ブロッコリーは低カロリーで栄養たっぷりの犬の健康応援食品。少量をときどき与える分には安全です。
ブロッコリーを与える際のリスク
ブロッコリーは他の野菜と同様に、少量をときどき与える分には安全で健康上の利益をもたらす野菜です。しかし適切に与えなければ、犬の健康を損なうものでもあります。
ブロッコリーの小花にはイソチオシアネートが含まれています。イソチオシアネートは、発癌や腫瘍化を防ぐ作用があると考えられていますが、犬では「犬が、犬の1日の食物摂取量の25%を超える量でイソチオシアナートを摂取すると毒になる可能性がある[1]」そうです。
※イソチオシアネートの副作用に関する研究のほとんどは、カリフォルニアで飼育されている乳牛を対象にしたもののようです。旬の時期になると、ブロッコリーは牛の食事に追加されるのですが、1日に10%以上のブロッコリーを食べる牛はに胃腸の不調が観察されたそうです。1日に25%以上のブロッコリーを食べる牛は、死に至る危険があるとみられています。
1日の食事量の25%を超えるためには、かなりの量の小花を食べなければならないことになりますので、心配しすぎる必要はありません。ですが、個体によっては他の犬より強い反応をみせることもないとも言えません。野菜は、獣医師の特別な指示がない限りは、常にときどきを少量与えるようにするのが安全です。
ブロッコリーの茎の部分は、窒息や閉塞の原因になり得ます。とりわけ小型犬に与える際には小さく刻み、喉や消化管に詰まらせないように注意する必要があります。
ブロッコリーに含まれる栄養素
ブロッコリーは繊維とビタミンが豊富で、カロリーは控えめです。もっとも多いのは(健康な犬には追加の必要がない)ビタミンCですが、β-カロテンや葉酸、ビタミンB1、B2、ミネラルも豊富に含まれています。
ブロッコリーといえば、活性酸素を抑える効果が注目されている野菜です。犬についても、抗癌や抗アレルギーに効果を発揮するかもしれませんが、現在のところ十分な研究はありません。
おそらく最も実用的な利点は、食べることで自然に歯の表面がきれいになるという点かもしれません。また、いつもと異なる食感が、犬を喜ばせるとこともありそうです。
どのくらいの量をどのように食べさせたらいいの?
生でも調理済みでも大丈夫です。小花も茎も与えることことができます。全ての部分について、硬い部分は取り除き、小さく刻んで与えるようにしましょう。
犬に与える場合は特に、加熱調理がおすすめです。加熱により消化しやすくなりますし、ブロッコリーに含まれるゴイトロゲン(ヨウ素の吸収を阻害して甲状腺機能低下症を引き起こす可能性のある物質)が減少するからです。茹でる場合は塩を入れず、栄養素(ビタミンCやB群)が流れ出ないようにサッと茹でましょう。
1日の食事量の10%を超えないというのはゴールデンルールですが、ブロッコリーに関してはさらに少なめを基準量にすると良いでしょう。
人間にとっては抗酸化効果が期待できるスーパーフードのブロッコリーですが、犬への効果はまだよくわかっていません。健康上の効果を期待するというより、愛犬に味や食感の変化を楽しんでもらうものとして、少量をときどき与える程度にとどめた方が良さそうです。
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Can Dogs Eat Broccoli? – American Kennel Club
[2] Super “People” Foods For Pets: People Foods Fit For Your Pups – Dogtime
Featured image creditPaulius Dragunas/ unsplash