甘くて冷たくて美味しいアイスクリーム。愛する4本脚の家族とも、分かち合いたいアイスクリーム。

しかし残念ながら、人間用のアイスクリームを分けてあげるのは、避けた方が良いのです。

英国王子が引き起こした”アイスクリーム論争”

2016年7月、イギリスのジョージ王子の3歳のバースデー写真が、ちょっとした議論の的となりました。公開された4枚の中に、王子が犬にチョコレートつきのアイスクリームをあげているように見える写真が含まれていたからです。

これにRSPCA（英国動物虐待防止協会）は、すぐさま反応。「暑い中、犬のルポを涼しくしてあげようとするジョージ王子はとても愛らしい」と前置きした上で、「人間の食べ物を犬に与えるときは、注意しなければなりません。チョコレートのようないくつかのアイテムは犬にとって非常に毒性がありますし、乳製品は消化が難しいという側面をあります」

写真の中のジョージ王子が手に持っているものがアイスクリームなのか、それ以外のものか、人間用か犬用かはわかりません。しかし、一部のネットユーザからは「動物虐待だ」という非難の声が上がってしまいました。非難の矛先は3歳の王子ではなく周囲の大人ということになりますが、「王室が犬にアイスクリームあげてるぞ！」とちょっとした騒ぎになったのです。

さて、果たしてアイスクリームを与えることは”虐待”と責められるほどひどいことなのでしょうか。

なぜ犬はアイスクリームを食べない方が良いのか？

犬にアイスクリームを与えるのはやめたほうが良い理由には、次のようなものがあります。

・乳糖不耐症を起こす可能性

アイスクリームの第一の問題は、原材料に乳製品を使っている点です。日本のアイスクリーム類は氷菓を除いて、必ず乳成分が含まれています。一方離乳後の犬の体は、ミルクを消化するようにできていません（乳製品を消化できる量は個体により異なる）。乳頭（ラクトース）の消化酵素（ラクターゼ）の活性が低い犬は、不耐症状（膨満感、便秘、下痢、または嘔吐）を示す恐れがあります。

・過剰な糖分

第2の問題は、非常に多い糖分が付加されていることです。ご存知のとおり過剰な糖分は、肥満およびその他の健康問題につながる可能性があります。アイスクリームだけではなくコーンにも砂糖が含まれていますので、まったく油断がならないのです。

・中に何が入っているかわからない

アイスクリームは加工デザートですので、市販のものだと中に何が入っているかはわかりません。アイスクリームと相性の良いチョコレートが入っていたら、犬の胃腸をひっくり返してしまうリスクはグッと高くなります。

「糖分控えめ」や「シュガーレス」のアイスクリームには、キシリトールが使用されている可能性もあります。キシリトールは少量でも、犬に嘔吐や下痢を引き起こすNGフードです。

・乳製品のアレルギー

犬によっては、乳製品にアレルギー反応を示すコがいます。

犬には特別な”アイスクリーム”を！

甘くて冷たくて美味しいデザートは、人間用のアイスクリームだけではありません。犬用と明記してあるものを購入しても良いですし、冷凍庫を使って簡単な愛犬スペシャルアイスを作ってみるのも良いでしょう。

一つのアイディアは、冷凍ヨーグルトです。プレーンなヨーグルトを型に入れて凍らせるだけで、夏のスペシャルなデザートの出来上がりです。

または、冷凍バナナはいかがでしょう。バナナを少量凍らせて、フードプロセッサーなどでシェイク状にしてあげましょう。喉に詰まらせてしまう恐れがあるので、攪拌して滑らかにしたものをあげるようにしましょう。同じように、愛犬が大好きな果物を凍らせて安全に与えるてみるのもオススメです。

犬には犬の、スペシャルなオヤツを用意してあげましょう。お腹が痛くなったり、気分が悪くなってしまうより、安全で美味しいものを与えた方が犬にとっては幸せです。

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Can Dogs Eat Ice Cream? – American Kennel Club
[2] Prince George birthday snap prompts RSPCA ice-cream warning | UK news | The Guardian
[3] アイスクリームの種類｜日本アイスクリーム協会

Featured image creditUtekhina Anna/ shutterstock

玉ねぎ〜犬が食べると中毒症状を起こす恐れあり | the WOOF イヌメディア

玉ねぎは、犬にとって毒となりうる食べ物です。犬が口にすると、中毒症状を引き起す恐れがあります。