犬に食事中のおねだり行動をやめさせる方法

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犬のおねだり行動は、悲しい子犬の目であなたを見つめることから、クンクンと悲しい声をあげる、鼻をグズリと鳴らす、前脚でトントンとあなたの体に触れることまで、さまざまなものがあります。

「テーブルの上のパンを分けて欲しい」「遊んで欲しい」「ナデナデして欲しい」など犬の要求も様々ですが、とりわけ食事中のおねだり行動は貪欲で執拗です。愛犬の栄養管理を徹底するためにも、飼い主さんがゆっくり食事をするためにも、できればやめさせたいものです。

もし、おねだり行動が習慣になっていないのなら、これからもしないように予防をしておきましょう。愛犬がもうすでに執拗なおねだり犬になっているなら、心を鬼して、この悪習を断ち切りましょう。

[icon name=”comments” class=”” unprefixed_class=””] この記事の監修者

WanByWan 三井 惇(みつい じゅん)CPDT-KA

1997年ボーダー・コリーを迎えてからドッグトレーニングの面白さを知り、ドッグダンスを始めてから、ドッグダンスを広めたいとドッグトレーニングのインストラクターになる。
現在は二頭のボーダー・コリーと共に、一般家庭の愛犬のトレーニングやドッグダンスのレッスンに携わる。本人も競技者としてオビディエンス競技やドッグダンスコンペに出没中。

おねだり行動を防止する

おねだり行動が習慣になっていない子犬やお迎えしたばかりの犬なら、あなたが「人間が食事をしている間は犬には食べ物を与えない」「人間が食事をするテーブル上のものは与えない」というルールを敷くことで、おねだり行動を防止できます。

おねだり行動をする犬は、テーブルの上に乗っている食べ物が最終的には自分のお腹に入ることがわかっている犬です。おねだりをすればそれが自分のものになるとわかっているからおねだりをするのです。

普段の食事はもちろんのこと、3時のオヤツにバナナを食べるときであっても、食卓からお裾分けを与えるのはやめましょう。別の場所で与えるか、犬用食器に入れて与えましょう。「人間の食事(テーブル上の食事)はオレのもの」というジャイアン思考にならないよう、「食卓を分ける」ことを徹底しましょう

おねだり習慣を断ち切る

もしあなたの愛犬が、すでにおねだり習慣を確立しているのなら、非常に厳しい覚悟を持ってことに当たらなければなりません。以下は、おねだり習慣をやめさせるためのアイディアです。

1. おねだり習慣を消去する

おねだり行動をやめさせるためには、犬を完璧に無視することが必要です。条件付けによって強化されてきた望ましくない行動を、反応を返さなくすることによって徐々に減少させるという方法をとるのです(オペラント反応の消去)

オペラント消去は、やること自体は難しくありませんが、やり遂げることは非常に難しいものです。まず、とにかく時間がかかるということ。飼い主は、かわいい愛犬の願いを無視するという辛い仕事を長くやり続けなければなりません。

またこれは、常に一貫した態度で行わなければなりません。昨日はいいけど今日はダメとか、パパはいいけどママはダメとか、ちょっとならいいとか、そういうことは一切ありません。

さらには「無視を決め込む」という消去のプロセスに取りかかると、多くの犬が一時的に行動をエスカレートさせてきます。これは「消去バースト(extinction burst)」と呼ばれるもので、おねだり犬のケースでは、要求が叶えられないとみると行動が激しく頻繁になることです。前脚をチョイチョイする癖のある犬は、力強く引っ掻くようになるかもしれません。クンクン鳴きはドラマチックな大声になるかもしれません。いままでにみられなかった新たな行動や少し荒っぽい行動も起こり得ます。

消去に至るまでには通常、消去バースト→強化された行動の減少という過程をたどります。ウルウルした目で懇願されても、悲しげな声をあげられても、手や足をカリカリされても、完全に無視し続ける決意が必要です。途中であきらめたら、もう一度最初からやり直さなければなりません

2. 犬の注意をそらす

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image by Sally Wallis / Shutterstock

もう一つのアイディアは、人間の食事の間は犬の興味を他にひきつけて、犬を忙しくさせておくという方法です。たとえばオヤツが入れられるボール型のオモチャや、フードパズルなどを与えておきます。そうすることで犬たちはテーブルの上の食べ物より、目の前にある美味しそうなものに注目するはずです。

3. 食事中は別の場所で待機させる

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image by Jaromir Chalabala / Shutterstock

ハウストレーニングやクレートトレーニングによって、人間が食事をするときは自分からハウスに入る習慣を付けます。当然ハウスやクレートの中には、人間の食事以上に魅力的なものが必要になるかもしれませんが、習慣になってしまえば、毎回極上のご褒美がなくても入ってくれるようになります。


栄養学的にはテーブルの残りを少しくらいあげても問題はありませんが、家の中でやっていることは必ず外でも出ます。愛犬との楽しい旅行中、食事の度に大泣きされると、他の旅行客の迷惑を考えて退出を促されるかもしれません。かわいいウルウルお目々に負けずに、ぜひ頑張ってみてください。

Featured image creditJordan/ unsplash

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