犬の中には新しい環境に早く馴染めるコもいれば、時間がかかるコもいます。
6歳のキャサリーンは、どちらかといえば前者のタイプ。最初の飼い主への忠誠心が強く、彼らの元に戻りたいと強く願っていました。
キャサリーンはグレート・ピレニーズの血をひくミックスで、オクラホマ州に住む老夫婦に大切に育てられてきた犬です。ただ、高齢の飼い主はこの先しっかりとケアができないと判断し、泣く泣く彼女を手放しました。地元の保護施設の助けを借りて、キャサリーンを新しい家族に引き渡したのです。
キャサリーンの新しい家は、前の家と同じくオクラホマ州にありました。プラハ(Prague)から前の家までの距離は約32km(20マイル)。上野から横浜くらいまでの距離ですから、健脚のキャサリーンには「徒歩圏内」だったのかもしれません。
望郷の念に突き動かされた犬は、プラハの家を抜け出し、夫妻の住むセミノールまでテクテクと歩いて戻りました。
1度ならず2度までも、キャサリーンは元の家へと戻ったのです。「彼女はとにかく、新しい家にいたくなかったのです」と、保護施設の担当者Mattingly氏。「プラハからセミノールまで、一直線に進んだのです」
キャサリーンがGPSも持たずに、前の家まで「一直線」に辿りつけたのにはびっくりしてしまいますが、Mattingly氏によれば「それほど驚くことではない」とのこと。グレート・ピレニーズは山岳地帯で家畜の群れを守ってきた非常に賢い牧畜犬(家畜護衛犬)で、広大な土地を迷わずに駆け回る能力が備わっているというのです。
頑丈で勇気があり、恐れを知らない闘志を秘めた犬、グレート・ピレニーズ。その血を引いたキャサリーンは、強い意志で迷うことなく、愛する家族の元へと歩き続けたというわけです。
2度目の逃走劇のあと、プラハの新しい家族はキャサリーンを諦めると宣言。人道的な意味においても、別の(場所に住む)家族を見つけてあげることがキャサリーンのためになる判断したのです。
キャサリーンの新しい家族は、テキサス州に見つかりました。その家にはしっかりとフェンスで囲われた大きな庭があり、家族の一人は家での仕事を持っており、常にキャサリーンのケアをすることができるのだそうです。
キャサリーンの心温まるエピソードは多くの人の心を動かし、里親候補は次から次へと現れたそうです。Mattingly氏は、「施設にはキャサリーンのような犬がたくさんいて、愛してくれる家族を必要としています」とコメント。犬のほとんどは彼女のように賢く、彼女のように忠実で、そして心からの愛を求めています。
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