愛犬のニオイが大好きな愛犬家は少なくありません。犬の被毛に顔を埋め、クンクンするのが大好き!という声はよく聞かれるものです。
しかしだからこそ、「イヌ臭すぎる」のはチト辛い。そして健康な犬ならば、強烈に臭いという状態にはならないはずなのです。愛犬の「イヌ臭さ」はどのような要因で構成されているのでしょうか。
1. 肉球の匂い
自ら「肉球フェチ」を名乗り、その匂いを楽しむ愛犬家は想像以上に多い模様。人気の肉球のニオイも、「イヌ臭さ」を構成する要素の一つです。匂いの原因は様々に推定されていますが、未だ特定はされていません。酵母繁殖、細菌繁殖、汗や皮脂だとする説や、これらの全てが混ざり合ったものだとする説など、専門家の中でも意見が分かれています。
2. 肛門嚢からの分泌液
犬には肛門の周囲に肛門嚢という器官が存在します。肛門嚢の内壁の下には2つの腺(肛門腺と呼ばれるもの)があり、この腺からの分泌物等は肛門嚢に溜まった後に外に排出されます。肛門嚢の本来の機能は匂いづけで、犬種や個体により異なりますが、かなり強い匂いを発します。分泌液が被毛につくことや、肛門嚢の病気などは「イヌ臭さ」をアップさせます。
分泌液は自然に排出されるものである一方、犬種の特性や体調などで分泌できない犬もいます。犬が自分のお尻を気にしているようならば、「肛門腺絞り」などのケアが必要です。ちなみに「強烈なニオイ」を私なりに表現すると「腐った生魚のニオイ」です。
3. 皮膚感染
皮膚感染も、悪臭の原因になります。どんな犬でも刺激により皮膚バリアが破壊されてしまうと皮膚感染を起こしやすくなるものですが、ブルドッグやパグなどの皮膚の襞が深い犬は特に注意が必要です。汚れが溜まりやすく湿気がこもりやすい襞の間は、微生物が繁殖しやすい「イヌ臭さ」発生の源です。犬の皮膚はとにかく清潔に保つこと。ただ、シャンプーのしすぎや刺激の強すぎる薬剤などは、逆に皮膚のバランスを崩してしまうこともあるので気をつけて。皮膚の匂いが気になる犬やヒダヒダが深い犬の飼い主さんは、一度は専門家に相談してみることをオススメします。
4. 耳の病気
耳もニオイの源です。非常に小さく繊細な器官である耳は、湿気や汚れがこもりがち。ジャブジャブと洗えるものではない以上、ある程度のニオイがするのは自然のことです。ただし、顔を背けるほどに強烈な臭いを発しているのなら、外耳が炎症を起こしているか、細菌や真菌による感染症にかかっている恐れがあります。たれ耳の犬や、耳道に被毛が生えている犬は、日頃からの注意が必要です。耳を痒がる、悪臭がするなどの異変が見られたら、獣医師さんに相談しましょう。耳掃除を効果的に行うのはかなり難しいうえ、外耳炎や感染を「見分ける」のはほぼ不可能だからです。
5. お口のニオイ
可愛い愛犬に息を吹きかけられて、「おぅっ…!」と変な声をあげてしまう飼い主は、私だけではないでしょう。歯科感染症も、「イヌ臭さ」の大きな原因です。強烈な臭いは歯周病が原因であることが多いのですが、口腔腫瘍、異物、胃のガス、内臓疾患、糖尿病など病気によっても口臭は発生します。口内ケアでは緩和しない悪臭や、いつもとは異なる匂いを発しているのなら、いつもより鋭い目で愛犬の観察をした方が良いでしょう。
6. おなら
おならが「イヌ臭さ」を構成する要素に入れるのは適切かどうかはわかりませんが、ガスがニオイの元であることは間違いではないということで。1度や2度のオナラは笑い話として扱えば良いのですが、「とにかくひっきりなしにオナラをするから、臭くてたまらない」という状態であれば、誤食や病気を疑ってみた方が良さそうです。原因が病気などでない場合は、食事療法が効果を発揮することは少なくないようですから、ぜひ専門家に相談を。
7. 濡れた被毛
湿った犬は、結構ワイルドな臭いを発するものです。濡れた状態は、「イヌ臭さ」に直結します。ある研究では、濡れた犬の毛は乾いた毛と比較すると、いくつかの化合物の濃度が上がっていることが示されています。ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、アセトアルデヒド、イソ吉草酸など匂いを発する化合物が含まれており、これらが生化学的反応を起こして臭いを発生させているという見解もあります。この場合に「イヌ臭さ」を抑える為には、濡れた犬を乾いた犬にする、すなわち、しっかりと被毛を乾かすことが必要です。
犬の反論
愛犬は可愛いけど、時に臭いが気になる…とはニンゲン側のコメント。これに対して犬たちはどう考えているのでしょうか。ジャックラッセル・テリアのマイロ(Maylo)氏がコメントしています。
みんな! 人間のお世話って犠牲が伴うものなんだよ。少なくとも2日に一度は洗ってやらなきゃいけない。そうじゃないと彼らは、💩みたいに臭うからね
お、おぅ…。
健康的な食事と清潔さを保つことで、「イヌ臭さ」はある程度軽減することができるもの。お互い快適に過ごせるよう、細やかにお世話をしてあげましょう。
そして、ニオイは健康のバロメーター。ひどい臭いを発しているなら、健康状態に問題があるのかもしれません。「いつもと違〜う」と感じたら、いつもよりお世話に気を配ってあげましょう(^ ^)
Featured image credit Joseph O’Connell / Flickr
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ワンコ大好きな私たちは、いつでも愛犬と一緒。 家の中でもお出かけの時も、いつでもどこでもワンコと一緒。ソファでゆっくりTVを見たり、ベッドで一緒に寝たり、家じゅうにワンコの居場所があるのがわたしたちの生活です。 そうなってくると放っておけないのが、「ワンコの臭い」問題です。ワンコはまる洗いできても、部屋に染み付いた臭いは洗い流せません。ではどうすればいいの? …