犬を上手にお風呂に入れる方法

お世話・グルーミング
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シャワーやお風呂は、愛犬の被毛や皮膚の健康を維持するうえで大切なものです。しかし残念なことに、犬をお風呂に入れるのは、飼い主にとっても犬にとっても大変な試練です。

多くの犬はお風呂が嫌いで、ハウスに籠城したり、大暴れしたり、ガルガルします。大人しくて不安がちな犬だとショックのあまり寝込んでしまうかもしれません。

不安や不満を最小限に抑え、お風呂を楽しいものだと思ってもらうためにはどうすれば良いのでしょう。なお、この記事では浴槽にドボンと入れる入浴と、ザザザ〜ッと水を流すシャワーの両方を”お風呂”と表現しています。

愛犬のお風呂嫌いを軽減するために

犬をお風呂にいれるうえでもっとも大切なことは、愛犬の苦手レベルに合わせることです。

犬の「嫌い」や「苦手」にも、しっかりとした理由があるはずです。お風呂場という場所が苦手で足を踏み入れるのも嫌だというコもいれば、シャワーの音に恐怖を感じて大暴れしちゃう犬もいます。

「お風呂が嫌い」とひとくくりにするのではなく、お風呂にある要素を因数分解し、何を、どのように、どのくらい苦手としているのかを観察しましょう。そしてその苦手レベルを下げるべく、ちょっとした工夫を挟んでみることです。

嫌いを好きに変えるのは大変ですが、嫌いレベルを下げるのは不可能ではないはずです。以下の項目を参考に、ぜひぜひ工夫をしてみてください。

犬をお風呂に入れる〜12の工夫

Dog taking shower

1)丁寧にブラッシングをする

特に被毛の長い犬や巻き毛の犬は、お風呂に入れる前の念入りなブラッシングは必須です。水に濡れると絡まりやすくなり、絡まった毛が解けにくくなり、乾燥やお風呂後のブラッシングに大変な時間がかかってしまいます。ブラッシングで落とせる汚れを事前に落としておく意味もあります。

2)穏やかに話しかける

すべての飼い主さんに実践して欲しいのが、「穏やかに話しかける」ということです。犬のペースに巻き込まれ「静かにして!」「落ち着いて!」と叫び声をあげるのではなく、まずはあなたが静かに落ち着くことが大切です。あなたのことが大好きな愛犬は、穏やかなトーンの「イイコ」が聞ければ、いつもよりずっと安心してコトに当たれるはずです。

3)普段からお風呂場にアクセスできるようにしておく

入浴させる場所に正解はなく、基本はどこでも構いません。一般のご家庭ならやはりお風呂だと思います。お風呂場には、普段から犬のアクセスを許可しておき、そこで遊んだりオヤツをあげたりして、ポジティブな印象を残しておくと良いでしょう。

4)小型犬やパピーには小さなお風呂を準備

パピーや超小型犬なら、お風呂場や人間用の浴槽だと大きすぎて不安になるかもしれません。シンクを使ったり、たらいを使用するしてみましょう。犬の不安を軽減できるかもしれません。

5)滑らない工夫をする

ツルンと滑るのは安全面からも問題ですし、犬の多くは足元が不安定な状態を嫌います。お風呂場の床や浴槽が滑りやすいなら、滑り止めを置きましょう。床にタオルを敷くだけで効果はあります。

6)水を快適な温度に保つ

犬の汚れを落とす前に、水温が快適であることを確認しましょう。熱すぎるのもダメ、冷たすぎるのもダメ。”ぬるま湯”と感じる温度をキープしましょう。

7)目や耳に注意を払う

犬の目と耳は非常に敏感であり、多くの犬は目と耳に水が入ることを嫌います(泳ぐのが好きなのに、シャワーが頭にかかるのを嫌うコもいる…というのは、気持ちわかりますよね^^)。耳に水が入ると感染症の原因にもなるので注意が必要です。シャンプーその他のケアプロダクトも同様に、たとえそれが安全を謳っていても目の中や耳の中に入れることはお勧めできません。

8)シャワーを顔に直撃させない

お湯は、頭部から遠い場所からかけはじめ、徐々に頭の方へと向かっていきましょう。シャワーを顔に直撃させるのはやめ、耳と目を保護するように、優しくお湯をかけるようにしましょう。

