最近発表された研究によると、犬と猫がいる家庭において、平和を担っているのは猫であり、飼い主ではないそうです。

リンカーン大学の研究者は、犬と猫が家庭内でうまくやっていくための鍵が猫にあることを、調査により明らかにしました。

イギリスでは、犬と猫を飼育する人の数は増加傾向にあります。ペット界の両雄である彼らの同居生活については、一般的には「うまくやっていける」「全然合わない」などと評価されていますが、科学的に正式な手続きを踏んで評価されることはほとんどありませんでした。

2つの種がうまくやっていくために、年齢は重要な要素であると考えられていますが、その他の要因についてはほとんど理解されていません。

リンカーン大学のJessica E. ThomsontoとSophie S. Hallは、イギリスのペットのいる家庭を対象にオンライン調査を行い、これを統計的に分析しました。対象は、犬と猫を暮らす748人の飼い主で、家庭内における犬と猫の関係についての認識が質問されました。

わかったことの簡単なまとめは以下のとおりです；

• 犬猫飼いの10人に一人が、猫が犬を傷つけると回答
• 犬が猫を傷つけたと回答したのは1％未満
• 犬猫飼いの半数の飼い主が、猫が犬に荒々しく、非常に激しく襲いかかると回答
• 56.5％が、猫が犬を脅していたと回答
• 18％が、犬が猫を脅していたと回答
• 犬が猫に襲いかかったと回答したのは5人に1より少なかった
• ほとんどの飼い主は、犬と猫はお互いの存在を心地よく感じていると信じている
• ほとんどの飼い主は、犬と猫は友好的であると信じている

研究者は、「一般的に、ネコはネコーイヌの関係における親和性を決定する主なコントローラであるようだ」とまとめています「犬が快適でいることより、猫が快適でいる方が、犬猫の親和性の予測因子であった。すなわち、猫が犬への不快をアピールする頻度は、犬がアピールする頻度より、予測因子になりえるということだ」

共同執筆者であるSophie S. Hallは「これらの結果は、猫こそが犬猫が暮らす世帯の中心人物であることを示しています。彼らはプリンセスで、犬はヒエラルキーの下層にいます」とコメント。

「これらの結果はペットたちの関係についての飼い主の認識にもとづくものですが、犬猫が幸せに暮らすためには、猫を幸せで満足する状態におく必要があるのかもしれません」

英国獣医学会（British Veterinary Association）のジョン・フィッシュウィック（John Fishwick）会長は、「これらの知見のベースには、犬は群の動物で、猫は孤独な生き物ということがあります。重要なのは、どちらにもスペースを与えるということです。ゲートなどで別に過ごさるか、猫ドアをつけるなどして、猫に自由にさせることができる環境を作ることです」

オオカミの子孫と言われる犬は、大きな吠え声や恐ろしい牙をもっていますが、家の中ではプリンセスな無情ないじめに耐えているのかもしれません。お互いがリラックスできるよう、環境などに工夫してあげると、いい感じになるのかな。

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Thomson, J. E., Hall, S. S., & Mills, D. S. (2018). Evaluation of the Relationship Between Cats and Dogs Living in the Same Home. Journal of Veterinary Behavior.
[2] Study reveals that cats BULLY their canine friends and threaten pets | Daily Mail Online

Featured image creditmad artichoke/ Flickr

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