夏になると、’dog days’という言葉を耳にすることが多くなります。逐語訳だと’犬の日’となるこの言葉は、「夏の最も暑い季節、盛夏」を表す英語表現です。
犬がぐったりするほど暑い日という意味かなぁと想像しましたが、然にあらず。暦に関係する言葉なのだそうです。
dog daysの意味・由来
夏の時期になると英語サイトにも「ところで暑い日をなぜdog daysって言うか知ってる?」という記事がちらほらお目見えします。英語圏の人にもその由来は、あまり知られていないのかもしれませんね。
実はこの言葉、実際の犬とは全く関係がありません。おおいぬ座のシリウスが日の出と共に現れ日の入りと共に沈む時期と、非常に暑くなる時期が合致することから、dog star days (ラテン語 diēs canīculārēsの翻訳)→dog daysと呼ばれるようになったそうです。
シリウスは別名”Dog Star”として知られています。太陽を除けば地球上から見える最も明るい恒星で、古代の人は「暑くなるのはシリウスの影響」と信じていたそうです。
the dog days of summerって、いつのこと?
古代ローマにおいてdog daysは、7月24日から8月24日とされていました[1]。アングロ・サクソンの時代には7月14日から9月5日[2]、農業に関するリファレンスThe Old Farmer’s Almanacは、7月3日から8月11日の40日としています。
ところでこれは、北半球におけるdog days。南半球では1月終わり頃から3月初旬を指すのです。場所によって時期が変わるのです。
では、日本ではいつがdog daysなのでしょうか。幾つかの辞書では日本語訳に「土用」をあてています。「土用の丑の日」の土用です(土曜じゃない!って奴ですね)。土用とは五行に由来する暦の雑節で、 四立(立夏・立秋・立冬・立春)の直前約18日間を指しますが、現在は夏土用のみを指して「土用」ということが多いとのこと。日本のdog daysは、立秋(8月7日頃)までの18日間と考えるのがしっくりきそうです。
dogが登場する夏コトバ
dog daysという言葉は500年ほど前にラテン語から英語に翻訳されました。その後、「暑い時期には犬がぐったりする」「気が触れたようになる」など、様々な解釈が加えられるようになります。
株の世界でdog daysは不振の時期[3]。他にもゴロゴロしている時期やのんびりしている時期という意味で使われます。
ちなみに、in the dog days は「真夏に」の意味。土用に入るは”The dog-days set in.”と表現するそうです。
夏の暑い時期は、犬たちが床にお腹をつけるおなじみのポーズが見られる季節。その姿を目にしたら、「ああ、dog daysが来たなぁ」と思いつつ、この記事の内容を思い出してくださいね。
そしてクーラーのスイッチをオンに!’犬の時期’は熱中症に注意です。
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] When Are the Dog Days Of Summer? | Wonderopolis
[2] Dog days – Wikipedia, the free encyclopedia
[3] 「dog days」の意味と使い方、また「dog days」の由来 | 英語 with Luke
[4] in the dog daysの意味 – 英和辞典 Weblio辞書
Featured image credit Josh Liba / Flickr
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ハスキーといえば、北方地域で使役される”そりを引く犬”。寒い地方では、生活を支える存在で、人間と負けず劣らず大切に扱われているといいます。 体毛は、オーバーコートとアンダーコートの二層構造。密集して柔らかいアンダーコートと、直毛で張りのあるオーバーコートが、北方の極寒から彼らを守ってくれるのです。