読書犬「ぐり」はこれを観る!『マリと子犬の物語』それでもつながっている〜地震で引き裂かれた2つの家族

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皆さんこんにちは。東京に住んでいるパグ犬・ぐりです。

今日はDVDをご紹介します。タイトルは『マリと子犬の物語』。大きなテーマは家族、かな。特にお母さんがその軸になっています。

お母さんがいない兄妹

舞台は新潟県にある山古志村。時は2004年。山古志に住む亮太(小学5年生)と彩(6歳)の兄妹は毎日仲良く、村の大自然の中で遊んでいました。彼らのお母さんは病気で亡くなっていて、妹の彩には母親の記憶がほとんどありません。家では父親と父方の祖父の4人で暮らしています。

ある日、いつも遊び場にしている丘で、亮太と彩は捨て犬を見つけます。連れて帰って飼いたかったのですが、父親は大の犬嫌い。きっと無理だろうと後ろ髪をひかれながらもそこに置いていくと、帰路を急ぐ2人のあとをその子犬がトトトトトっとついてきます。そこで、2人は相談し、もうすぐくる綾の誕生日を利用して祖父にお願いをし・・・。

彩たちの必死の願いに、とうとう父親も折れて、その子犬を飼い始めました。名前はマリ。その後マリは3匹の子犬を生み、お母さんになります。子育て真っ最中のある日、山古志は大きな地震に見舞われます。そうです。あの、新潟県中越地震です。

助けてくれたマリを置いていく辛さ

自宅にいた祖父と彩は潰れた家の下敷きに。それに気づいたマリは必死に彼らを助け出そうとしますが自力ではどうにもなりません。それでもある方法を使って、なんとか彩と祖父を助け出すことに成功。しかし、人間を運ぶことが優先で、マリたちは一緒にヘリコプターに乗ることができませんでした。必死でヘリコプターを追うマリ。彩と祖父は心が引き裂かれます。

人のいなくなった村で、マリは必死に3匹の子どもたちに食べさせ、彼らを守り、育てます。

避難所に暮らす家族はというと、足を怪我した祖父は病院へ入院。それぞれ苦労しながらもなんとか助け合っている日々の中、彩はマリを助けるにはどうすればいいのか、ずっと考え続け、ある行動に出ました。しかし結局その計画は失敗。その後状況を見るための一時帰村でマリたちを探す兄妹と父。そして・・・。

辛くても「生きる」ということ

これは、実話が元となったフィクションです。ひとたび災害が起こると、まずは人命を守ることが優先されます。それは仕方のないことだと思います。でも僕たち動物を飼っている人は、必死で僕らを守る方法を考えてくれます。彩たちもそうでした。自分たちを救ってくれたマリと子犬を避難所へ連れて行けないなんて、どれだけ辛かったかと思います。

避難所で、様々な苦労をしながらも必死で生き抜こうとする人間たち。一方、村に残されたマリたち親子も必死で生き抜こうと頑張ります。その2本のストーリーが重なりあい、「生きる」ということの尊さを浮き彫りにしていると感じました。

子役の2人の演技が自然で、脇を固める役者さんたちがまた素晴らしくて(父親役に船越英一郎さん、祖父役は宇津井健さん!)、そして何より、マリと子犬たちの動きが驚くほどストーリーと合っていて。また、音楽が物語に深さを与えていて、いったい誰が担当かと見てみたら、久石譲さんでした。久々にDVDを観て号泣しました。

2時間という時間を感じさせない作品。ぜひご覧になってください。


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Featured image by tajai via Flickr

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