コルトは、重度の外傷性脳損傷に苦しむJanayeさんと暮らすサービスドッグ(介助犬)。Janayeさんの発作を察知して知らせ、彼女の体(特に頭部)を保護するよう訓練されています。
外傷性脳損傷(Traumatic Brain Injury:TBI)とは、頭部に物理的な衝撃が加わって起こる脳損傷のことで、アメリカでは200万人ほどが[1]この損傷に苦しんでいます。発症原因は日常生活や交戦時(軍人)などの事故や負傷で、認知障害や身体の機能障害、心理的な障害などを引き起こします。
Janayeさんも、日常的に起こる発作に苦しんでいる一人です。彼女の場合は発作を起こすと床に頭部を叩きつける行為に及ぶことがあるそうで、これを防ぐために発作前の30分から2時間前に薬を飲むことが大切なのだといいます。
発作を察知してJanayeさんに知らせるのは、コルトの重要な仕事の一つです。ワイマラナーとイングリッシュ・ラブラドールのミックスであるコルトは、先天的に感覚に優れており、発作を事前に察知することができるのです。
残念ながら発作が起きてしまったときも、コルトがJanayeさんを守ってくれます。特別な訓練を受けたコルトは、Janayeさんの頭と床の間に身体を差し入れ、硬い床から飼い主の頭部と守ります。
動画は訓練時の様子を撮影したもの。発作をシミュレートした時の、コルトの動きを映像に収めています。Janayeさんだけでなく、コルト自身の安全も守れるよう工夫されたトレーニングが行われたそうです。
コルトは常にJanayeさんの傍にいて、優しい目で彼女を見守ります。
★Service Dog Colt(@servicedogcolt) • Instagram
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] 脳外傷とは
[2] A Clever Service Dog Demonstrates Different Ways He Can Protect His Human’s Head During a Seizure
広がる介助犬活躍の場〜身近な人の死を共に悼む「葬儀犬」たち(米国の事例) | the WOOF イヌメディア
米国では近年、葬儀場で人々の悲しみに寄り添うワンコさんが増えているそうです。 ニューヨーク州の葬儀場で働くゴールデン・ドゥードルのルル(Lulu)もその1頭。自然に人の気持ちに寄り添う優しさが、参列者を癒しているようです。