ケベック州、2017年より美容目的の断尾や断耳を禁止〜動物福祉の原則に反する

動物愛護・保護
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カナダのケベック州で、美容目的の断尾や断耳を禁じる州規則を採択することが決定しました。ケベック州では初となるこの決定は、すでに法令等により禁止している他7州の決定に続くものです。

断尾禁止の対象は、犬、牛、馬、また断耳は犬及び猫が対象となっています。動物福祉の原則に反することが決定の理由だと宣言されており、2017年から施行されます。

断尾及び断耳の歴史は長く、その理由も様々です。怪我を防止する目的や健康面への配慮目的もありますが、美容目的からの断尾・断耳もあります。犬種標準が重視される国や地域では、標準(スタンダード)の基準を満たすため、あるいは「慣習」として行われてきました。断尾や断耳は身体の一部を傷つけることに他ならず、感染症や慢性的な痛みの原因となることから、獣医師などを中心に禁止すべきという動きが広がっていました。

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ピンと立った耳で知られるドーベルマンも、本来垂れ耳なのです image by Juanedc.com / Flickr

地元の獣医師であるゴールドバーグさんは、「幸せなときに尻尾を振るとか、恐れを感じているときに耳を後ろに倒すといったことは、皆さんご存知だと思います。尻尾や耳を切り落とすことは、他の犬や人々とのコミュニケーション手段を奪うことになるのです」とCTV Montreal News に語っています。「かつては行うべき理由もありましたが、現在では全く是認できないものです」

一方で、地元のブリーダーからは反発の声も聞かれます。禁止することで、美容目的施術を求める人がブラックマーケットに流れてしまうことを懸念してのことです。「スタンダードを重視する国や地域での競技会で勝てない」として困惑するペットオーナーもいます。

これまで、「個々の獣医師の裁量に任せる」としてきたケベック州。この決定によりカナダで断尾や断耳を禁じることになるのは、オンタリオ州とアルバータ州を除く8州となります。

Featured image from Martin Hesketh / Flickr

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