#配信済 犬は驚くほどの正確さで「血中の癌」を探知できる(研究)
犬は人間よりも多くの匂い受容器を持っており、私たちが知覚できない臭気にも敏感に反応します。彼らは爆弾や薬物の探知だけでなく、癌患者から採取した血液サンプルをほぼ完璧といえる正確さで探知できるのです。
最近発表された研究によれば、犬が癌患者の血液サンプルを嗅ぎ当てる制度は約97パーセント。犬たちの力を活用すれば、体を傷つけずに癌スクリーニングが可能になるかもしれません。
研究はExperimental Biology 2019で発表されました。
研究を行なったのは犬を使った癌のスクリーニングを行うBioScentDxの研究員ら。研究者らは実験の前に、4匹のビーグル犬に対して、正常な血清と悪性肺がん患者からの血血清を区別するための訓練を施していました。
その後行なったテストにおいては、1匹を除いた3匹が約97%の精度で癌患者の血清を正確に同定しました。
この結果についてJunqueira主任研究員は、「癌を検出するための非常に高感度な検査は、潜在的に数千人の命を救い、病気の治療方法を変える可能性があります」とコメント。犬による癌の検出は、安価で非侵襲的な癌スクリーニング方法の構築につながる可能性があるとも述べています。
「この研究は、この分野の研究に2方向の道を拓いたもの。とてもエキサイティングです」「ひとつは、癌のスクリーニング法として犬の匂い検出能力を利用することです。もう一つは犬が検出する生物学的化合物を特定し、それらの化合物に基づいて癌スクリーニング検査を設計することです。どちらも新たな癌検出ツールの創出につながる可能性があります」
BioScentDxは、犬や他の命にかかわる疾患を非侵襲的にスクリーニングする方法を開発するために犬のにおい検出を使用することを計画しています。次のステップは乳がん探知の可能性をみることのようです。すでに実験協力者は息のサンプルを寄付しており、犬の訓練も行われています。研究者らは、息に含まれる化学成分を分離し、犬にそれを嗅がせるとともに、犬が探知する匂いの原因物質を分離することを計画しているそうです。
ちなみに4匹のうち1匹は、実験に興味を示さなかったため落第してしまいました。犬は実験中の様子から、Snuggles(寄り添うという意味なのでまぁ「ゆったりさん」「抱っこちゃん」みたいな感じか)と名付けられたということです。今後はゆったりと過ごして欲しいですね。