DNA検査が譲渡件数アップに貢献〜「犬種は何?」に答えて里親候補の心を掴む

動物愛護・保護
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フロリダにある動物保護施設は、この夏、犬の譲渡件数を大きく伸ばすことに成功しました。里親探しに奮闘する犬たちを助けたのはDNA検査。検査によって得られる情報は、犬の保護活動にも大きな影響を与えそうです。

大型犬と里親をDNA検査がつなぐ

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image by Brian Kelly / Flickr

フロリダにあるHillsborough Countyの職員たちは、非常に忙しい8月を過ごしました。8月半ばを経過した時点で、犬の譲渡数が184匹に達したのです。大幅な件数増を果たした秘密は、DNA検査の実施。助成金を活用して、保護されている200匹のDNA検査を行ったのです。

対象は、里親探しに苦戦する大型犬が中心で、体重が40ポンドを超える犬200匹が口の中を「綿棒でペロリ」されました。助成金10,000ドルで200匹と比較的安価なのは、大型犬の里親探しを促進する目的で行われたパイロットプログラムに参加したからのようです。

Hillsborough Countryは同時に、Facebookでのコミュニケーションを開始します。検査を実施する犬をフィーチャーして、見ている人に「犬種当て」をさせるのです。例えば、「ミニピンとラッセルか?」「ラブとテリアだと思う」と予想されていたミックス犬スプリー(Spree)は、検査からチャイニーズ・シャー・ペイとアメリカン・スタッフォードシャー・テリアのミックスだと判明。大いに盛り上がったということです。

そうは言っても犬種が知りたい

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image by Khánh Hmoong / Flickr

「なんていう犬種ですか?」

里親候補が保護犬に出会った時、最初に訊ねるのは犬種に関する質問だそう。アイスブレイクとしては悪くないものの、出自不明の犬については推察でしか回答できない’ちょっと困る’質問であることも確かです。

ミックス犬、雑種などと呼ばれるのが嫌だという訳ではない。犬だって犬種が何であるかを気にする訳じゃないんだし…。

とはいえ、大雑把に一括りにされてしまうことには抵抗があるし、「なんていう犬種ですか?」という質問にはっきり答えられるのは追ってもラク。こうした’飼い主心理’からだけでなく、必要に迫られて犬種を知ろうとする人たちもいます。飼育犬種に制限がある地域や物件に住む人にとって、犬種は明らかにしなければならない情報なのです。そして、犬種を知ることは、より適切な飼育環境を犬たちに与えることを可能にします。

検査により得られる多くの情報は施設でのトレーニング、里親とのマッチング、トレーニングや食事など、様々な面で活かされます。ミスマッチを減らしたい保護施設にとっても、大きな助けになることでしょう。今後に期待しましょう!


米国でも、DNA検査を導入する保護施設は、まだまだ多くはとのこと。大きな成功を収めたHillsborough Countyの事例は、DNA検査と保護施設の距離をぐっと縮めてくれそうです。

Featured image credit Sal / Flickr

犬の遺伝子検査〜親子鑑定、犬種鑑定、遺伝性疾患のリスクもわかる近年のDNA検査 | the WOOF

オーストラリアでは、ミックス種ワンコをたくさんみかけます(多くのミックス種ワンコは、両親が異なる純血種です)。以前、代々ミックス種のワンコにDNA検査を受けさせた飼い主さんがいました。どんな血統が入っているのかを調べるために行ったそうで、結果、見た目からは想像できない犬種が入っていたことがあり、とても驚いたことを記憶しています。

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