読書犬「ぐり」はこれを読む!〜ベストパートナー賞をあげたい『豆柴センパイ 捨て猫コウハイ』

本・映画・テレビ
この記事をシェアする

こんにちは。読書犬パグのぐりです。暖かい日が増えてきて、ウキウキしています。皆さまいかがお過ごしでしょうか。そろそろ関東ではお花見の季節ですね。ごちそう食べるニンゲン横目に、普段のドッグフードに舌鼓をうつ僕。実は小さいころから前脚の片方の骨が奇形でね。体重が増えると足が痛くなってしまうから、厳重に体重管理されているのさ…。本当は僕だって、お花見しながらいろいろおいしいものを食べたい(泣)。まあまずもらえないから、桜を楽しむしかありません。

と、食いしん坊なのは僕がパグだからかと思っていたら、そうでもないみたい。今月ご紹介する本の主人公、豆柴のセンパイ(みなさん、お間違いのないよう。「センパイ」とはれっきとした名前なのです)も同じなんだって。ちょっとホッとしちゃった。センパイは最近、おいしいもの食べたかな~。そんなことを勝手に想像しながら、今回は読むと(見ると)幸せな気持ちになれる本『しあわせ4コマ 豆柴センパイと捨て猫コウハイ』(石黒 由紀子著  幻冬舎 2015年)をご紹介します!

人間夫婦、豆柴、猫の4人家族

480 2

仲良し4人家族♡ © WOOFOO, Inc.

作者の石黒由紀子さんのお家には、10歳の豆柴の女子、センパイと、捨て猫ちゃんだった男子、コウハイがいます。おもしろいネーミングだよね! 僕は飼い主のNちゃんが僕を見たとき、「この子、どんぐりみたい」と思って「ぐり」って名前つけてくれたんだけど、そうか、センパイ、コウハイっていう名付けもあり得るんだーって、石黒さんの独創性にまずしびれたね。

彼らはお互いのことを「センねえたん」「コウちゃん」と呼び合い、仲良く暮らしています。そんな日常が、4コマ漫画風に、写真と楽しいトークでつづられているのが、この本です。

もうね、表紙の4コマ漫画から、笑わせてもらえますから。そこから幸せ気分にひたれますから。本の最初には、センパイ、コウハイの飼い主である著者の石黒さんが、紹介文を書いています。それによれば、

最近の2匹は、いつもべったり…、でもないけれど離れもしません。何か真剣に話し合っていることもあれば、嬉しそうにじゃれ合ったり、ときには慰め合ったり。(p.2)

だそうです。いいな~ そうか、もう1匹動物がいると、話し合ったりじゃれあったりできるんだね。僕の家には、ウサギのラーボが先住していたんだけど、孤高のラビットというか…。人も動物も寄せ付けない感じの方で、あまりお近づきになれなかったんだよねえ。静かで、いつも落ち着いていて尊敬していたけれど、センねえたんとコウちゃんみたいな間柄にはなれなかったから、ちょっとうらやましいよ。

写真に添えられた俳句の味わい深さ

480 5

俳句が似合うお二方 © 石黒由紀子

僕がこの本の中でいっちばん好きな4コマは、「夢の中で」(p.29)。2匹の表情が何とも言えなくいいんです。これは、言葉ではなかなか表しきれない、ということで皆さんも是非本書で確かめてみてください。

実はこの本の中の4コマ漫画には、すべて俳句が添えられているのですが、この「夢の中で」には「手をつなぎ 寝たら夢でも 会えるかな」という句がついていました。ほっこりするよね。そして、もう一句僕が好きなのがあって、それは一番最後の「ひねもすのたり」についている「何もない そんな日々こそ 宝物」。この句は、本全体をよーく表しているなと思います。そう、センパイとコウハイの日常は、何か特別なことが起こるわけではないのに、そこから切り取られたシーンは、何か幸せに満ちた空気が感じられるのです。きっと、2匹が仲良く暮らしていて、そして、飼い主ご夫婦がこの2匹を本当に心から愛しているからなのだろうなと、思います。

この本はシリーズ3冊目

480 3

体重を減らすよう獣医師さんに注意を受けたセンパイ氏 © 石黒由紀子

「動物の写真って、撮るの難しい」と、僕の飼い主さんはよく言っている。ポーズとって、と言われてもなかなかとれないし(笑)。だから、この本、これだけの写真を収録していて、どれもすごくいい表情をとらえていて、いったいどれだけの枚数を撮影した中から選んだのかと、驚きました。だってすごくいい写真ばっかりなんだもーん。ほんと、著者の方、尊敬しちゃう。
 
僕の飼い主さんね、以前、ある女性誌で、この本の著者・石黒由紀子さんの記事を見て、そこにセンパイとコウハイという、犬と猫を飼っています、ということが書いてあり、そのネーミングのすごさにたまげたことがあったんだって。だから今回、こんなにたくさんのセンパイとコウハイを見ることができて、大興奮していました。この本は、センパイコウハイシリーズの3冊目だそうで、あら大変。前作2冊も早く読まなくては、だって。僕も読みたい! 皆さんもぜひ!



【お知らせ】センパイコウハイの最近の様子は、”ゆるゆる 石黒由紀子WEB News“に掲載されているよ。こちらもぜひ見てね!

読書犬「ぐり」はこれを読む!『はるがいったら』〜要介護犬を真ん中に、人はつながる | the WOOF

by 菅原然子  さてさて、今日ご紹介するのは、ある姉弟と老犬の物語『はるがいったら』(飛鳥井 千砂著、集英社)。この小説を読んだあとは、サツマイモを食べたときみたいに、なんとなくほっこりしたよ。

the WOOF イヌメディア > すべての記事 > イヌを知る > 本・映画・テレビ > 読書犬「ぐり」はこれを読む!〜ベストパートナー賞をあげたい『豆柴センパイ 捨て猫コウハイ』

暮らしに役立つイヌ情報が満載の「theWOOFニュースレター」を今すぐ無料購読しよう!

もっと見る
ページトップへ