ワンコとペットシッターが向き合う時間〜不安を乗り越えたワンコさんの成長ストーリー

コラム
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ペットシッターとして様々なワンコのお世話に関わっていると、その変化や成長に驚き、飼い主さんと一緒に嬉しい経験をすることもあります。

以前、お世話に伺っていたお宅のミニチュアダックスフンドさんも、私に喜びをくれたワンコさんでした。今日は、彼の成長ストーリーをお話ししますね。


初めて1頭になり不安でいっぱいのワンコとの出会い

ある日1本のお電話でのご相談が、彼との出会いのきっかけでした。

そのお宅には、もう1ワンコさんが一緒に暮らしていたそうなのですが、先に天国に旅立ってしまったとのこと。そしてそれ以来、彼はとっても不安定になってしまったというのです。

そして飼い主さんはお仕事で忙しく、早朝に出て夜に帰宅するまで一人でお留守番というのが、ワンコさんの生活スタイル。朝、家を出ると、しばらく歩いても聞こえるほどに、激しく鳴かれてしまうのが辛かったというお話しでした。ワンコの不安な気持ちもさることながら、飼い主さんも苦しかったことと思います。

ぜひとも力になりたいと思い、相談をお受けすることにいたしました。

少しずつお留守番に慣れてもらうために

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(c) chair80 / shutterstock

ご家族と相談し、平日のお留守番中は短時間であっても毎日、シッティングをさせていただくことになりました。

最初の頃は、ペットシッターが到着してもなかなか甘えることができず、そっと近づいては離れて吠えるを繰り返していたワンコさん。でも、毎日のシッティングの中で、彼が好きなことをたくさん行うことで関係を作っていきました。お散歩に行って気分転換したり、大好きなおやつを食べながら遊んだり、おもちゃを使いながら思いっきり走ったりすることが大好きだったのです。

彼は次第に、ペットシッターが来る生活や、シッティングの流れを理解しはじめます。遊び疲れれば、お気に入りのベッドに自ら向かいスヤスヤ眠るようになったときは、とても嬉しかったのを覚えています。かつては、もう1頭のワンコと仲良くその傍らで寝ていたワンコさん。温もりがない中でお留守番というのはとても不安だったろうと思います。そんなワンコさんが、私に目の前で、自ら眠るようになってくれたのですから、信頼してくれているんだなとホッとしました。そして、玄関を閉めて帰ろうとしても、吠え立てることは無くなってきたのです。

初めての一晩のお留守番にチャレンジ!

ペットシッターとの関係もすっかり出来上がり、半年も経った頃、飼い主さんがひとつのチャレンジを提案してくださいました。それは「1泊旅行に行ってみたい」というものでした。

この数年旅行をしていなかったそうで、これまでにも、ワンコさんを預けた経験はなかったとのこと。不安の中のチャレンジでしたが、結果は大成功!朝、昼、夕方、夜と細かくシッティングに入ったことで、ワンコさんもすっかり落ち着きを取り戻していたようです。1泊のお留守番くらいは平気だよ♪というような、驚きの成長を遂げていたのでした。

さて、このときの事前打合せは、かなり詳細に行ったことを追記しておきます。特に夜のお留守番が必要なこのときのケースでは、夕方までにたっぷり遊びの時間をつくり、お散歩もいつもより長めに行うことにしました。運動をたっぷりして、ストレスを発散させ、適度に体も疲れさせることで、夜に落ち着いて休んでもらうことを意図した計画です。ごはんは、夕方と夜に分け、空腹時間を短くさせることにしました。これも普段の飼い主さんとの生活スタイル〜シッターの私による給餌と飼い主さんによる夜遅くの給餌という2回の食事をとるスタイル〜をそのまま踏襲することにしたのです。

また、電気やカーテン、テレビのスリープタイマーなどの、細かい設定にも気を配りました。かすかな物音でも反応して吠えてしまったり、地震や雷の音に強い恐怖を感じているワンコさんでしたので、できる限りお部屋の中で安心できるような環境を作るべく、飼い主さんと相談しました。安心をプラスするために、飼い主さん愛用の毛布とトレーナーをソファーに置いていただくよう工夫もしました。

実際のお留守番は、無事に終えたことは前述のとおりです。お留守番中のワンコさんが、この毛布とトレーナーに包まっていたことは、言うまでもありませんよね。


はじめて会ったとき、不安の塊のような表情をしていたワンコさん。でも、たくさん話しかけ、一緒に遊び、楽しい時間を過ごしていくうちに、すっかり落ち着いた表情を取り戻してくれました。

ワンコ自身が成長を遂げた喜び。そして、飼い主さん自身の楽しみがひとつ広がったという喜び。この体験は私に二つの喜びを与えてくれました。何よりも飼い主さんの笑顔を見られることは最大の喜びです。ペットシッターとしても、焦らず犬と向き合い、関係をしっかり作っていくことが大切であると改めて学ばせていただきました。

 
Featured image by KPG Payless2 via shutterstock

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