9)犬用プロダクトを正しく使う

犬用のケアプロダクトを使用しましょう。人間と犬では肌のpHが異なるため、人間用のプロダクトは犬の皮膚を乾燥させ、ときに皮膚疾患の原因にもなります。
ケアプロダクトは、それぞれの使用方法に沿って正しく使用しましょう。ムラにならないように、手であわ立ててから犬の身体に使用すると良いでしょう。塗りムラはすすぎ残しの原因になりますが、シャンプーなどが皮膚に残ると、かゆみや感染症などの原因になります。シャンプー以上にすすぎ大事。とにかく徹底的にすすぐようにしてください。

10)ドライな犬にする

洗い終えたら、愛犬にブルンブルンをしてもらって、一連の儀式は終了です。次にはドライな犬にするために、乾かしの儀に取り掛かりましょう。

まずはタオルドライですが、この時点で水分をタオルに吸収させましょう。吸水性の高いタオルに投資することは、犬のお風呂ストレスレベルを下げるとても良い方法です。
被毛タイプによっては、そして季節によっては、自然乾燥という選択肢もあるでしょう。しかし、被毛の長い犬や冬場などはドライヤーの使用は避けられません。サロンで使用するプロ仕様のドライヤーが(肌にも被毛にも良く)理想ですが、もちろん家族と共用すれば事足ります。風が熱くなり過ぎないかを注意して、どんどん乾燥させましょう。

11)家族や友人と共同で作業する

これらの一連の作業は、一人より二人の方がずっと楽だし、上手にできるものです。一人が保定する役をしてくれれば、シャンプーのあわ立ても落ち着いてできるというものです。時間も短縮できますから、犬のストレスレベルもグーンと下げることができます。

可愛い我が子の入浴姿をカメラに収めるのも、二人なら簡単です。ちょっと苦しいイベントも、2人+1匹ならば、上手に乗り越えられるというものです。

12)「お風呂は楽しい!」を教える

お風呂と報酬を結びつけるようにするのも、良い方法です。我らが可愛いワンコたちは、報酬のためにはいつも以上の頑張りをみせる可愛いヤツらです。食いしん坊にはオヤツを、遊びが好きなコにはスペシャルオモチャを、あなたが大好きなコなら、お風呂の後のお散歩など(暖かい時期にしましょうね)、大好きなものをプレゼントしましょう。

どのくらいの頻度でお風呂を利用すべき?

Dog and baby bath tab

photo : Milan Bruchter/ Flickr

さて、どのくらい頻繁にお風呂を利用すべきかを、最後に確認しておきましょう。

犬には毎日の入浴は必要ありませんが、定期的な入浴は必要です。どのくらいの頻度が正しいのか?という問いに正解はなく、生活環境や犬の品種、被毛のタイプなどいくつかの要因によって異なります。一般的なガイドラインは以下のとおりです。

  • 1ヶ月に1回が、ほとんどの犬に適用できるお風呂の頻度
  • 油を含む被毛の犬(バセット・ハウンドなど)は、週に1回ほどを目安に
  • 短毛(とりわけスムース・コート)の犬は、1ヶ月に1度より低い頻度でも大丈夫。ただし短吻種のパグ、フレブル、ブルドックなどは顔のシワに汚れが溜まりやすいこと、脂も多いことなどから、もう少し短い期間でのお風呂をお勧めします(ニオイ目安なら、2週間ほどで何らかのケアを)
  • 水を弾く被毛を持つ犬は、必要な時のみシャワーやお風呂を利用して。被毛の持つ油分が失われてしまいます
  • ダブルコートの犬のお手入れは、やはり頻度は低めがオススメです。ブラッシングを多く行いましょう

犬のお風呂も慣れが肝心。何回かトライしていくうちにより良い方法が見つかるものです。愛犬の性格や好みを研究し、諦めずにチャレンジしてみてください。

それでもどうしてもダメならば、グルーミングはプロにお任せしましょう。グルーマーは犬の扱いにも慣れていますし、何より技術をもっています。加えて、犬用に工夫されたケア製品や機材を揃えているため、びっくりするほど短い時間で、入浴やケアを終えてくれるでしょう。

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