ドイツで、税金滞納を理由に市がペットのパグを差し押さえし、オークションサイトのeBayで販売するという事案が発生しました。
現在、パグを売りに出した市は訴訟リスクに直面しています。
「家財の中でもっと価値がある」と評価された犬を差し押さえたのは、ドイツ北西部のアーヘン市。
市は、飼い主一家による犬税を含む税金等滞納を理由に、財産の差し押さえを実施。当初は障害者のある家族の住宅用車椅子を差し押さえようとしていましたが、実際には家族の所有でないことが判明したため断念したそう。
最終的には、血統書付きのペットのパグEddaが差し押さえ対象となり、eBayで750ユーロ(約9万4千円)で売りに出されました。現在は新たな飼い主が見つかっています。
しかし、話はここで終わりにはなりません。12月にEddaを購入した新たな飼い主が、市を訴えると息巻いているのです。12月に迎えて以降、健康状態の悪いEddaのために4回も手術をしたという飼い主が、治療費全額(約1,800ユーロ)と購入代金の支払いを求める裁判を起こすとしているのです。
飼い主となったMichaela Jordanさんは、市の職員に問い合わせたときに「健康だ」と嘘をつかれたと主張します。
Jordanさんは、eBayに掲載されていたパグの価格に疑問をもち、市に問い合わせをしたのです。Eddaについた750ユーロは、市場価格の約半分ほどの超破格値。おかしいと思ったものの、市の職員から取引が合法であること、パグが健康であることを説明されたことで、購入に踏み切ったのだといいます。
しかし実際にはお迎えしてからの数ヶ月で、目の問題のために4回も手術を受けることなったのです。市はわかっていたはずの健康問題を開示しなかったと怒り心頭です。
市のスポークスマンFrank Merschhaus氏は、犬の差し押さえは「それが価値あるペットである限りは合法」とする一方で、車椅子の差し押さえについては「ひどい噂」と一蹴。「障害をもつ人の移動を補助するための道具は、ペットと異なり、担保として差し押さえる対象とはならない」と全否定。「どの執行官もそのような差し押さえをすることはない」と答えています。
一方で、合法ではあるが「この事案は今後詳しく調査されるだろう」とも述べています。差し押さえは合法ではあったが、「前例がなく、心情的に苦しい」ものであったことを強調しています。
さらに、eBayによる生き物の販売についても調査されるだろうと付け加えています。BuzzFeed Newsによれば、今回Eddaを販売したのは企業傘下のeBay Kleinanzeigenであり、本体のeBayサイトでは認められていないとのことです。
h/t to Family pug seized by town over unpaid debts and sold on eBay – BBC News
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