道具がなくても、においや声などから飼い主であるあなたのことに犬が気付くように働きかけましょう。それでもうまくいかない場合は、大掛かりな犬用のわなを仕掛ける必要があるかもしれません。


迷い犬を見つけるには何週間、何ヶ月とかかることがあります。いなくなってから何年もたってから見つかったケースもあるのです。誰かが遠くに連れて行ってしまった可能性もないとは言えませんが、通常は近くにいる可能性の方がずっと高いのです。ですから、決してあきらめないでください!

あなたが探すことをあきらめてしまったら、犬が見つかる可能性もぐんと低くなってしまいます。再会できることを信じて、がんばって!

 

h/t to Lost Dog Behavior | Pet FBI , 翻訳:Chiwa

 
Featured image by Jaromir Chalabala via shutterstock

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