オススメ犬絵本2017〜親子で、もちろん大人だけでも!絵本の魅力に浸ってみませんか?

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皆さんこんにちは!WOOFOO天国出張所の読書犬・ぐりです。年末が近づいてきましたね~!

なんだか1年が過ぎるのが早いなあ。さて、年末といえば読書。仕事納めとか、大掃除とか、正月準備とか、することはたくさんあるかもしれませんが、今年のしめくくりに、とっておきの本はいかがでしょう。今回は子ども向けの絵本をセレクトしてみました。

毎度のことですが、絵本は子どもだけでなく、大人も十分楽しめます。ぜひ、手に取ってみてくださいね!

お殿様の大事な大事な『おいぬさま』

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この絵本は、こんな不思議な一文から始まります。

これに おわすは おいぬさまに ござります(p.1)

そう。犬なのに「さま」付けなのです。なんといったって、物好きなお殿様が手に入れた犬。だから「おいぬさま」。種類は「狆」です。

このおいぬさまは、普通の犬とはかなり違います。まず、大きさが。小さいのか?大きいのか?それはどうぞ、本書でお確かめください。おいぬさまは好奇心旺盛。世話をあずかったお殿様の家来たちはてんやわんやの大騒ぎ。屋敷にいても暇を持て余すので、散歩に連れて行くことになりました。

お殿様のだいじなおいぬさまに何かあっては大変と、たくさんの家来が行列になって散歩に出発です。しかし、こんなにもたくさんの家来がついていったのに、外でもおいぬさまに翻弄されてしまいます。おいぬさま自身のイタズラに加えて、途中には化け猫まで出てきて…。しかし、ある方法でおいぬさまは化け猫を見事に退治。道を急ぎます。そして最後に、またまた家来たちの助言を振り切って、とんでもないことをやらかしてくれるのです。

やっとこさっとこ屋敷に帰り付き、家来たちはおいぬさまを、お殿様のもとに連れて行きます。満足気なお殿様。ですが… 最後まで波乱続き。

和風、しかも歴史ものの絵本に犬が出て来るというシチュエーションがくすっと笑えてしまうのです。

『おいぬさま』 荒戸里也子 白泉社 2014年

介助犬のいちにち〜『ぼくは、チューズデー』

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さてお次は、ガラッと変わって舞台はアメリカ。主人公は実在する介助犬チューズデーです。この本では、チューズデーがどんな日常を送っているのかを、写真で伝えています。

著者のルイスは、アメリカ陸軍に17年間在籍。その間、数回イラクの戦闘に参加し、そこで大けがをしてしまいます。そんなルイスを介助することになったのが、ゴールデンレトリバーの介助犬・チューズデーでした。

朝、ルイスを起こすことからチューズデーの1日が始まります。一緒に出掛けて、食堂にも、喫茶店にも、ルイスと一緒に入ります。もちろんタクシーにも地下鉄にも一緒に乗るのです。

チューズデーは、ルイスにものを渡したり、道を歩くときに寄り添ったりという仕事をしますが、もっともっと大切なのは、ルイスの気持ちができるだけ平安になるように助けること。ルイスは戦争で心にも大きなけがをして、それ以来人がたくさんいる場所にいると、気持ちが落ち着かなくなってしまうようになったのです。そんなときルイスは、チューズデーを抱きしめます。怖い夢を見ないように、寝る時もそうするのです。

この本は写真絵本。チューズデーの表情をじつによく捉えています。真剣に仕事をしているとき、楽しくて笑顔のとき。どのチューズデーも本当に愛らしいのです。でも一方で、ルイスが戦争によって心身に負った深刻なダメージを知る本でもあります。犬も人も、平和な日常を送るためには、やっぱり戦争はいけない。そんなことも考えさせられる本です。

『ぼくは、チューズデー』 ルイス・カルロス・モンタルバン文 ブレット・ウィッター共著 ダン・ディオン写真 おびかゆうこ訳 ほるぷ出版 2015年

どうして本を読むのかな?〜『ほんやのいぬくん』

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僕はどうして本を読むんだろう。暇だから? うん、そういう時もある。ものを知りたいから? 確かに、何かの調べもののために読むこともある。だけどだけど、一番の理由は…

それはこの本の主人公、「ほんやのいぬくん」とまったく同じでした。

本がだーいすきないぬくんは、本屋を始めることにしました。仕入れた本をたくさん積み重ねて、いよいよオープンの日を迎えます。

だけど、お客さんがなかなか来てくれません。うーんどうしよう。と、思っていたら、一人のご婦人が来店しました。やっとお客さんが来てくれた!と喜んだのもつかの間、ご婦人はとんでもない注文をしてきました。やれやれ、困っちゃうね、いぬくん。

その後もなかなかお客さんは来てくれません。待ちくたびれたいぬくんは、自分で本を棚から出して読み始めます。

最初は冒険の本。たっくさんの恐竜に出会います。次は宇宙。そう。本を読むと、いろーんな世界を旅することができるのです。これ、僕もまったく一緒なの。だから本を読むんだ!

