【犬本紹介】『ニッポンの犬』~世界的動物写真家が撮る、日本犬

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皆さま、あけましておめでとうございます! 東京の読書犬ぐりは、今年も、選りすぐりの犬本をご紹介していきたいと思います。本年もどうぞよろしくお付き合いくださいませ。

さて、お正月です。S家の面々は、元旦から新聞やら本やら漫画やら、好きずきに読みまくっています。「寒い日は家で読書が最高ね~」なんて言いながら(笑)。僕は犬だけど、寒いのは嫌いなの。だから、ぬくぬくと室内で読書です。

有名写真家、日本犬を撮る

ニッポンの犬

今月はなんとなく、ぼーっと犬の写真を眺めたいな、と思った時があって。そうしたらとっても魅力的な本に出合えたのでご紹介しますね。

岩合光昭さんは、世界的に有名な写真家。世界中のさまざまな地域で主に動物を撮り、その作品は『ナショナル・ジオグラフィック』にも掲載されるほど。海外でも有名な写真家なのです。そんな岩合さんが、日本犬を撮影したのが今月ご紹介する写真集『ニッポンの犬』(岩合光昭 平凡社1998年)です。誰でもこの表紙を見れば、思わず手にとってしまうはず。美しい桜の下、富士山をバックにりりしくお座りしている柴犬さんは、本当にかっこいいのです。

この本で紹介されているのは、柴犬、山陰柴犬、美濃柴犬、紀州犬、四国犬、甲斐犬、北海道犬、秋田犬、川上犬。これまで知らなかった犬種も含まれていて、とても興味深く読みました。あ、「読みました」ってなんで写真集なのに?と思われたかもしれませんね。この本は写真集ですが、岩合さんの妻である岩合日出子さんが、その犬の特徴を優しい文章で書いているのです。

秋田・甲斐・紀州・柴・北海道・四国の日本犬六種を、それぞれのふるさとで見てみる――、日本列島を旅してまわることにもちょっとまた惹かれて、『ニッポンの犬』の取材がはじまりました。(「あとがき 岩合光昭」より)

夫婦二人で、カメラマンとライターを分業しながら取材をし、それが雑誌『太陽』に連載され、その連載がまとめられたのがこの一冊なのです。

やっぱり、まずは、柴犬

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笑顔の黒柴さん 可愛い image by Akihito Fujii / Flickr

表紙もそうでしたが、やはり最初に紹介されているのは柴犬。僕が住んでいるマンションにも数か月前から黒柴の子犬ちゃんがやってきて、犬好きの住人がそのあまりの可愛さにみんなニコニコになっていたよ(笑)。また、僕の毎日の散歩コースにも、もうだいぶおじいさんの柴犬さんがいてね。この柴犬さんが、飼い主のおじさんによく似てるの。なんというか、その表情とか、風貌とか。そしたら柴犬の紹介の部分にこんなことが書いてありました。

主人であるヒトと犬はよく似る、といわれますが、ヒトがイヌに似ていくのか、イヌがヒトに似てくるのか、それとも似たものどうしがはじめから惹かれあうのか、日本犬にしてみても日本人に、やはりどうしてもよく似る、そう、思います。

おそらくはヒトとイヌとが、信頼の絆を培って暮らすうちに、お互いに日々に生きることに浸透しあい、似てしまうのでしょう。(p.4)

なるほど。そうなのかもしれないですね。近所のおじさんが柴犬と似ているのも、お互いが信頼しあって暮らしている証拠なのかも。それってとても素敵なことだよね。と、うっとりしていたら、隣でNさんが「ん?じゃあ私もぐりに似ているのかな?」とつぶやいていました。似ていたら、嬉しいよね!「確かに私、鼻がぺったんこだし。。。」ってそこ?! 全体の雰囲気ですよ、雰囲気。

みんな、違う

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四国犬さん image by RonjaV / Flickr

日本犬は、当たり前ですが日本発祥。みんな鼻筋が通っていて、似ているようなイメージでしたが、この写真集を見てその認識が覆されました。みんな、違うのです。

特に四国犬。毛の色も全体的な雰囲気も柴犬に似ていますが、顔つきが違う。

ことに目には底力があります。はっきりと三角形に隈取りされて、ほどよく沈み、動くものがあれば眼光厳しく集中していき、見きわめようとします。(p.58)

確かにそう。写真の中の四国犬は、きりっとしていて、柴犬とはまた違ったりりしさがあります。日本犬が皆そうであるように、猟犬としてのルーツが、どこか緊張感をまとわせているのかもしれません。
 
さて、たしかにみんな、大きさも表情も違うのですが、共通していることがあります。それは、子犬が本当にかわいいこと!まあこれは、日本犬に限ったことではありませんが。この写真集に出てくる子犬はみんな無邪気な表情で、そして、実に楽しそうに遊んでいるのです。岩合さんが、とびきりの瞬間をきちっととらえてシャッターを押したからなのでしょう。そこにいる犬たちへの愛情が、写真からあふれ出ているように感じました。

今の皆さんのパートナーが日本犬であっても洋犬であっても、ぜひ読んでみてください。「犬って、いいな」と思えること、間違いなしの1冊ですから。

Featured image credit leisa bell / Flickr

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みなさんこんにちは~ 東京在住の読書犬、パグのぐりです。今月は、面白そうな本にたくさん出合えて、幸せです。なんで読書ってこんなに楽しいんだろうなぁ? きっと自宅にいながらにして、いろんな世界に瞬時にワープできるからだろうな~。

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