「いつも尾行される」「とにかくどこにでも付いてくる」というのは、犬の飼い主あるある話。犬という生き物はとにかく、パパママを追いかけ回し、ピッタリとくっついて離れてくれないものです。

犬たちはなぜ、そんなにも情熱的に、あなたの後を追いかけ続けるのでしょうか？

理由1）仲間と一緒にいたいという本能的な欲求

犬は非常に社会的な動物。グループで移動し狩をして生きてきた犬たちにとって、仲間と一緒にいるのは自然なことです。一方、人間はワンコにとっては大切なお仲間。家畜化の過程で、人間の絆を結ぶよう形作られてきた動物です。「霊長類よりも現代の犬の方が人間を理解できること示す研究もある[1]」というほどに、彼らは私たちと強く結びついている存在です。常に一緒にいたい、安心したいと家族を追いかけるのも、彼らが私たちを仲間と認めている証拠なのでしょう。

理由2）好奇心、あるいは学習意欲から追いかける

犬は好奇心に満ち溢れた生き物です。あなたが姿を消すと「どうしたんだろう」とひきつけられ、その理由を探ろうとあなたを追いかけます。

あるいは犬は私たちの動きを研究し、人間の意図を理解しするために追いかけているのかもしれません。Chavez獣医師はpetMDに「犬たちは、人間が意図に関する手がかりを与えているか、あるいはコミュニケーションを取っているかを確かめるために、私たちのあらゆる動きを見ています。こうして彼らは、動物王国における人間の言語（ボディランゲージと話し言葉）のエキスパートになったのです」とコメントしています。

理由3）仕事に参加するために追いかける

愛犬は、家族の移動をパトロールと考えていて、追いかけ回すことで「仕事に参加している」と感じるのかもしれません。大切な資源を守ることは、ワンコの大切な勤めです。家のドアベルが鳴ったときや、家の近くで物音がしたときに大きく反応するワンコは、我が家防衛軍の一員として立派に職務を果たそうとしていることが想像できます。

理由4）あなたの周りのイイコトを求めて追いかける

日和見主義者である犬は、移動する飼い主を追いかけることで、面白いものや美味しいもののご相伴にあずかることができると思っているのかもしれません「立ち上がった！冷蔵庫に向かうのかも！」「ドアを開けた！パトロールに向かうのかも！」素敵な仲間の周りには、素敵な出来事が起こると信じている…。追いかけワンコの本音は、そんなところにあるのかも。

理由5）愛しているから追いかける

愛しているから追いかける。最後のコレは飼い主にとっては、一番嬉しくて一番納得のいくものかもしれませんね。あなたへの愛を示すために、犬たちはあなたのことを必死になって追いかけ続けるのです。可愛いヤツめ！

ベルクロドッグ症候群

上記のような”ストーカー行動”をとる犬を表す言葉に”ベルクロドッグ症候群（The Velcro Dog Syndrome）”があります。ベルクロとは日本語でいうところのマジックテープ（面テープ）のこと。あのピタリとくっつき、ペリペリ剥がすテープのことです。マジックテープのようにくっついて離れない犬と飼い主の関係をベルクロドッグ症候群と言うそうです。

これは飼い主の不在により不安になって吠えたり破壊したりする分離不安とは異なるもの。一方のベルクロは、飼い主が在宅のときに追いかけ回し、ぴったりくっついて離れない犬たちです。分離不安の犬がベルクロであることは多いのですが、ベルクロの犬が必ずしも分離不安であるとは限りません。

ベルクロドッグの”症状”は、とにかく追いかける、とにかく接近する、とにかく見つめる、飼い主の起床を待ち構えるというもの。原因は、飼い主の構いすぎ、犬の加齢、犬種（ジャーマン・シェパード、秋田）、退屈、引越しなどの環境変化です。

分離不安ではないけれど、いつでもどこでも追いかけられるとか、とにかくひっついて離れないとか…。愛犬がそんな”症状”を示したら、まずは運動やトレーニングの充実をはかったり、オヤツを使って上手に距離をとることなどを試してみてください。

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Why Does My Dog Follow Me Everywhere? | petMD
[2] Reasons Why Your Dog Follows You Everywhere | Pettura

Featured image credit Santiago_Photography / Flickr

世界で最もイケてない牧羊犬〜羊の群れに追いかけられてグダグダに | the WOOF イヌメディア

牧羊犬、あるいは牧畜犬とは、放牧している家畜（主に羊）の群れの誘導し、群れの安全を守るように訓練されたワーキングドッグです。 犬種だとボーダー・コリーが有名ですが、名前にシープドッグとつく犬種（オールドイングランド・シープドッグなど）は牧羊犬として生み出された犬が殆どです。