パキタは、家に帰る道がわからなくなってしまった犬。あちらこちらと街をさまよった後、アルゼンチンのシェルターに保護されました。
シェルターの人からは優しく迎えられたパキタ。そして、新しい家族を探す取り組みも始まります。しかし家族探しは難航しました。理由は、「子犬の方が人気があるから」。そしてパキタが常に落ち込んで、引きこもりがちだったからです。
「だから彼女は2年間、私たちと一緒にいたんです」
2年の間、パキタの心は悲しみでいっぱいでした。かつて彼女には家族がいて、暖かく幸せな毎日を過ごしていたのに、今はひとりぼっちです。パキタの落ち込みは激しく、家族募集用の写真も撮らせてくれないほど。いつもボランティアに背を向けて、小さく縮こまっていました。
それでもボランティアたちは諦めませんでした。ある日、ようやく彼女のまともな(悲しみに暮れていない)姿を写真に収めることに成功した彼らは、これをオンラインに投稿します。
これが、パキタを2年間探し続けていた人々の目に止まりました。
「すぐにある女性から、「これは息子の犬だ。息子は彼女のことを探し続けていた」というメッセージをもらったんです」とボランティアのフェレイラさん。彼女の息子であるナベイラさんは、2年前に家から飛び出した愛犬との再会を諦めてはいませんでした。
翌日、ナベイラさんはパキタに会うためにシェルターに向かいました。
2年間のストレスは、パキタの記憶を風化させてしまったのかもしれません。飼い主と再会したパキタは、目の前にいるのが懐かしい家族であるか、自信が持てないようでした。
しかし、その人の近くで、その香りを嗅いだ時、パキタの記憶が完全に蘇りました。「このヒトだ!」
パキタの喜びの爆発は、ボランティアのフェレイラさんに「間違いないって確信した」と言わしめるほど。記憶とともに元気も取り戻した彼女は、愛する家族と一緒に笑顔の日々を過ごしています。
ナベイラさんはThe Dodoに「素晴らしい瞬間だった」と語っています。「彼女を失ったのは悲しかったけれど、取り戻せて最高の気分だよ。言葉に表すことはできないね」
大きなストレスは、犬の元気だけでなく記憶や学習も奪い去ってしまうものなのかもしれません。パキタには、暖かい家族と優しい匂いに包まれて、楽しい犬生を送ってもらいたいものです。そして飼い主さんと協力して、再び迷子にならないように頑張ってほしいものです。
h/t to Dog Missing For Two Years Is So Excited When She Smells Her Owner – The Dodo
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