赤茶の犬〜レバーとレッドは似て非なるもの

犬のカラダ
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今回は、レッドやレバーと呼ばれる毛の色のおはなしです。

犬についてよく知る人なら、一度は「この色ってレッドなの?」「同じ色に見えるのにレバーっていうんだ」と不思議に思ったことがあるのではないでしょうか。実はこの2つは、遺伝的にみるとまったく別のものなのです。

遺伝的には別なのに、同じような色になってしまうのはなぜなのか。この記事を読んで確かめてみてくださいね。

レバーとレッド~メラニン色素は別の種類

犬の毛色には、実にさまざまな呼び方があります。ブラックやイエローなどはすぐにわかりますが、日常的にあまり使われない言葉で毛色を表す場合は、なかなかすぐにはイメージできないものですよね。

たとえば、ダックスフンドやプードル、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークではレッドと呼ばれている毛色は、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルにおいてはルビーと呼ばれています。日本犬の柴や秋田でいうところの赤もこれらのレッドと同じグループの毛色です。


image by Joonas J. – Own work / wikipedia

また、ドーベルマンやオーストラリアン・シェパードでレッドと呼ばれる毛色があります。レッドという名こそダックスたちと同じですが、ドーベルマンのレッドは遺伝的にみると、レバー、ブラウン、チョコレートなどと呼ばれる毛色のグループに属しています。

なぜ、こんなことが起こるのかといえば、犬の毛色の呼び方は見た目重視でつけられているため。レバーグループの毛色がときにレッドと呼ばれることがあるのです。レッドグループの毛色がレバーと呼ばれることはありませんが、濃いレッドの場合には一見ブラウンと間違えてしまうこともあるでしょう。

なんとなく「レッドでもレバーでも、どっちでもいいじゃない」と言ってしまいたくなりますが、「レッド」と「レバー」は、メラニン色素の観点で見れは別の種類になります。レッドの毛色はフェオメラニン(赤~黄褐色)の色、一方のレバーの毛色はユーメラニン(黒~茶褐色)の色。見た目に混同されやすいものの、レバーとレッドは遺伝的な背景が異なるものなのです。

レバーと呼ばれる毛色をもつ犬たち

  • Flat coated retriever - Bianca Grueneberg /shutterstock

ユーメラニンが着色しているレバーグループの毛色には、フラット・コーテッド・レトリーバーやカーリー・コーテッド・レトリーバー、アイリッシュ・ウォーター・スパニエル、イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルのレバーがあります。ダルメシアンでは、スポットの色を指してレバーといいます。

ラブラドール・レトリーバーやダックスフンドのチョコレート、チェサピーク・ベイ・レトリーバー、ニューファンドランドのブラウン、イングリッシュ・コッカー・スパニエルやボーダー・コリーではブラウンやチョコレートなどと呼ばれています。

犬種に詳しい方はお気づきかもしれませんが、レバーの毛色は鳥猟犬に多くみられるのがひとつの特徴です。

前述しましたが、ドーベルマンやオーストラリアン・シェパードでレッドと呼ばれる毛色は、フェオメラニンのレッドではなくユーメラニンの色素が着色したものです。いずれも、ブラウン&タンのパターンの被毛になります。ブラウン&タンのブラウン部分はユーメラニン、タン部分はフェオメラニンの色です。

レッドと呼ばれる毛色をもつ犬たち

  • Chow chow - otsphoto /shutterstock

フェオメラニンが着色したレッドと呼ばれる毛色はレバーに比べるととてもポピュラーで、チャウ・チャウやバセンジー、ブリュッセル・グリフォン、チワワなど数多くの犬種にみられます。

レッドグループに入る毛色に、ブリタニー・スパニエルやポメラニアンのオレンジ、ノヴァ・スコシア・ダック・トーリング・レトリーバーのレッドやオレンジなどがあります。また、深い赤毛が印象的なアイリッシュ・セターの毛色はチェスナット・レッド、マホガニー・レッドなどと呼ばれます。ハンガリアン・ビズラのラセット・ゴールド、ダーク・サンディ・ゴールドもレッドの仲間です(トップの写真のコがビズラです😊)。

フェオメラニンの色素は赤~黄褐色なのですが、レッドの毛色はフェオメラニンの中でも赤味が強く出ているものになります。赤味が弱くなると、毛色はレッドではなくイエローの色調となります。フェオメラニンの色の濃淡については『イエロー犬』の記事もチェックしてくださいね。

愛犬はどっち?分からないときは鼻の色を見てみよう

レバーかレッド、どちらのグループの毛色か判断に悩むときには、鼻の色をチェックしてみましょう。レバーグループに属している犬は必ずレバー色の鼻をしています。遺伝的に、ユーメラニンが沈着したブラウン系の毛色の犬は鼻が黒くなることはありえないからです。


image by Bilevich Olga / Shutterstock

気をつけなくてはならないのが、レッド系のグループの犬です。レッドグループの犬は、基本的には黒い鼻をしている場合が多いのですが、鼻の色が黒または、レバーの両方を持つ犬種も存在しているのです。プードルやチワワ、ポメラニアン、ダックスフンド、ボーダー・コリーなど、レッドとレバー両方の毛色が犬種内に存在している犬種は、毛色がレバーの場合には、必ず鼻はレバー色になりますが、毛色がレッドの場合には、鼻の色はレバーと黒のいずれにもなりえます。


image by Evdoha_spb / Shutterstock

レッドの毛色しかない犬種はどうでしょう。これまた特殊で、ノヴァ・スコシア・ダック・トーリング・レトリーバーの鼻の色は黒とレバーの両方があり、ハンガリアン・ビズラはレバーの鼻色しかありません。


毛色と鼻の色の組み合わせで犬の毛色の遺伝背景を考えてみるのもなかなか面白いものです。早速、道行く犬の毛色と鼻色のチェックを始めてみましょう!鼻の色がまったりとしたレバー色である柴犬を見ることは絶対にないはずですよ(見つけたら、ぜひ教えてください!)。

さて、次回は、ダルメシアンに代表される白黒ブチの犬のお話です。ブチと言っても大きなものから小さなものまでかたちもさまざま。見た目の話から病気の話まで、白黒犬をテーマに広くお話させていただきます!

Featured image creditIvanova N/ shutterstock

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