「あなたの犬を保護しています」
そんな知らせが迷子犬を必死で探す飼い主さんの元に飛び込んで来たら、一も二もなく信じてしまいますよね。かわいい我が子を保護してくれた人にお礼をしてあげたい、そういう風にも思うでしょう。
そうした飼い主心理を逆手にとる卑劣な詐欺行為は、残念ながら少なくはないようです。
心配する飼い主のもとに不審な電話
被害にあったのはカナダのスカボロー(Scarborough)に住むスミス夫妻。夫婦はアジャックスにあるグリーンウッド自然保護区で、3歳になるゴールデン・ドゥードルのチャーリー(Charlie)散歩を楽しんでいました。しかし、チャーリーは逃走。すぐに付近にポスターを貼りだしての捜索が開始されました。
翌日、奥さんのダニエルさんは、怪しい男から電話を受けます。男は「ピッカリング(Pickering。スカボローと同じくオンタリオ州にある)からかけている」というものの名は名乗らず、男の家族が犬を見つけ、彼に渡したのだと主張します。その男はダニエルさんにその夜ピッカリングのカフェに来いと要求したのだそうです。
怪しい。とても怪しいので「なぜ騙された?」と言いたくなりますが、怪しいと思ったのはスミス夫妻も同じだったそう。その男について「なんだか落ち着かない様子だった。強気で妻に指定の場所に来るように要求していた」と語り、電話で話していたときに、既に詐欺ではないかと疑っていたのだといいます。
「90%は詐欺だと思っていた」とダニエルさんは言います。
怪しいと思っていても、会いたい気持ちが勝ってしまう
電話での会話で男は、報酬についても尋ねてきます。それは、かなり押しの強いものだったようで、まるで「求めるものをなんでも差し出す」と言わせたいかのような勢いがあったということです。そして、100ドルのVISAギフトカードを要求、ダニエルさんは承諾しました。
この時点で90%どころか120%怪しいです。しかし、我が子の姿見たさでしょうか、ダニエルさんは男に会いに行くのです。
付き添ってくれる友人と二人、ダニエルさんは約束の場所に向かいます。到着すると男から電話があり、先にVISAカードを購入しろと要求、これにも従います。しかし、店で購入できるのは75ドルのカードのみ。そのことを伝えると男は承諾、次にカード番号の読み上げを要求します。
カード番号を読み上げないと犬は返さない。その要求にダニエルさんは従います。
電話は切られ、それっきり音沙汰はないということです。
チャーリーは、今なお行方不明のままです。
もう一度、元気なワンコの姿を見たい。帰ってきてくれるなら事情は問わない。
そうした必死な飼い主さんの心理をつく、迷子犬詐欺は後を絶たないようです。おかしい、変だと思っても、一縷の望みに賭けてしまう飼い主さんの気持ちは、よく理解できます。
騙されないようにするには、どうしたらいいのか。the WOOFでは引き続き、考え続けたいと思います。
h/t to Family scammed by man claiming to have found lost pet , 翻訳:Chiwa
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