今年の干支といえば、お猿さん。非常に仲が悪いことをたとえる「犬猿の仲」なんていう言葉もあるけれど、すべての猿と犬の仲が悪いわけではないみたい。
インドから、子犬のお世話を買って出た猿がいる!というニュースが飛び込んできました。まるで自分の子供にするように、抱き上げてあやしてあげたり、お食事の面倒を見たり、他の不届きで野蛮な野良犬から守ったりしているのだそうです。
村の人から食事を貰い受けた時は、まずは子犬に食べさせてあげるんだって。そんなこと、本当のお母さんじゃなければ出来ない行動なんじゃない?って思います。
猿は人間と同じく単胎出産するように進化した種。単胎の種では、母子の間にとても密接な絆が作られるから、母親はよその子供を積極的に拒絶するようになるそうです。だから、猿が自分の子ではない子どもの面倒を見るのは、すご〜く珍しいことなんですよね。この点は、年齢や種が自分の子と違っている場合でも躊躇なく受け入れる多胎種(イヌやネコなど)と大きく異なります[2]。
だからこのお猿と子犬の間には、母性本能の一言では片付かない、深い愛があると思うんです!お猿は子犬を見て「ああ、自分が面倒を見てあげなきゃ」って思い、子犬は「優しくしてくれて、ありがとう」って思ったんだろうなぁと、勝手に想像しています。
なぁ〜んだ、お猿だって犬のことが嫌いな訳じゃないんだ〜って思い調べてみたら、「人間の狩りに使われることも多い犬は、猿にとっては脅威である」という話や、「高さの認識が苦手な犬にとって、高いところからものを投げつけてくる猿は苦手」という話もあり[3]、う〜んやはり、仲良くなれるのはそう多くもないのかなぁと少しガッカリ。
それでも、相性の良くないお猿とワンコだって仲良くなれるんだから、人間だってワンコだって苦手な相手とも仲良くなれるんだよね、とも思いました。みんな、仲良くしようね〜!
[1] Here is something to learn from this monkey…. – The Logical Indian
[2] Dr. ハートの動物行動学入門, (1995), B.L Hart, 森裕司(訳)、緑書房
[3] 犬と猿は本当に仲が悪いの?
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