大きな音を怖がる愛犬のストレスを緩和する〜食事、サプリメント、トレーニング

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大きな音を怖がる愛犬のストレスを緩和する、騒音起因性不安症対策の第3弾です。前回は、指圧マッサージの方法を簡単にご紹介しました。

さて私、この記事の最終チェックのタイミングで、騒音恐怖症のワンコを治療しました。足を怪我したためにレーザー鍼灸と理学療法を始めたこのコは、とても臆病な子。詳しく伺ってみると、花火や雷でパニックになってしまうワンコでした。

治療の日は雷雨!まずは、膻中の指圧マッサージからはじめ、曲池と百会、大陵をレーザー刺激したところ、治療の1時間、ずっとうとうとしながら寝そべっていてくれました。神門については、他のツボだけで十分な鎮静効果がみられたのでその日は省きました。

飼い主さんによる優しいマッサージだけでも、十分に効果があります。ぜひ試してくださいね。

大きな音を怖がるワンコにしてあげられること

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image by Benedicto de Jesus / Flickr

・サプリメント〜L-テアニン

L-テアニンは、特定の緑茶に含まれるアミノ酸で、人やワンコにリラックス効果やストレス軽減効果をもたらすことが実証されています。L-テアニンが含まれるワンコ用サプリメントには、ビルバック社のアンキシタン、Vetriscience社のCOMPOSURE™、Pet naturals社のcalmingチュアブルなどがあります。

・ストレス軽減商品〜ADAPTIL®

子犬が産まれると、母犬の乳腺付近から“安心フェロモン”が放出されます。このフェロモンのおかげで、生後間もない子犬は、安心して新しい世界を歩み始めることができるのです。このフェロモンは、子犬だけでなく、成犬にも安心効果をもたらすことが実証されています。ADAPTIL®は、このフェロモンに類似した化合物を含み、ワンコにリラックス効果やストレス軽減効果をもたらします。スプレータイプと首輪タイプ、プラグ差し込みタイプがあり、人や猫への影響はありません。花火や雷の前に、このようなフェロモン類似物質を使ってワンコをリラックスさせるという方法もあります。

・サンダーシャツ(抗不安ラップ、ボディラップ)

ワンコは、身体の特定部位を、適当な圧で巻いてあげると安心することができるため、雷などを怖がるワンコのために、サンダーシャツや抗不安ラップが市販されています。ある研究で抗不安ラップの効果を調査したところ、約50%のワンコはラップの装着により、不安症状が改善されています。どのように不安症状が軽減するのかについては、解明されていませんが、おそらく、経穴への圧(acupressure)などが関連しているのではないかと考えられています。

・炭水化物の摂取

健康な、食べ物大好きワンコには、花火の日や激しい雷雨が予測される日の夜ご飯に、ごはんやパスタなどの炭水化物を加えてみましょう。お腹がいっぱいになるので、眠くなって、落ち着いてくれるかもしれません。

・トレーニング

子犬の時の社会化期(生後3週から16週)に、大きな音を聞いたことのないワンコは、成犬になってから騒音に対して敏感になる傾向があるようです。騒音起因性不安症は、何も対処せずにいると、年と共に症状が悪化してしまうことが多いようです。花火や雷などの騒音に対するトレーニング法として、その音に慣れさせていくという方法がありますが、適切なトレーニングを行わないと症状を悪化させてしまうことがあります。トレーニングを試みる際には、ワンコの様子をみながら慎重に行いましょう。ここでは、ここでは、Dogs Trustが推奨する花火恐怖症トレーニング法をご紹介します。

  1. 各ワンコの怖がる騒音を用意します(CDなど)
  2. 各ワンコの大好きなハッピーイベント(大好きなおもちゃで遊ぶ、大好きなおやつを食べるなど)をリストにしておきます
  3. ワンコが部屋でリラックスして、自ら寝転んだら、とても小さい音で騒音を流します。ワンコが反応を示すまで音量を少しづつあげていきます。恐怖サインを示す音量では大きすぎるので、それよりも小さくします
  4. 騒音を流しながら、ハッピーイベントの一つを試みてください。ワンコが恐怖サインを示さずに続けることができるようであれば、これを毎日2週間継続します
  5. ワンコが恐怖サインを示さない程度に、騒音のボリュームを1段階ずつあげていきます

それでも改善しなかったら

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image by rpavich / Flickr

騒音起因性不安症がどんどん悪化してしまうと、ワンコはパニックを起こして外へ逃げ出したり、家の中で物に衝突して怪我をしてしまったり、飼い主さんに対して攻撃的になることもあります。このような事態を未然に防ぐため、不安症はできるだけ早期に改善させることが大切です。

もし、上記のような方法を試みても、症状が改善されず、悪化がみられる場合には、精神を安定させるお薬を使うなど、他の治療が必要です。そのような時には、動物病院にご相談されることをおすすめします

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] ANXITANE® Chewable Tablets l Virbac US
[2] Composure™ Bite-Sized Chews for Dogs by VetriScience
[3] Calming for Dogs by Pet Naturals of Vermont
[4] Adaptil for dogs
[5] Cottam, N., Dodman, N. H., & Ha, J. C. (2013). The effectiveness of the Anxiety Wrap in the treatment of canine thunderstorm phobia: An open-label trial. Journal of Veterinary Behavior: Clinical Applications and Research, 8(3), 154-161.
[6] Firework Fear and your dog,dogstrust

Featured image credit Nailia Schwarz / Flickr

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