何かと比べられることが多く、ライバルと称されることも多い犬と猫。人間の心身の健康に良い影響をもたらすと言われる点では互角です。しかし、犬猫はもちろん異なる動物。犬の方が得意なこともあれば、猫の方が上手にできることもたくさんあります。
今日は、猫の方が優れている8つのことをご紹介します。
この記事にはこんなことが書いてあるよ!
1. 猫はサバイバル能力において優れている
2015年にPNAS誌に掲載された論文によれば、猫は2000万年前ごろ北米に生息していたcanids(現代の犬の祖先)の劇的な減少に大きく影響しているそう。イヌの種は北米においては4000万年前ごろに登場し、2000万年ほどをかけて30種ほど分岐しましたが、そのころにアジアから到着したネコの先祖に食べ物争いで破れ、わずか9種を残して絶滅したそうです。研究者は、猫に似たやり方で獲物を襲うイヌの種は、その能力において猫に負けていたので、獲物を獲ることができずに敗退したのではないかと推測しています。
歴史の中で、犬が猫の種を絶滅させたという報告は今のところありません。
2. 猫は視覚において優れている(条件付き)
近くのものをみる場合に限定すれば、猫は犬より物が良く見えています。ただし、遠くの物をみることにかけては、犬の方が優れています。猫は近くの物体に集中することが得意で、このことは接近戦での勝負を有利に運びます。
また、猫は人間や犬よりもくらい場所でより良く見ることができます。猫の目は、光の吸収に優れているうえ(人間6倍と推定される)、輝板(網膜の裏側の光の反射構造)が非常に発達しているため、光の弱い場所でも優れた視力を保つことができるのです。
3. 猫は聴覚において優れている(条件付き)
猫はまた、高いピッチの周波数を聞くという点においては、犬より優れています。平均的な猫は最大60キロヘルツの音を聞くことができますが、平均的な犬は最大40キロヘルツにとどまります。この能力は、獲物の鳴き声をより良く聞くために、進化の過程で発達させたものと考えられています。なお、犬も猫もより良く聞くために耳を動かすことができますが、猫の中には180度回転させる能力を持つものもあります。お見事。
ちなみに平均的な人間が聞くことができるのは最大20キロヘルツほどだそうです。
4. 猫は水を飲むスキルにおいて優れている
猫は犬に比べ、水を飲むエレガントさにおいて優っています。超高速カメラの記録によれば、犬は舌を使って水を跳ね飛ばし、水が口に入ると口を閉じていることがわかりました。一方の猫は、舌を鞭のようにしならせて水の柱を作り飲み込んでいます。犬の舌にかかる力は重力の8倍で、猫は2倍ほど。犬が水を撥ねとばす(=無駄にする)量は多く、同じ量の水を飲むために、犬は猫の3倍ほどの量の水が必要になると言われます。
猫はエレガントに、犬は知的に水を飲む〜犬は物理の法則を使って水を飲んでいる | the WOOF イヌメディア
5. 猫は温室効果ガス排出量が小さい
Robert and Brenda Valeの”Time to Eat the Dog: The real guide to sustainable living“によれば、猫のカーボンフットプリント(個人活動や商品のライフ-サイクル全般で排出された温室効果ガスを二酸化炭素排出量に換算したもの)は犬に比べて少ないそう。犬猫が平均的に消費する肉の量に基づいて計算した結果、小さくて食べることの少ない猫のカーボンフットプリントは小さなフォルクスワーゲンに等しく、中型犬は標準的なSUVの2倍にもなるそうです。
気候変動の原因はイヌ!?〜犬猫フードが環境に与える影響は大きい(研究) | the WOOF イヌメディア
6. 猫はバランス感覚に優れている
猫が犬よりバランス感覚において優れているのは、これはもう説明の必要はないことでしょう。猫の素晴らしい能力を支えているのは、目、内耳、足からの感覚データ、柔軟な背中と尻尾です。猫はバランスを失うと、内耳はそれを知らせて調整を促します。鎖骨がないことは彼らに柔軟さと高い回転能力を与えます。尻尾は脚と体のバランスを再調整し、変化への素早い対応に役立ちます。
7. 猫は”捕食者の眠り”において優れている
猫の1日の平均睡眠時間は15時間ほど。20時間寝るという猫もいます。犬の睡眠時間は、12~14時間で幼犬や老犬だともう少し長くなります。
猫の睡眠と犬のそれとが異なるのは、スタイルにおいてです。猫の眠りはまさに”捕食者の眠り”。狩りにはみんなが寝静まる夜が向いていることから、猫が活発になるのは夕暮れから夜明けの間で、昼間はほとんど寝ています。また猫の眠りには、深い眠り(5分ほど)と浅い眠り(15〜30分)があり、浅い眠りの間は危機にすぐに反応できるような体勢でいます。
8. 猫は飼育がしやすい
あくまでも平均的な犬猫を例にとると、猫は飼育の費用が安くあげられ、飼育の手間もかかりません。2017年12月に発表された『2017年全国犬猫飼育実態調査』(一般社団法人 ペットフード協会)によれば、1ヶ月当たりの支出総額(医療費含む)は犬で10,818円、猫で7,475となっています。
猫は犬より静かであり、家に訪ねてくる客を熱烈歓迎することもありません(大抵の猫は隠れてしまう)。猫は室内でも十分にエネルギーを発散することができ、散歩は必須ではありません。ただし昨今は猫にもしつけやトレーニングが”有効”とする考え方が登場しており、「放置でよい」というわけではないことには注意が必要です。
さて最後に、猫のあなたに対する愛情のお話を。オレゴン州立大学で行われた研究によれば、猫の中には食べ物より人間との交流を好むものもあるのだそう。「犬は飼い主が好きだが、猫は孤独を好む」なんて言われますが、家族愛においては猫だって犬に負けてはいないのかもしれません。猫、万歳。
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Cats are only pretending to be indifferent to humans, claims study | The Independent
[2] 6 Things Cats Can Do Better Than Dogs | PawCulture
[3] Why Do Cats Have Good Balance?
[4] Does Your Cat Love You? 7 Signs to Look For | petMD
[5] Who Loves You More, Your Cat Or Your Dog? | IFLScience
Featured image credit Charlie Deets / unsplash
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