世界イヌ紀行〜お国が違えばワンコさんの生活も違うのよ♪ アメリカと中南米を巡ってみよう

世界の犬事情
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「他の国のワンコさんって、どんな生活をしているんだろう?」
そんな疑問を持つこと、ありませんか?

Webに掲載された記事や写真などを見ると、きっとバラエティに富んだ暮らし方をしているんだろうなぁなどと、想像しちゃいます。

米国の有力イヌメディア”BarkPost “に、ある若い米国女性が世界のワンコ事情をつづった記事(“How Dogs Live In Other Countries Will Surprise You”)が掲載され、話題を呼びました。その土地にあった暮らしをしているワンコさんたちの姿には、なかなか興味をそそられます。

そこで我が”the WOOF”も、ワンコさん暮らし方「まとめ」に挑戦です。その国や地域なりの生活の様子を、覗いてみたいとおもいます。

今回はアメリカ大陸を巡っちゃいますよ〜♪

米国女性が世界各地のお犬事情を調べたキッカケとは

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“Dogs at the entrance of a Jainist Temple in Kolkata, India” (c) Miguel Cabezón / shutterstock

その犬達は野良犬ではなかった。彼らの家はデリーの繁華街なのだ。通行人が立ち止まり餌を与え、撫でてやり、水を飲ませていた。

世界の犬事情を探る前に、Barkpost記事の執筆者Haley Vannarsdallさんの執筆動機を振り返ってみますね。

Haleyさんが「世界で暮らす犬」に関心をもったのは、初めての海外旅行での体験がきっかけだそう。インドを訪れた彼女は、路上で暮らすたくさんの犬を見つけ、胸を痛めます。でも、彼らは「かわいそう」な野良犬なのではなく、デリの繁華街に「住んで」ご近所づきあいもこなし、(恐らくは)幸せに暮らしていることに気がつきます。

お腹を空かせた野良犬のイメージとは異なり、デリーに住んでいる犬は食事に困ることはなかったようで、彼女が与えようとしたホテルの朝食(新鮮なチキンソーセージやロティ(無発酵のパンの一種))にも興味を示さなかったとのこと。

国が違えば生活も違う、といったところでしょうか。その経験をきっかけにHaleyさんは、世界中の犬達がどのように生活しているのか気になるようになったそうです。面白いですね。

ペット大国のアメリカのワンコさん

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(c) Ewais / shutterstock

8640万頭の犬、7820万頭の猫が飼われている国といえばアメリカ[1]。”the WOOF”が熟読している犬メディアもたくさんある、ペット大国です。

ペットを飼う世帯が、子供を持つ世帯の数を追い抜いています。全米ペット用品協会(American Pet Products Association : APPA)によると2014年では$580.4億ドル($1= 120円計算、約6兆9648億円)ものペット関連費が費やされているそうです。かなりのお金ですね!

ちなみに日本の2014年の飼育犬数は1034万頭、猫数は995万頭[2]。日本でも子供よりペットのいる世帯の数が上回っています。

バケーションにも一緒に出かけ、毎日同じベットで寝て…と家族の一員として可愛がられているワンコが多い一方で、全米動物愛護協会(American Society for the Prevention of Cruelty to Animals : ASPCA)によると270万頭の犬が、悲しいことに毎年シェルターに送られ安楽死させられているそうです[3]。施設の空きがない等の理由で、多くの健康な犬猫が殺処分されており、愛護団体も「最終手段としての殺処分を容認している[4]」のだそう。

英語で「パピーミル」と呼ばれる営利目的の大規模繁殖業者による過剰繁殖[5]や、避妊の意識の欠如が原因だと考えられているようです。最近では州や市のレベルでペットショップへの規制が行われており、ペット売買を規制したニューメキシコ州アルバカーキ市で殺処分されたペットの数が減少した実績があることなどから、殺処分の抑制につながるものと期待されています[4]。また、国としても避妊や去勢費用を無料や減額するなどの対策を進めているそうです。

みなさんご存知のとおり、米国は州によって法律や規制が異なります。ですので、一口に「アメリカでは」ということは難しいことも多いのですが、犬としての本質や生態を無視した飼い方はNGとされるというのは共通しているようです。Dear Pawsさんによれば、「外飼育や鎖に繋いでの飼育、ゲージや犬小屋などの限られたスペースでの飼育は違法または動物虐待と見なされ、警察やアニマルコントロールから警告を受け、改善が見られない場合は罰金や奉仕活動への参加、ひどい場合には裁判沙汰にまで進展することがあります」ということです。また、譲渡希望者と犬の運動量がつり合わない場合は、犬を手に入れること自体が困難なこともあるそうです[6]

一番の“アミーゴ”はやっぱりワンコさん

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(c) Alexa Poppe / shutterstock

お次はラテンアメリカ諸国を旅してみましょう。

エコノミスト誌(The Economist)によると最近のペットケアブームで、番犬としてではなく家族の一員としてワンコを飼う人が増えているそうです[7]。過去5年間でペットフードやペット雑貨の市場は44%増加し、110億ドル(1兆3200億円)にも達しています。

国際市場調査会社のEuromonitorによると、南米諸国の中でも一人当たりのペット数はチリが一番多く、これは収入の増加や晩婚化の影響を受けているそうです。ラテン諸国ではペットフードではなく、食卓の残りごはんを与えられているワンコが多く(日本の昔の犬もそうでした!)、ペットの栄養の重要性がようやく広く知られ始めたばかり。今後南米のワンコ数はもっと、もっと拡大する余地があるようです。

チリのお隣といえばアルゼンチン。Team Argentinaのブログは、アルゼンチンで暮らす犬のほとんどは野良のようだといいます。2〜5匹でグループを組んで、自由にのびのびと暮らしているみたいです。ただ、やはり自由な生活も大変なようで、ほとんどのワンコさんの体には傷があったり怪我をしているとのことです。日本のワンコさんに比べるとワイルドで「犬らしい」暮らしをしているようですね。

犬事情 ( ラテンアメリカ ) – Team Argentinaのブログ にはお写真がたくさん掲載されています。興味のある方はぜひ覗いてみてくださいね!


急ぎ足でアメリカをまわってみました。ちょっと見ただけでも興味深々になっちゃいますよね。ワンコの暮らし方ひとつとっても、国や地域の空気感が伝わってきます。

さてさて、次はどこを旅してみようかな。

h/t to How Dogs Live In Other Countries Will Surprise You – BarkPost , 翻訳協力:enpola


[1] How We Treat Pets in America
[2] 平成26年 全国犬猫飼育実態調査|全国犬猫飼育実態調査 主要指標まとめ|一般社団法人ペットフード協会
[3] Each year, approximately 2.7 million animals are euthanized (1.2 million dogs and 1.4 million cats) from Pet Statistics | ASPCA
[4] 遠藤真弘-国立国会図書館 調査及び立法考査局農林環境課(2014)『諸外国における犬猫殺処分をめぐる状況』
[5] パピーミルが犬に与えるダメージについてはこの記事を参照→『パピーミルの繁殖犬たちが受ける精神的ダメージ | dog actually – 犬を感じるブログメディア
[6] アメリカ流犬の問題行動対策 » Dear Paws
[7] Man’s best amigo | The Economist
[8] Latin American Pet Care: The Rise of Emerging Markets

 
Featured image by Vivienstock via shutterstock

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