【犬本紹介】『ニューヨークの犬たち』大型犬の歩く街、マンハッタンの犬事情

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こんにちは! 読書犬・パグのぐりです。寒い日が続きますが、お元気ですか? 

この冬は感染性胃腸炎が大流行。S家の次女のsちゃん、生まれて初めて罹患!そして、姉のnちゃんも数年ぶりに発症!ということで、先月はバタバタの12月でした。人間は大変だね…皆さんもどうぞお気をつけくださいね。

NYの犬と飼い主たち

ニューヨークの犬たち

さて、今回は、アメリカはニューヨークの犬たちを紹介している写真&文章の本をご紹介しますね。その名も『ニューヨークの犬たち』(撮影・文 兵頭ゆき アップフロントブックス 1994年)。どうしてこの本が読みたくなったかというと、以前ご紹介した『永遠に生きる犬』(竹内玲子著 講談社文庫 2015年)を読んだ時から、ニューヨークという街で生きる犬や、その飼い主たちに興味が出てきたからなの。そんなことを思っていたらこの本に出合いました。

著者の兵頭ゆきさんは、ご存知の方も多いですよね。タレント、エッセイストと多方面で活躍されている方です。この本が出版された頃、彼女は仕事でニューヨークに行くことが多く、向こうにアパートを借りたこともあって、その頻度はかなりのものだったようです。そしてニューヨークの街を歩きながら、犬の多さに驚いたんだって。その犬たちが実にお行儀のよいことにも。

ニューヨークで出会うほとんどの犬たちは、どんな人ごみの中でも、車が行き交う交差点でもパニックにならない。たとえば、私が雑踏の中で、ぶつかってしまったドーベルマンは「アイム・ソリー」とでも言っているような、すまなそうな顔をして私を見上げ、また歩いて行ってしまったし(後略)(p.7)

す、すごい。街中でドーベルマンに出会うというのもびっくりだけど(ニューヨークは大型犬が実に多いそう)、その犬が人とぶつかっても興奮したりすることがなかったなんてー。また、この本の舞台となった、マンハッタンの住まいはほとんどがアパート。アパートでどうやって大型犬を飼っているのだろう、と、兵頭さんの頭にはいろいろな「?」が浮かんでくる。そしてその答えを知りたいと、独自取材が始まったのです。

気さくなニューヨーカーたち

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image by Roman Kruglov / Flickr

さて、「犬の写真を撮らせてください」と話かける著者。いきなりそんなことを言われて、断るかと思いきや、ほとんどの飼い主さんが快く協力してくれたそう。そして、我が子(犬)の最高のショットを撮ってもらうために、いろいろとポーズをとったり話しかけたり。どれだけ自分のパートナーを愛しているかがその様子から伝わってきたといいます。

そんな街中で、著者は何人かの飼い主にお願いして、自宅を訪問させてもらったの。これも面白い。役者を目指しながら小学校で先生をしている男性と、そのパートナー2匹(1匹は秋田犬!)、建築家とそのパートナー、マッキー。マンハッタンを一望できるアパートの29階に住むインテリアデザイナーと2匹の犬。著者はこうした人たちの家へ行き、犬と人との暮らしを見て、それと共に飼い主のこれまでの人生を聞いて文章にしています。とても読みやすいし、一人ひとりに濃い人生があることが分かり、この本の中でも一番くらいに面白い部分です。それにしても場所柄か、俳優や女優など、芸術関係の仕事に就くことを目指す人が多いんだなーと思った。

ドッグラン、動物病院、そしてお墓まで

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image by Ruth / Flickr

なぜニューヨークの犬たちはこんなにお行儀がよいの? という問いへの一つの答はドッグランにあるようです。大きな公園の中にはドッグランがあり、飼い主たちは犬と一緒にそこを訪れ、犬に遊ばせます。のびのびと走り回ることで、室内で暮らすストレスも発散され、無駄な攻撃行動などに出る心配がなくなるのかもしれません。

この本では住宅事情や動物病院事情、そしてペットのための墓地など、多角的にニューヨークの犬関連情報を紹介しているのも魅力のひとつ。ペットのためのお墓には、飼い主のメッセージが刻まれていることが多く、その愛情深い文章に、著者は涙なくして読めなかったそう。

やっぱりニューヨーカーは犬が好き。大事に大事にするから、だんだん飼い主と顔が似てくる! 

日本でもよく似た飼い主と犬を見かけるが、ニューヨークは大型犬が多い分、その”似ている度数“も高いような気がする。(p.71)

だそうです。人の大きさに近いから、より表情もはっきり見えやすいのかもしれないね。いやそれにしても、この文章の次の72~73ページにある、飼い主と犬の写真。びっくりするほど双方が似ていて笑ってしまいました。

この本が出版されてからすでに20年以上がたっていますが、前出の『永遠に生きる犬』の中に出てくるニューヨーカーたちと様子は似ていて、昔から犬好きな人が多く、犬はきちんとしつけられ、悠々と街中を歩いているというのも変わらないみたいです。

エッセイストでもある著者が書いた文章も面白くてすらすらと読めますし、なにより写真がたくさんでニューヨークの空気感が伝わってきますから、ぜひ手に取ってみてください!


ニューヨークの犬たち
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Featured image credit Juanedc.com / Flickr

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