玉ねぎは、犬にとって毒となりうる食べ物です。犬が口にすると、中毒症状を引き起す恐れがあります。
玉ねぎはなぜ、犬のNGフードなの?
犬が玉ねぎを食べると、玉ねぎ中毒と呼ばれる症状を示します。これは、玉ねぎに含まれる化合物により溶血性貧血を起こすことによるものだと言われています。
玉ねぎに含まれる化合物が犬の体に入ると、赤血球中のヘモグロビンを酸化することによって塊(ハインツ小体)をつくます。血液中にハインツ小体ができると、酸素が効率的に運ばれず赤血球の寿命が短くなり、犬は貧血を起こします。
幸いなことに、玉ねぎ中毒はあまり一般的ではありません。ペットの中毒症例が多く集まるASPCAのNational Animal Poison Control Centerでも、他のアリウム属(ニンニクやにらなど)の中毒と合わせても、年に数十回程度の報告しかないそうです[2]。
玉ねぎのどの部分が有毒なの?
玉ねぎは、皮も中身も汁も含めて全て有毒です。生でも調理されていても粉末でも有毒です。
注意しなければならないのが、玉ねぎの形をしていない玉ねぎです。すなわち、粉末(オニオン・パウダー)、オニオン系スナック、オニオンスープはもちろん、オニオンの名前を冠していないメニューの中に潜む玉ねぎも問題です。玉ねぎ中毒の被害者(犬)は、玉ねぎそのものをガツガツ食べたことではなく、玉ねぎを使った食事や加工食品を口にしたことにより被害にあうことが多いのです。
どれだけの量で中毒は起きるの?
どれほど食べると中毒症状を起こすのかの一つの目安は、「犬の体重の0.5%以上」です。すなわち、5kgの犬なら25gの玉ねぎが中毒症状を起こす目安量です。玉ねぎ1個の目安量が200g(https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/corner/basic/ingredients_bunryou)であることを考えると、少ない量でも安心はできません。
たまねぎ中毒は、少量を口にした場合だと数日後に発症するのが一般的です。毎日少量のタマネギを継続して食べ続けた場合は、数週間から数ヶ月にわたって貧血が徐々に進行することがあります。大量に食べた場合は、摂取後1日内に発症することがあります
犬の玉ねぎ中毒の症状
犬が玉ねぎを食べた場合の中毒症状には、以下のようなものが考えられます
- 元気がない・グッタリ
- 食欲不振
- 嘔吐・下痢
- 尿に血が混ざる
- 歯茎の血色が悪い
- 心拍数の上昇、呼吸が荒くなる
- 唾液の分泌過多
- 運動失調(四肢がうまく動かせない)
- 嗜眠(刺激しないと起きない)
犬が玉ねぎを食べちゃった!
上記のような症状がみられたら、すぐに動物病院に駆け込みましょう。症状や顕微鏡検査などにより中毒が疑われる場合は、すぐに治療が開始されます。
嘔吐や胃洗浄だけでなく、水分補給や臓器の”洗浄”、活性炭に毒素を吸収させたりと、獣医師は様々な方法でもって治療にあたります。嚥下させたからと行って安心ではないですし、早期に治療しなかったことが重症化に繋がる場合もあります。必ず獣医師の治療を受けましょう。
玉ねぎを口にしたことがわかっている場合は、それが少量であっても、念のため動物病院に電話をして処置について確認しましょう。漁られたゴミ箱に玉ねぎの乗ったピザが入っていた場合も同様です。
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Can Dogs Eat Onions? – American Kennel Club
[2] Onions and Dogs: A Lethal Combination – Dr. Sophia Yin
[3] Are Onions and Garlic Bad For Dogs? | petMD
Featured image creditSeregraff/ shutterstock
チョコレート〜たくさん食べると中毒に!犬には与えないのが基本 | the WOOF イヌメディア
チョコレートは犬に有毒で、犬のサイズ、そして口にしたチョコレートの種類や量によっては、深刻な健康被害をもたらす可能性があります。 チョコレートはメチルキサンチンを含むカカオの木の苦い種子から加工されます。メチルサンチンには、カフェインとテオブロミンが含まれており、これらが細胞の表面上の受容体に結合し、他の天然化合物の結合をブロックすることで身体に影響します[1] 。