皆さんこんにちは。夏をエンジョイされていますか? もうクーラーがなくては生きていけない、酷暑東京の読書犬、パグのぐりです。
いやー夏。あっついですねえ。。。この季節、じとじとする梅雨に続いて苦手です。どこかに避暑とかに行きたいなあ。みなさんはバカンス、どのように楽しまれているのでしょう。くれぐれも、ワンさんたちの熱中症には気を付けてくださいね。
一文字を「犬」にしてみる
クーラーが効いた部屋で、ゆるりとしながら読みたい一冊をご紹介します。『犬声人語』(石黒謙吾著 雲がうまれる絵 ワニ・ブックス 2016年)です。このタイトル、「けんせいじんご」と読みます。某A新聞の天声人語をもじったのかな?
「はじめに」によれば、いろいろなことわざの一文字を「犬」に置き換えたらどうなるか、を、約20年前から妄想していたという著者の石黒さん。2015年に雲がうまれるさんの『犬しぐさ犬ことば』をプロデュースしたのが縁で、この楽しい一冊が生まれることになったそうです。
では、どんなことわざか、ちょっと目次を覗いてみましょう。「四面楚犬」「少年よ犬を抱け」「犬眼鏡で見る」「犬無量」…。どうです? 解説を読んでみたくなるでしょう? そうなんです。犬好きにはたまらない、また、ことわざ好きにもたまらない一冊となっています。
感動させたり笑わせたり
僕がこの本の中で特に気に入ったのは、まず「犬無量」。盲導犬の育ての親をテーマに書かれた約290文字の解説は、まさに『盲導犬クイールの一生』(石黒健吾著 文藝春秋 2001)の著者だからこそ書けたであろう、感動的な一文です。
…パピーウォーカーは、訓練士の判断次第で、送り出してからもたまには会うことができる。立派に成長した我が子の姿を見る育ての親、そして忘れがたき親とわかって感極まる盲導犬候補生。再会の喜びは、犬無量(p20)
ね、いいでしょう? こんな風にジーンとさせる作品もあるかと思えば、「犬蔓式」では、あるドッグランでの知り合いとの偶然の再会場面を切り取ります。これが笑えるの。ドッグランは、友だちの友だちつながりで、久しぶりの友だちに会えて、とにかくみんながつながっちゃうような、楽し~い場所なんだなあとうっとり想像をめぐらせました。僕は生まれつき足の骨が変わった形だから、思いっきり走ったりはできないんだけれど、こんな感じで人間がウキウキしちゃえるんだったら、ちょっと行ってみたいなって思ったよ。
そしてもう一つご紹介したいのが「亀の甲より犬の功」です。
犬を飼ったことがない人があることを成し遂げようとしてなかなかうまくいかないのに、犬を飼っている人がなんなくやり遂げてしまった時、前者が後者に対して使う言い回しである。「さすが! 亀の甲より犬の功ですね!」(p82)
ふふふ。面白い! 語呂もぴったりだし。犬を飼い、犬の気持ちをイメージしていくだけで、知識がたまっていくそうで。確かにありそう、そういうこと(笑)。
錯覚注意!
こういうの なんてっか 知ってる?
ところせましば。 pic.twitter.com/sZTaRz3Kdx
— 雲がうまれる (@KatteniCampaign) 2016年7月30日
この本を読んでいると、本当にそういうことわざがあるのかと錯覚しそうになります。でもね、「はじめに」の最後のところにちゃーんと「*このことわざの解説は、本来の意味と石黒謙吾の創作がミックスされたものです(念のため)」って小さい字で書いてあるの(p5)。にもかかわらず、読んでいるとそれを忘れて、「へえ~そんな意味なんだ~」と妙に納得してしまった僕。そのくらい、リアルなんだよね、内容が。著者の博学ぶりがうかがえます。
内容もさることながら、僕とNさんが注目したのが、イラスト、そして本文の字体です。雲がうまれるさんの描く柴犬は実に表情豊かで、人間顔負けの個性派ぞろいです。僕が好きなのは「報・連・犬」に出て来る、ネクタイをしめて正面を向いている柴さん。あと、「少年よ犬を抱け」のポップな感じも好き。すべて柴犬なんだけれど、それぞれの顔つきが違うのです。
あとは本文の字体。これ、なんとなーく昔の某A新聞で使われていた字体に似ている気がする、とはNさん談。なにしろNさんの実家は、某Y新聞の売り込みに来た人に、お母さんが「我が家は先祖代々A新聞なので!」と言って断ったというくらい、筋金入りのA新聞読者でして。昔っから新聞はAが定番。だからなんとなく、この『犬声人語』の本文を見て「懐かしい」と思ったのかもしれません。字体のみならず、1行の文字数とか、級数(文字の大きさ)に至るまで、著者のこだわりを感じます。こういう本、好きだなあ。皆さんも、そんなことも少し気にしながらページをめくってみてくださいね。
★著者のお二人にはこちらから会えますよ。twitterハッシュタグ #犬声人語 には、犬たちからの感想や写真がたくさん集まっています♪
– 石黒謙吾(@ishiguro_kengo) | Twitter
– 雲がうまれる(@KatteniCampaign) | Twitter
– ワニブックス 書籍編集部(@wani_shoseki) | Twitter
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こんにちは。読書犬パグのぐりです。暖かい日が増えてきて、ウキウキしています。皆さまいかがお過ごしでしょうか。そろそろ関東ではお花見の季節ですね。ごちそう食べるニンゲン横目に、普段のドッグフードに舌鼓をうつ僕。実は小さいころから前脚の片方の骨が奇形でね。体重が増えると足が痛くなってしまうから、厳重に体重管理されているのさ…。本当は僕だって、お花見しながらいろいろおいしいものを食べたい(泣)…