飼い主さんから離されたりするととっても不安になり、イタズラをしたり、吠えがひどくなるワンコの話はよく耳にしますね。こうした症状の原因は、環境によるものであったり、性格であったりといろいろです。

不安症のワンコさん対策は時間をかけて取り組んで

すぐ不安に陥るワンコに対しては、訓練や環境条件を整えることで、症状を抑えることができます。例えば、最もよくみられる分離不安（ひとりぼっちにされて陥る）は、ポジティブ・リインフォースメント（Positive Rainforcement）好ましい行動をほめ、同じ行動を繰り返させる訓練法）で徐々に改善できます。

しかし、心配症の性質を持つワンコの場合、訓練の前にストレスを与えるような状況を取り除いてやらなければなりません。心配症や臆病な性質のワンコを、怖いもの知らずのワンコにする特効薬はありませんが、時間をかけて変えていく自然な対処法は幾つかあります。

心配症のワンコに対応するには、まず、不安の素を知ることが大切です。ひとりぼっちにされるのがダメ？部屋に閉じ込められるのはどうでしょう。大きな音に怯えるワンコもいますね。移動など環境の変化や特定の物体、あるタイプの人に怖がる場合もあります。

そうした怯えの原因を知れば治療の方法も分かります。例えば、分離不安症のワンコには、ヒーリングミュージックが役に立つ場合がありますが、混雑したところで不安になるワンコにはあまり影響しません。極端な症状を示すワンコには、症状を抑える薬剤も動物病院で手に入りますが、強い副作用が出ることもあるので、まずは自然な方法を試してみましょう。

試してみてね！7つの自然療法

1. 運動

運動は、人にとっても大きなストレス解消になることは知られていますが、ワンコにとっても同じです。まず、気分を良くする脳内物質、セロトニンの分泌を促します。さらに、不安を悪化する抑圧したエネルギーや緊張を解放します。
飼い主さんが自転車で伴走してワンコを走らせるとか、長い散歩をする、一緒にスポーツをするといったことでワンコのエネルギーを目いっぱい燃焼させると、分離不安症や神経症から発生する問題を減らします。「疲れた犬は良い犬」というイギリスの諺があるくらいですから。

2. 気を逸らす

ワンコが、花火や雷、混雑といった特定の状況で神経質になる場合、そこから気を逸らすのもいい方法です。

ワンコを怯えさせる見知らぬ環境より、慣れたものに集中させましょう。新しいしつけをする時期ではありません。おすわり、伏せなど今までに教えた簡単な命令を出して、うまくできたらご褒美を与えほめてあげましょう。
食べることが好きなワンコなら、トリートボールやタグアジャグのようなおもちゃで注意をひきます。これにより、騒音や近づいてくる見知らぬ人と大切なご褒美とが結びついて、怖いものが少なくても耐えられるものになります。

3. リラックスマッサージ

ゆっくりと一定のリズムでマッサージすると、ワンコの不安症を鎮めることができます。
ワンコへのマッサージ法としては、リンダ・テリントン・ジョーンズさんが考案した、指と手で円を描くように全身を撫でるTタッチが有名。細胞の機能を活性化し、セルラー・インテリジェンス（細胞の知性）を目覚めさせるのだといいます。この結果、ワンコをリラックスさせます。

4. サンダーシャツ

米ThunderWorks社の商品サンダーシャツは、ワンコの不安症対策に人気のグッズです。ワンコの体をくるむように着せ、しっかりしたフィット感を与えます。科学的にきちんと証明されているわけではありませんが、持続的な圧迫感は移動の不安、騒音不安などに対するワンコの神経を鎮めると考えられます。

その有効性に対する考えは、飼い主さんによってもまちまち。使い方や、使う時で変わってくるのでしょう。他の自然な対策と組み合わせて使うと、有効性が増すかもしれません。日本では、Amazon.co.jpほかで購入できます。

5. 癒しの音楽

癒しの音楽で落ち着くのは人ばかりではありません。家を留守にする時、ワンコを落ち着かせるためテレビやラジオを付けっぱなしにしていくという飼い主さんは少なくありません。特に不安症のワンコを鎮める音楽がワンコ用CD、「Through a Dog’s Ear」におさめられています。
その内容は、多くの音楽に見られる複雑な音情報をそぎ落とし、聴覚データを最小限までシンプルにしたものです。このCDにより、分離不安や移動不安のような状況でのワンコの神経を鎮めます。騒音恐怖症のワンコも落ち着かせることができます。

6. 犬の鎮静フェロモン(DAP)

匂いもワンコの不安を鎮めることができます。

授乳中の母イヌの乳腺付近から分泌する物質DAP（Dog Appeasing Pheromone：ダップ、犬用フェロモン）は子イヌを落ち着かせ、親子の絆を強めるといわれます。DAPは子イヌに効果があるという研究報告はありますが、不安症のおとなのワンコに働くかどうかはまだはっきりしません。ただ、対策の一つとして試してみる価値はあるでしょう。

商品として有名なのは、CEVA社のADAPTIL™です。コンセントにさすディフューザーで使用すると30日間もちます。人はその匂いを感じ取れません。

7. レスキュー・レメディサプリメント

サプリメントを使用する場合、成分が天然であろうと、ワンコに与える前に獣医に相談しましょう。

レスキュー・レメディは、不安を取り除くハーブサプリメントとして人気です。天然ハーブやフラワーエキスを配合し、神経を鎮めます。食餌に加える滴下タイプからスプレータイプまでいろいろ揃っています。この他には、アニマル・エッセンシャルズ社のトランキリティ・ブレンドなども有名です。

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] 7 natural remedies for anxious dogs | MNN – Mother Nature Network

Featured image by woottigon / Shutterstock

掃除機は犬の敵〜興奮、不安、それとも喜んでる？複雑な犬のキモチに迫る | the WOOF

家の中に潜む犬たちの敵といえば、掃除機。 お風呂も敵かもしれませんが、幸いなことにお風呂自体は追いかけてきません。ニャンコが苦手な子も少なくはありませんが、公園で威嚇されたとしても家の中まで追ってくることはありません。