防災対策を考えるとき、忘れてはならないのが「災害時の愛犬はいつもの我がコではない」ということです。
突然の不安や恐怖は、愛犬たちを”別のワンコ”に変えてしまいます。いつもは出来ることが出来なくなり、いつもはしない行動をするようになるのです。
愛犬たちを守るためには、「呼んでも来ない」「吠え続ける」「逃走する」「姿を隠す」ような犬の姿を想像し、準備をしておく必要があります。
★この記事は、メープルクレープママ(@maple13.crepe28)の協力を得て作成しました
家の中にいるはずの愛犬が見つからない!
宮城県仙台市にお住まいのメープル(当時1歳、トイプードル)も、突然の災害に我を失ってしまったワンコさん。大きな地震の揺れにおののき、大好きな家族の前から身を隠してしまったのです。
2011年3月11日、午前2時46分。東北地方太平洋沖地震が発生したそのとき、メープルはリビングで、当時中学生のお兄ちゃんと遊んでいました。
突然の大きな揺れ。家具などが倒れ、物が散乱する中、メープルは「どこか」に身を隠してしまいます。お兄ちゃんが必死に探しても、ご近所さんの助けを借りても、その後に帰宅したお父さんが呼びかけても発見できなかったそうです。最終的にはメープルは無事に保護され、家族と一緒に避難することができたのですが、メープルが姿を隠していた状況は何時間も続いたそうです。
この話で恐ろしいのは、メープルが隠れていた「どこか」は、自宅マンション内だったという点です。不安を抱えながらの捜索は簡単ではなく、普段は家族にひっつき虫になるトイプードルも異常事態下では必死に身を隠してしまうため、自宅ですら発見することは困難になってしまうのです。
メープルのママ(@maple13.crepe28)は、自宅でも必ず首輪はつけているそうです。「(東日本)大震災のような地震では、飼い主が呼んでも来ないことがが考えられます。 その時に、首輪をしていれば、捕まえられる確率も高いです」これは、全く普通のことかもしれませんが、非常に大事なことだと思います。
出来ない自分、出来ない愛犬を想定しよう
異常事態への備えは、普段とは「別のワンコ」を想定して準備をしましょう。
ひっきりなしに吠え続けるようになってしまったら、ペット同行の避難所でも入れない恐れがあります。分離不安のような行動が出るならば、別行動が難しくなり行動の範囲も大きく狭まります。できるだけ一緒にいられるように準備することも必要ですし、フードや水、トイレシートのストックを十分に備えておくことも必要です。
ワンコのためにも防災対策は必要です〜備えあれば憂いなし!同行避難を想定してのアレコレ | the WOOF
さて、地震で身を隠したメープルですが、揺れや地震警報への恐れは続き、そのうちに何もない時にも震えるようになってしまったとのこと。この時、メープルママが頼りにしたのは動物病院です。安定剤を処方してもらったり相談に乗ってもらったりしたのだそう。今でも余震や地震速報は大嫌いなメープルですが、ご家族の愛情あるお世話を受けて、かなり落ち着きを取り戻してきています。
愛犬が大災害時にどんな変容を見せるのかは予測不可能なことですが、飼い主側の対応力は事前の準備で補えることも多々あります。
必需品を準備しておくことや、ペット同行可の避難所を探しておくこと、地域の友達と連携をしておくことなど、大災時にも愛犬を守ることができるよう、しっかりと備えておきましょう。
Featured image credit @maple13.crepe28 / Instagram
ワンコのためにも防災対策は必要です〜同行避難するために健康管理としつけはしっかりね! | the WOOF
地震、噴火、竜巻、そして異常気象。 自然災害は突然、容赦なく襲いかかってくるものです。 人間だけでなくワンコのことも考えて、備えを万全にしておきましょう。 ご主人、暑いです〜 (c) Pornchai Chanachai / shutterstock 米国では6月を、「ペットのための緊急時対応月間(National Pet Preparedness Month)」とする動きがあるようです。 …