【犬の栄養管理】脂質〜犬の食事に必要な効率のよいエネルギー源

食・フード
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栄養素とは、食物中に含まれる物質で、エネルギーを供給したり、生命を維持するために必要なもの。栄養素のうち、タンパク質、脂質、炭水化物(糖質)、ビタミン、ミネラルを「五大栄養素」といいます。

今日はこのうちの、脂質についてのお話です。

脂質、脂肪、油と脂

そもそも脂質とは何でしょうか。『ペット栄養管理学テキストブック』には、「脂質(lipid)とは、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)をおもな構成原素とした物質の中で、水に溶けにくく、アルコール、エーテル、ヘキサンなどの有機溶媒に溶けやすい物質を総称していう」と説明があります。かなりぼんやりとしてはいますが、生体から抽出した、水に不溶性で有機溶媒に可溶性の物質が脂質です。生体には10〜40%含まれています。

脂質の種類は極めて多いものの、栄養学で重要なのは、中性脂肪とコレステロールです。

ここで「脂肪」という言葉が出てきました。おなじみの脂肪とは一体何でしょう?『基本からよくわかる犬と猫の栄養管理』によれば、「脂肪は、グリセロール分子に3個の脂肪酸が結合したもので、トリアシルグリセロール、中性脂肪などとも呼ばれます」とあります。脂肪は脂質の一種ということです。

脂肪のうち、常温で固体のものを脂といい、常温で液体のものを脂といいます。

脂質(脂肪)の働きと役割

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元気イッパイのために… image by Harold Meerveld / Flickr

脂質は、タンパク質や糖質とともに3大栄養素と呼ばれ、生命維持や身体活動に必要なエネルギー源です。健康な成犬の食餌であれば、脂肪の含有量の目安は約10-15%ほどと言われています(petMD)。

脂質の主な働きはエネルギーになることです。非常に効率良いエネルギー源である脂質は、糖質やタンパク質の2倍以上のエネルギーを供給できます。犬の食餌に使用される脂肪は消化しやすく、タンパク質や糖質に先んじて身体がエネルギーとして使います。

脂肪には、必須脂肪酸の供給源という大事な役割もあります。先ほど「脂肪はグリセロール分子に脂肪酸が結合してできたもの」とお話しましたが、結合する脂肪酸には様々な種類があるのです。脂肪酸の中には、犬の身体で合成するものができないものがあり、これを取り込むためには食事として摂取しなければなりません。必須脂肪酸というものです。毎日の食事中にバランスよく取り込むことが理想です。

また、脂溶性ビタミンの身体への吸収を高めるのも、脂肪の役割です。脂溶性ビタミンとは、水に溶けにくく油(脂)に溶けやすいビタミンの総称で、A、D、E及びKです。これらは油と一緒に調理し摂取することにより吸収率が高まるのです。

そして、脂肪を付加することにより、おいしさが増すというのも大切です。味や匂いを付加し、滑らかな舌触りが増すというのは、飼い主にとっても犬にとっても魅力的ですよね。

脂肪が足りないとどうなるの?

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素敵な被毛のために… image by Rio Sundoro / Flickr

栄養素は生命維持に必要なもの。脂肪はエネルギー供給の役割をするもの。とすれば、足りなくなれば身体が正常に機能しなくなってしまいます。

脂質の不足は、皮膚の乾燥(かゆみを発症)、輝きのない被毛として現れます。体細胞、神経、筋肉、体の組織を生成し機能させる役割がありますし、炎症を軽減する働きをします。免疫力を低下させますし、心臓病や糖尿病などの重大な疾患にもつながります。

匂いや味といった食餌の魅力が減じられ、ワンコたちの食いつきが悪くなってしまうかもしれません。

気をつけなければならないのはどんなこと?

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安全のために… image by catd_mitchell / Flickr

フード等については裏面の成分リストをチェックし、由来をチェックしましょう。牛脂やラードなど、低品質な成分が含まれていないかを確認することです。オメガ3の一般的な供給源は魚油、亜麻仁油、キャノーラ油であり、オメガ6脂肪酸供給源は豚脂、鶏油、ベニバナ及びヒマワリ油、トウモロコシ油、大豆油です。

酸敗にも注意が必要です。脂肪を多く含むフード等は、酸素が添加されやすく粘度が上昇したり臭気を発するようになります。これが酸敗です。色、味、栄養価の低下、そして有害物質の生成を伴うこともあります(コトバンク)。フードは保存方法に留意をし(光や高音多湿を避ける)、開封後はなるべく早く食べきるように工夫しましょう。

Featured image credit Chris Madeley / Flickr

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