どうして噛むの?もうやめて~!甘噛みストップのために考えてほしい9つのこと

しつけ・トレーニング
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ナデナデしようとワンコに手を近づけたら「カプッ」。

子犬を飼い始めた飼い主さんの多くが直面するお悩みは、噛み癖・甘噛みだそう。「噛み癖のあるコに育っちゃうかも!?」と少し心配になっちゃいますよね。

悩む前に読んでいただけるよう、甘噛みの原因と対策をまとめました。

甘噛みってどんなもの?原因はなんだろう

そもそも甘噛みって何だろう?甘噛みと「噛むこと」の違いってなんだろう? ということから整理してみます。

歯の生え変わりによるものが「甘噛み」

まず、ワンコさんの歯がどう育っていくのか、確認しましょう。

生まれたばかりの子犬には歯が生えておらず、生後3週くらいから乳歯が生えはじめ8週目までに28本が生えそろう。ついで、生後3~7ヶ月の間に徐々に永久歯に生え変わり、最終的には42本となる。

『イラストでみる犬学』[1]

人間と同じように犬にも歯が生え変わり、このときに歯茎がむずむずして何か噛まずにはいられないのです。この歯茎のむず痒さを解消するために噛む行為を「甘噛み」といいます。

子犬同士は、お互いに甘噛みしながら育っていきます。兄弟犬などとの遊びのなかで、どの程度の強さで噛んで良いのか学んでいくものです。

興奮やストレスによる「噛み」は甘噛みとは別物

一方で、噛むことを止めない、血が出るほど強く噛むという行為は、「甘噛み」とは異なります。

連続した、または強い「噛み」の原因は様々です。親兄弟と早く引き離されたために犬同士の遊び経験がなく、噛みの加減が分からないのかもしれません。あるいは、所有欲や優位意識による自己主張のため、はたまたストレスや恐怖心をまぎらわせるために噛むのかもしれません。

いずれにせよ、強く噛む、連続して噛む、さらには唸り声まで混ざっていたら、なかなかに大きな問題に直面している可能性が大きいです。専門家に相談しましょう。

甘噛みストップのためにトライしてほしい9つのコト

Shutterstock 259096715

「かゆいんですー」というワンコさんのために噛んで良いものを用意してあげる

(c) Irmun / shutterstock

1. まずは愛犬と生活全般を見直す

愛犬は引き取り前に、どのような環境で養育されていましたか?そしていま、飼い主さんとの暮らしで犬に負担をかけていることはありませんか?いつまで兄弟犬と遊べる環境にいたのでしょう?愛犬との暮らしを見つめ直すことで原因をじっくり考えるところから対策をスタートしましょう。

2. 病気や怪我がないかを確認する

痛みがあると攻撃的になる犬は少なくありません。いつもと様子が違うのであれば、病気や怪我の可能性を疑ってみてください。

3. 犬種の特性を学び直す

問題行動の記事で触れたように、問題行動の原因は遺伝と環境によるものです。犬種それぞれの特性を見直し、そのコに合った対策を飼い主さん自身が考えることはとても重要です。

4. 甘噛み対策のおもちゃやガムを用意する

歯のむず痒さを解消するための、おもちゃやガムなどを用意しましょう。自分で気に入ったものを噛むことができれば、飼い主さんの手や家具などの「噛んでほしくないもの」を噛む癖をつけずに済むことでしょう。

5. 噛んでほしくないものを片付ける

甘噛みをはじめると「あー、何するのー」と大騒ぎ。そんな騒ぎをみて「ママが喜んでくれた!」と思ってしまうコもいるかもしれません。そんな可愛い勘違いをさせないために、噛んでほしくないものはなるべく別の場所に置くようにしましょう。

6. 噛まれたら声をあげる

犬どうしで遊ぶとき、お互いをやわらかく噛むのは自然な行為です。でも、相手が人間であれば別のこと。人間は、噛んではいけないものであるということを教えなければなりません。手を噛んだら「あー」などと、いつもと異なるトーンで声をあげ「いけないこと」であることを伝えましょう。「手を噛んではいけないことを、わかっていなかった」ことが問題の要因である場合には、比較的容易にやめさせることができます。

7. 噛まれたら無視をする

興奮やストレスが原因であることが考えられる場合には、声をあげるのではなく遊びをやめてハウスに戻す、あるいは遊びをやめて無視する、などの方法をとるほうが良いこともあります。これで「人間を噛む=よくないこと」とわかってもらうのです。

8. 興奮させる遊びを避ける

ボール遊びや引っ張りっこは、良い運動になりますが、一方で犬を興奮させるものです。また、突然の早い動きやヒラヒラしたスカートなど、捕食本能を刺激することも興奮を助長します。こうしたことを避け、穏やかで良い刺激を子犬に与えるようにしましょう。

9. 外の刺激に触れさせるようにしましょう

お外遊びを取り入れましょう。ワクチンプログラムを終了したコについては、お散歩の回数を増やす、新しいお散歩コースを試してみるなど、工夫するのも良いでしょう。

ワクチンプログラム完了前のコについては、まずはかかりつけの獣医さんに相談を。最近はプログラム完了前であっても外遊びOKという考え方もありますが、感染症や病気にかかりやすい時期であることは間違いありません。窓やベランダから外の空気を取り込んだり、外の人に遊びに来てもらったりと、家にいながらにして刺激を与えるという方法を検討しましょう。また、抱っこ散歩も効果があります。視覚と嗅覚を刺激することは、大きなストレス解消になるでしょう。


成犬になった後の噛みぐせの矯正は、専門家であっても困難なことがあると言われています。できるだけ子犬期に、癖になる前に、なおすようにしましょう。その際に、罰を与えることは絶対に行わないよう、心がけてくださいね。

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] 林良博 監修(2000)『イラストでみる犬学』講談社

Featured image by Ysbrand Cosijn via shutterstock

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