乳製品は、私たちにとってとても身近なものですが、犬が食べても大丈夫なのでしょうか。
牛乳
牛乳は、犬に与えない方が良いといわれる食品です。牛乳には乳糖が含まれていますが、犬のほとんどは乳糖不耐で、牛乳に含まれる乳糖を分解・吸収できずに下痢などの症状に苦しみます。もちろん栄養分はありますが、他の食品から摂取のできるものばかりですし、脂肪分も多いので、特に与える必要はありません。
風味づけなどで与える場合は、発酵乳や乳糖を分解処理した製品を選び、水で薄めてあげると良いでしょう。犬用ミルクの中には、犬のための栄養分も付加されている商品がありますのでオススメです。
チーズ
チーズは乳糖をほとんど含んでいないため、乳糖不耐症の犬にとっても比較的安全に摂取できる食べものです。ただし、重症の乳糖不耐症の犬や、乳製品にアレルギーのある犬には絶対に与えてはなりません。
チーズを選ぶ際のポイントは、塩分と脂肪分が低いことを確認することです。モッツァレラやカッテージチーズは脂肪分も塩分も控えめで、お腹にも優しいチーズです。熟成の進んだチーズは乳糖はほぼ含まれていませんが、(熟成させるために)塩分が多く使われるので良い選択とはいえません。
チーズには、タンパク質、カルシウム、ビタミンA、必須脂肪酸、ビタミンBの補給が期待できます。薬を忍ばせるなどの技が使えるのも、チーズの良いところです。
バター
バターは犬に与えてはダメ。ちょっと食べたからといって大問題に発展する訳ではありませんが、わざわざ与える必要のない食品です。乳糖だけでなく脂肪分や塩分も多く、アレルギーも心配です。犬にとっての健康上のメリットはほぼありません。
ヤギミルク
ヤギミルクは牛乳の代替品などとして人気のあるものです。牛乳に比べて乳糖の量がわずかに少なく、脂肪とタンパク質の構造の違いから牛乳より消化しやすくアレルギーを起こしにくいと言われます。一方、栄養面を牛乳と比較すると、ヤギミルクはカルシウムやカリウム含有が高く、ビタミンB12や葉酸などが低くなっています。
多くの犬にとっては健康上の問題が発生しにくく、高い栄養価からのメリットが期待できるのがヤギミルク。ただし与えすぎは問題で、肥満や嘔吐の原因になる可能性があります。フードにトッピングしたり、水にちょいと入れてあげるなどして、普段の食事に魅力を与えるお手伝いフードとして利用すると良いでしょう。
アーモンドミルク
アーモンドをすりつぶして水と混ぜた飲み物であるアーモンドミルクは、カロリーが低くコレステロールゼロ、ビタミンEや食物繊維が豊富な飲み物。少量のアーモンドミルクは、時折ちょっぴり与えるぶんには問題ありません。ただし、犬に与える際にはラベルをしっかり読んで、塩分や糖分の入っていないものを選びましょう。甘味料として犬には毒となるキシリトールが入っている可能性もありますので、しっかり確認してから与えるようにしなければなりません。
豆乳
豆乳は、大豆を茹でて絞った植物ベースの牛乳代替物のひとつです。生の大豆には消化酵素トリプシンの働きを阻害する物質(トリプシンインヒビター)が含まれていますが、これは加熱により壊れるもの。加熱された大豆の絞り汁である豆乳は、犬が口にしても問題はありません。ただし、豆乳に含まれるタンパク質(イソフラボン)を大量に摂取するのは下痢や吐き戻しの原因になりますし、アレルギーの発症も心配です。あくまでも少量を様子を見ながら与えるようにしましょう。
豆乳を選ぶ際も、塩分や糖分、その他の味が付いていないかを確認しましょう。「調整豆乳」は飲みやすくするために糖分や塩分が含まれているため、「無調整」で大豆のみの製品を選びましょう。
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Can Dogs Drink Milk? Is Milk Bad for Dogs?
[2] Can Dogs Drink Milk? | petMD
[3] Can Dogs Eat Cheese? How About Other Dairy Products?
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