街のクリスマスを持って行ったのは誰!？～『グリンチ』

by 菅原然子

本・映画・テレビ 2018.12.20

皆さんこんにちは!!WOOFOO天国出張所勤務中の、パグ犬ぐりです！毎月僕が読んで面白かった本やDVDを紹介しています。

さてさて、12月。街にはクリスマスツリーが飾られ、賛美歌が流れる季節になったね。地上での飼い主だったNさんの家にも、大きなツリーが飾られて、雰囲気出しているって。皆さんもクリスマス準備、すすんでいますか？

特殊メイクでアカデミー賞受賞

さて、今日は、そんなクリスマスシーズンにぴったりのDVDをご紹介します。『グリンチ』（2000年／アメリカ／監督：ロン・ハワード／主演：ジム・キャ！主演はジム・キャリーと言っても、かなりスペシャルな特殊メイクで、もはや誰だかわからないというか…。

往年のジムファンならば「そう、この動き、ジム！」とかわかるのかもなんだけど、僕はそれほど彼の作品に詳しくないからなあ。特殊メイクは評価が高く、この年のアカデミーメークアップ賞を受賞しています。

クリスマスが大好きなフー族が住むフーヴィル。その村を見下ろす高く険しい山に住むのが主役のグリンチです。緑色の毛むくじゃらのグリンチは、村で捨てられるゴミを食べながら生きています。彼の相棒が犬のマックス。耳がちょっと長めのワンコで、賢いのね。

さて、グリンチはクリスマスが大嫌い。その理由は彼の生い立ちにありました。

幼少期のトラウマが…

フーヴィルには、赤ちゃんはパラソルのついたかごに乗ってやってきます。グリンチもそうでした。とある家の前にたどり着き、そこに住む女性2人に育てられます。そして学校にも通い始めたのです。

ある年のクリスマス、クラスではプレゼント交換が行われることに。そこでグリンチはとってもつらい経験をして…

それがきっかけでグリンチはクリスマスが大嫌いになってしまいます。その後家出して山にこもったグリンチ。毎年クリスマス時期には村から聞こえてくる賑わいに、心がざわつくのでした。

今年のクリスマスは、フーヴィルの1000年祭とも重なるということで、例年にも増して村は大騒ぎ。プレゼントを買いまくる村人たち。ド派手な電飾にも力が入ります。

そんな大騒ぎの村にちょろっと下りて行ったグリンチは、一人の女の子・シンディと出会います。彼女との出会いが、この物語の軸なんです。シンディがグリンチのせいでちょっとしたアクシデントに見舞われた時、普段いたずらと悪事しかはたらいていないグリンチが、まさかの優しい行動に出ます。シンディは思うのです。村人みんなが嫌っているグリンチは、本当はいい人なのではないか？と。

クリスマスを控えた日、1000年祭りを祝う会に招待されたグリンチ。そこで村人たちと和気あいあいと過ごせたかと思いきや…ありえないほどひどい出来事に直面し、そしてグリンチは自分の悪知恵をすべて結集させて思いつくのです。村人たちのクリスマスを全部奪い取ってやる、と。

あったかい結末

最初のほうは、単なるドタバタ喜劇？と思いながら見ていたんだけれど、シンディとの出会いや、幼少期のグリンチの苦悩、そして今のグリンチの、悪事を働きながらもどこか「ワル」になり切れない感じを見ながら、ん？これはそんなに単純な物語じゃないのかも？と思い始め…。最後はクリスマスってなんだろう、って考えさせられる結末に、ホワーンとあったかい気持ちになれました。

ジム・キャリーの動きはすごくて、とにかく画面の中でちっともじっとしていないの。特に表情はくるくると変わります。特殊メイクというけれど、あれだけ表情豊かに自然に見えるのはかなりの技術なんだろうなあと思いました。そして、白目の部分が黄色いんだけど、あれはいったいどうやったのだろうか。

グリンチは、アメリカ出身の絵本作家が考え出した生き物で、原作もあるのだけれども、この映画を見ると本当にどこかの山奥に住んでいそう、と思えてしまうから不思議です。

あ、このコーナーは、犬DVDを紹介するのだった！そうです、グリンチの相棒犬、マックスのことも書かなきゃ。

この表情豊かなワンさんの演技力にも脱帽です。多少加工している部分もあるのかな？と思うところもあったけれど、ハチャメチャなグリンチをけなげに支えている賢い犬です。もう涙ぐましいくらい忠犬。グリンチに振り回されながらも、助け合っているかけがえのないパートナー同士なんだろうなと思わされました。そして、孤立しているグリンチに、マックスがいてくれてよかったと、心から思えたのも事実です。

親子で、家族で、クリスマス前に見られたらいいなと思うんだけれども、実写グリンチ、小さい子には結構こわいかも(笑)。そんな方には朗報です！なんとこの冬にはアニメ版の映画『グリンチ』も公開するのだそうです。ぜひぜひ楽しんでみてね！