犬を虐待した男に懲役8〜10年の判決(アメリカ)

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犬を安楽死させなければならないほどの虐待を加えた男に、懲役8-10年と2年の保護観察が言い渡されました。

虐待した男の名はRadoslaw Czerkawski。ポーランド国籍のこの男は、刑を終えた後に自国に送還されることも併せて発表されています。

“Puppy Doe”の事件

2013年8月31日、マサチューセッツ州クインシーの公園近くでで、全身に傷を負った雌のピットブルが発見されました。

犬は、推定1~2歳。身元がわかるものは何もないこの犬は、誰が見てもわかるほどに衰弱し、ひどく傷ついていました。子犬にはまだ息がありましたが、ひどくやせ細り全身は傷だらけ。鼻は火傷しており、目には刺し傷があり、舌は裂け目を作るように切られていて、頭蓋骨や脊柱は骨折していました。

犬の状態は、救助にあたったthe Animal Rescue Leagueの責任者をして「(これまでに見た虐待事案と比べても)はるかにひどい、最悪のケース」と語らせるほど悲惨なもので、彼らには安楽死させる以外の選択肢は残されていませんでした。

犬が長期間にわたり一貫して飢えと暴力に晒されていたことは明らかで、他の被害動物の存在も懸念されました。また、「このレベルのサディスティックな残虐行為の対象が1匹だけで済むことはあり得ない。他の動物や、もしかしたら弱い人間にも行為が及んでいることも考えられる」とする専門家の意見もあり、人々の関心も高まります。事件の被害犬は”Puppy Doe(身元不明犬)”と警察も広範な調査に乗り出しました。

そして2ヶ月後の2013年10月、警察は、以前犬が発見された近くの場所に住んでいたポーランド人、Czerkawskiを逮捕します。捜査によりこの男は、これまでに11件の動物虐待行為を行なっていたことが判明します。さらに、子犬の名はKiyahであり、死亡する数ヶ月前にネット掲示板での取引により男の手に渡ったことも明らかになりました。

懲役、動物との接触の禁止、そして追放

2018年3月26日、Czerkawskiは、マサチューセッツ州デダムのノーフォーク高等裁判所で動物虐待の罪により8〜10年の懲役刑を言い渡されました。

さらに、保護観察期間は2年間であることと、動物の所有と接触が禁止されることも宣告されました。今後Czerkawskiは、動物シェルターでのボランティア活動に関わることもできません。

移民局からは、Czerkawskiが刑期を終えた時点で身柄を拘束しで国外追放(ポーランドに送還)することが宣言されました。保護観察期間は設定されていますが、この期間の終了を待たずに送還することもあるようです。

判決により、動物虐待に対して強い姿勢で臨むことを示したマサチューセッツ州は、Kiyahの事件を受けて動物虐待への罰則強化などを進めていました。愛護団体などは、今回の判決が動物への拷問をする者への抑止力になることと、さらに強い法の制定への推進力になることを期待しています。

the Animal Rescue LeagueのNee代表は次のように述べています。「今日はマサチューセッツ州の動物福祉における歴史的な1日となりました。Radoslaw Czerkawskiへの判決は、動物への残虐行為を行う人々は、その責任を負わなければならないことを示したといえます」

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Man Who Tortured Dog Sentenced To 8-10 Years Prison, Deportation – iHeartDogs.com
[2] Everything you need to know about the upcoming ‘Puppy Doe’ trial

Featured image creditThomas Hawk/ Flickr

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