インドにあるブランディング・エージェンシーChirpy Elephantが、犬の飼育放棄防止を呼びかける啓蒙広告のビジュアルを発表しました。これは、同社がマドラスにある動物虐待防止協会(the Madras chapter of the Society for the Prevention of Cruelty to Animals)むけに制作したものです。
インドでは、飼い主による犬の遺棄が大きな社会問題となっています。ムンバイだけでも25万頭ほどの野犬がいると言われており、困窮した犬が人を噛むといった問題も多く発生しています。
インドは…、インドだから…と思ったとしたら、それは大きな間違い。動物の遺棄や虐待が起こっているのは日本でも同じです。人間の勝手な事情で棄てられる犬猫は後を絶たないし、虐待事件も多く発覚しています。遺棄や虐待は「私たちの問題」であり、「私たちも取り組まねばならない問題」なのです。
暗い印象のイラストに描かれているのは、飼い主に身体を寄せる犬と、その犬の首にナイフを当てようとする飼い主。「直接、犬に手をかけるくらいなら、捨ててしまった方がマシ(だって、生き延びられるかもしれないし)」と考える人もいるのかもしれないけれど、棄てられることは彼らにとって命を奪われるのと同じくらい辛いことと考えてほしいのです。
広告で、ナイフを持った飼い主の動き止めようとするのは、「信頼を裏切らないで(Don’t betray the faith)」という言葉。そして下部に、「どんな理由があっても、あなたのペットを遺棄してはならない(Never Abandon Your Pets For Any Reason)」というメッセージ。犬たちが寄せる信頼を思い立ち止まって欲しい、そんな気持ちが込められているのでしょう。
寄り添う犬の身体の曲線が、飼い主に寄せる信頼を表しているのかな。様々な事情があるのだろうけれど、飼い主さんに心を寄せる犬のことを考えて、思い直して欲しいなと強く願います。
All images courtesy of Chirpy Elephant. Thank you!
Credits –
Creative Directors: Leela Ram, Jayaraman.
Copywriter: Leela Ram.
Graphic Designer: Renjith Chendu.
Illustrator: Renjith Chendu.