ダイエットなどで大人気のココナッツオイル。犬の健康にも良い効果があると言われて少し経ちましたが、今のところは問題ありとの報告はないようです。
皮膚や被毛や肉球をピカピカにしてくれるココナッツオイルについて、その効果と注意事項をまとめました。
ココナッツオイルって何だろう?
ココナッツオイルとは、ココヤシから作られる油脂のことで、ココヤス果実(ココナッツ)の種子内部の胚乳から抽出精製されるものです。同じくヤシ科では、アブラヤシ(パームヤシ)の種子からも油が採取されますが(パーム油)、パーム油はココナッツオイルほど中鎖脂肪酸が含まれていないなど、成分が異なります。
ココナッツオイルは製法の違いによって、ラベルなどの表示が異なります。多くの商品では、高温精製、漂白・脱臭工程が加えられているものはココナッツオイル、無精製・無添加・非加熱抽出によるものはヴァージン・ココナッツオイルと表示されています。
どんな効果があるの?
犬にココナッツオイルを与えることで、以下のような効果が得られると言われています。
- 湿疹、ノミアレルギー、接触皮膚炎、かゆみなどの肌トラブルの改善
- 皮膚や被毛に水分を補給し、皮膚を柔らかくしたり被毛を艶やかにする効果
- 切り傷、擦り傷、やけど、噛まれ傷や虫さされに効果
- 抗菌及び抗真菌性があり、ニオイを抑え爽やかな香りを与える
- 抗ウイルス効果があり、カンジダ症やケネルコフの回復を促す
- 消化及び栄養素の吸収を促進
- 口臭の改善
- インスリンのバランス調整作用により下痢症状の改善
- 甲状腺機能を正常化することで心臓病予防に効果
- エネルギー増進した上で体重増加を抑制する効果
- 関節炎やその他の関節のトラブルに効果
- 認知機能低下の抑制(脳の健康)に効果
どうやって与えれば良いの?
1日に1〜2回を食事に混ぜるなどして与えます。与える量は犬の大きさ(体重)によって異なります。以下が目安の量です。
- 1日の量:4.5kgの犬=小さじ1
- スタート時の量:小型犬なら小さじ1/4、大型犬なら小さじ1程度
- カロリー:大さじ1=120カロリー
はじめのうちは少量から始め、3-4週間かけて目安量に持っていくよう気を付けましょう。急ぎすぎると風邪のような症状が出るという報告もあるようです[1]。
肥満予防に良いと言っても、脂肪分をたっぷり含むオイルであることに変わりはありません。ダイエット中のワンコなら、目安より少なめの量を1日1回与えるようにしましょう。
気をつけなければならないのはどんなこと?
どんなに良いものでも、認識や与え方が間違っていたら逆効果または効果半減です。与える際には、以下の点に注意しましょう。
- まだ安全が確認されたとは言えない。個体によってはアレルギー症状を含む副作用を呈する恐れがある
- オーガニック、ヴァージン、非加熱/低温抽出などの表示があるものを選択する
- 与えすぎはNG〜ビタミンDが含まれているので、与えすぎると腎臓に負担をかける
- 与えすぎはNG〜下痢症状を引き起こすこともある
- 与えすぎはNG〜善玉コレステロールと呼ばれるHDLを増やす一方で、動脈硬化を引き起こすなどの影響がある悪玉コレステロールも増やす
- あくまでも補助食品であり、毎日の食事の代用にはならない
ワンコ達の健康を守るために、良いものならトライしてみたいものですよね。ただし、新しいチャレンジをするときは、愛犬達の様子を見ながらゆっくりと実行しましょう。そして気になる変化があれば、獣医師さんに相談するようにね。
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Benefits of Coconut Oil For Dogs – The Dogington Post
[2] Coconut Oil for Pets: Good or Bad? | Is Coconut Oil Good for Pets? | petMD
Featured image credit Kevin Sando / Flickr
ワンコの栄養を考える〜いつもの食事にオリーブオイルを加えるべき4つの理由 | the WOOF
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