米国では近年、葬儀場で人々の悲しみに寄り添うワンコさんが増えているそうです。
ニューヨーク州の葬儀場で働くゴールデン・ドゥードルのルル(Lulu)もその1頭。自然に人の気持ちに寄り添う優しさが、参列者を癒しているようです。
ルルのお仕事は葬儀場で悲しみに寄り添うこと
ルルが働くのは、100年以上の長い歴史を持つ葬儀葬祭を行う会社(Ballard-Durand Funeral & Cremation Services)。1歳と年齢こそ若いものの、特別なトレーニングを受けた有資格セラピー・ドッグであり、今年5月に正式なスタッフとして迎えられたということです。
会社では「コンフォート・コンパニオン」として、大切な人を失った人たちの心に寄り添う役割を担っています。彼女は、病院や介護施設、学校などで活躍するセラピー犬たちと同様の厳しいきまりに従って行動しますし、ハンドラーであり会社のオーナーであり「上司」でもあるフィオリロ氏(Matthew Fiorillo)さんの指示には絶対に従うそうです。前脚を揃え頭を下げて、亡くなった方たちへ「祈りをささげる」のだといいます。
犬たち、とくに訓練された犬たちは、葬儀の際にありがちな緊張感やギクシャクした雰囲気を和らげる力をもっていると、葬儀関係者は語っています。
米国で増えてきた「葬儀犬」の存在感
喪に服す人々の心の痛みを和らげられるようにと、葬儀会社などが「コンフォート・ドッグ(心を慰める犬)」を導入するケースが、最近では増えているそうです。
ミルウォーキーにある葬儀会社(Krause Funeral Home and Cremation Service)にも、ルルのように働くコンフォート・ドッグがいます。ポルトガル・ウオーター・ドッグのベニー(Benny)です。実はベニーは2代目で、先輩犬で2011年に亡くなったオリバー(Oliver、ポルトガル・ウオーター・ドッグ)の跡を引き継いで、この重要な仕事をしているそうです。
オリバーがコンフォート・ドッグとして働きはじめたころ(2000年の前半だと思われます by 編集部)には、葬儀で犬を見かけることは殆どなかったそうです。しかし、最近では葬儀に参加する犬たちが増えているそうで、業界団体(National Funeral Directors Associationのスポークスマンは、統計などに基づく情報ではないと前置きしつつ「関係者から、葬儀の場に動物を参加させるケースを耳にすることが多くなっています。ほとんどは犬や猫であり、有資格のセラピー犬であることもあれば、よくしつけられた家庭犬だということもあります」と現状を語っています。
コンフォート・ドッグたちは、人の心を慰めるという意味で、なかなかに私たちの助けになってくれているようです。広く深く愛された「葬儀犬」のオリバーは、彼自身の葬儀で人間150人と彼らのペットたちという多くの参列者から見送られたということです。
犬は人の気持ちがわかる、なんてことがよく言われるワンコたち。葬儀場というのは一つの活躍の場であるような気がします。フサフサした毛並みに指を絡ませるだけで、悲しい気持ちがほぐれていく、そうしたことで救われる人も多いのではないでしょうか。
h/t to Funeral homes increasingly use dogs to comfort mourners and Ballard-Durand Funeral & Cremation Services / Facebook
Featured image from Ballard-Durand Funeral & Cremation Service / Facebook