そうこうしているうちに、とうとうお客さんがやってきました。いぬくんは張り切って接客します。

いぬくんは自分も本が大好きだから読むんだけれど、でもね、もっともっと大事な理由があるの。それがなにかは、最後のページに答えがあるから、ぜひぜひ読んでみてください。あ、ちなみに訳者はあの女優の本上まなみさんです。こんな才能もある方なんですね。

『ほんやのいぬくん』 ルイーズ・イエーツさく・え ほんじょうまなみ やく 岩崎書店 2010年

「たいくつ」の理由〜『ビルはたいくつ』

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黒ぶちがある犬、ビルは、とにかく毎日たいくつしています。どのくらいたいくつかというと、

からだが とけちゃうくらい たいくつなのでした(p.1)

だって! それって相当たいくつってことだよね。ビックリするなあ。

ビルの飼い主のピックルおばさんは反対に、毎日することがたーくさんあって、実に忙しそう。たいくつなんて言っている暇はなさそうです。本を読んだり、庭いじりをしたり、掃除も料理もせっせとしています。

ある日、いやがるビルを連れて散歩に出かけたピックルおばさん。二人はこの散歩中に思わぬアクシデントに見舞われます。

風に飛ばされたビルはなんと、地球の外に出てしまいました。たどり着いた星には宇宙人がいて、面白そうです。ビルは急に生き生きとして(表情がすっかり変わるのが見ものです)、星の探検をしたり、ごはんを食べたり。でも宇宙人たちは「たいくつ」していて覇気がありません。そう、地球にいたときのビルのように。

ビルは思いついて、地球でピックルおばさんがしていたことを再現します。すると宇宙人たちは…

「たいくつ」は、自分でつくり出しちゃっている状況なんだ、ということを実に分かりやすく描いた本。僕は毎日本をよんだりDVDを見たり、友だちと話したりかけっこしたり、したいことが多すぎて、たいくつってあんまり思ったことがないんだけれども、もし子どもたちが「たいくつ」と言ったら、この本を渡してみて。漫画調で読みやすく、絵もかわいいですよ。

ちなみに、Nさんちの次女Sちゃん。たっくさんの犬絵本の中で一番好きなのが、このビルの絵本だそうです。

『ビルはたいくつ』 リズ・ピーションぶん・え ほむらひろし やく くもん出版 2005年

子どもだってすごいんだ〜『ろくべえまってろよ』

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この本は教科書にも載ったこともあり、多くの人がすでにご存じだと思います。なにしろ2007年出版のものですでに第75刷! まさにロングセラーの名にふさわしい絵本です。

ろくべえは茶色いたれ耳の犬。ある日深い穴に落ちてしまいます。それに気づいた子どもたち。穴の上からろくべえを探します。

懐中電灯を持ってきた子がいて、穴の中を照らしてみると… いました。ろくべえです。嬉しそうに「わんわん」と吠えています。でも、穴は深くて、こどもたちだけではろくべえを助けることはできません。

ある子がお母さんを呼んできます。お母さんはひと言、

「むりよ。」(p.10)

というだけでなにもしてくれません。

お母さんが無理なら通りがかりのおじさんに、と声をかける子どもたち。でもそのおじさんも全く頼りになりません。

大人に頼んでももダメだとわかった子どもたちは知恵を絞ります。そしてみんなで協力して救出作戦を実行するのです。

ろくべえは助かるのか? 結末は本書で!

この物語、大人と子どもの気持ちの違いをとってもよく表しています。そして子どもたちは、小さいからといって何もできないなんてことは全くなく、協力して考えて、実行する力を持っている。子どもってすごい、と思わせる内容です。

僕はこの本の絵を描いた長新太さんの大ファンなんだけど、ろくべえの絵がすごくいいの。かわいいの。もう表紙のろくべえ見ただけで、「クーっ」って身もだえしちゃうくらいかわいいの。まだ見たことがない方はぜひ見てみてくださいね。

『ろくべえまってろよ』 灰谷健次郎・作 長新太・絵 文研出版 2007年

Featured image credit titiya chuaichat / Shutterstock

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