犬の遺伝子検査〜親子鑑定、犬種鑑定、遺伝性疾患のリスクもわかる近年のDNA検査

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オーストラリアでは、ミックス種ワンコをたくさんみかけます(多くのミックス種ワンコは、両親が異なる純血種です)。以前、代々ミックス種のワンコにDNA検査を受けさせた飼い主さんがいました。どんな血統が入っているのかを調べるために行ったそうで、結果、見た目からは想像できない犬種が入っていたことがあり、とても驚いたことを記憶しています。

DNA検査で我がワンコのルーツを調べるのは、興味深いことだと思います。ところでDNA検査は、血統の鑑定だけに役立っているのでしょうかといえば、最近ではそうとは限らないのです。近年のDNA検査では、親子鑑定や犬種鑑定などの血統鑑定だけでなく、遺伝性疾患の検査を行うことができるのです

遺伝性疾患ってなんだろう?

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遺伝子や染色体の変異によって起こる病気を遺伝性疾患といいます。母親もしくは父親が変異した遺伝子もしくは染色体を持っており、それが子孫に遺伝することもありますし、両親の正常な遺伝子と染色体が突然変異することもあります。純血種のワンコでは、近親交配を繰り返してきたために変異遺伝子もしくは染色体が長年受け継がれ、各犬種特有の遺伝性疾患を発生するようになったと考えられています。

遺伝性疾患を知ることで、どんな利点があるの?

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DNA検査では、遺伝性疾患に罹るリスクを判定することはできますが、その病気にかかることを防止することはできません。ただ、リスクが高くても必ずしもその病気にかかるというわけではありませんし、早期に発見することができれば早期に適切な治療を行うことができるのです。

我が家のワンコに赤ちゃんをと考えていらっしゃる方や、ブリーダーの方々がDNA検査で遺伝性疾患罹患リスクを確認し、リスクの高いワンコの子孫を増やさないよう注意すれば、生まれてから遺伝性疾患に苦しむワンコは少なくなります。

どんな遺伝性疾患があるの?

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DNA検査ですべての遺伝性疾患を検査することはできません。現在、オーストラリアのOrivet社で検査可能なワンコの遺伝性疾患は39種になります。その中から、日本で人気のある犬種に発生する可能性のある遺伝性疾患をいくつかご紹介します。

・進行性網膜萎縮症

網膜が徐々に萎縮することにより、両眼の視力がだんだん低下する目の病気で、最終的には失明してしまいます。初期症状として、暗いところや夜に物が見えにくくなり、その後、明るいところでも視力が低下してきます。白内障を伴うこともあります。

6ヶ月齢になる前に初期症状を示す場合には、1~2年以内に失明してしまいます。3~5歳になってから初期症状を示す場合には、6~9歳に失明してしまう可能性が高くなります。早期に症状を示す好発犬種は、ミニチュアシュナウザーやウエルシュコーギー、コリーなどで、3歳以降に症状を示すことの多い犬種は、ミニチュアダックスフント、ミニチュアプードルやトイプードル、パピヨン、ラブラドールレトリーバーなどです。

・遺伝性白内障

白内障は、眼球のレンズが白濁して視力が低下する目の病気です。進行すると緑内障を起こすことがあり、失明することもあります。遺伝性白内障は、生後数か月から、もしくは1~3歳ごろに発症することが多いといわれています。

好発犬種は、ミニチュアプードル、ミニチュアシュナウザー、ボストン・テリア、アメリカン・コッカ―スパニエルなどですが、その他にも多くの犬種に発生する可能性の高い目の病気です。

・イベルメクチン中毒

イベルメクチンは、フィラリア予防薬として多く使用されているほか、ダニなどの寄生虫を駆除する薬として使用されています。ある特定の変異遺伝子を持つワンコでは、このイベルメクチンに対して、過敏反応(中毒)を起こしてしまうことがあります。中毒を起こすと、嘔吐や食欲低下、重症例では失神してしまうこともあります。好発犬種は、コリー、ジャーマン・シェパード、オールドイングリッシュ・シープドッグなどです。

・運動誘発性虚脱

この病気は、1990年代に認識された比較的新しい病気です。激しい運動の途中もしくは後に失神してしまう病気です。好発犬種はラブラドール・レトリーバーです。

 

DNA検査ってどんなもの?どこで受けられるの?

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DNA検査は、口の中の粘膜細胞を採取して送付するだけの簡単な検査です。細胞を採取する際に痛みを伴うことはありません。現在、日本では、オーストラリアにあるOrivet社にサンプルを送付して検査を受けることができます。Orivet社は日本に窓口があるので、手続きは難しくないようです※1。Orivet社での検査料は、検査内容により異なりますが、9,200~17,500円※2です。

※ 遺伝子性疾患検査の報告書はメール添付または有料(200円)での郵送。犬種鑑定報告書は原版(英語)を郵送、その後翻訳版をメール添付(所用時間は1か月程度)

※2 全て1頭価格 最新の価格はOrivet社の情報をご確認ください

2016年の春から、アメリカのEmbark Veterinary IncでもワンコのDNA検査ができるようになり、アメリカで話題になっています。ここでは、100種以上の遺伝性疾患の罹患リスクを判定することができます。Embark Veterinary Incでの検査料はUS$190です。


DNA検査でワンコを体質を知ることができれば、いろいろな対策ができるようになるでしょう。たとえ、すべての病気を予防することができなくても、適切な治療を早期に行うことで、ワンコのQOL(クォリティオブライフ)はきっと向上すると思われます。また、病気によっては発生を遅延もしくは回避することも可能かもしれません。

DNA検査で、ワンコがますますハッピーなライフをおくれますように。

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Orivet
[2] MYCODE 遺伝子検査とは
[3] Vetstreet 進行性網膜萎縮症
[4] Webmed 犬の白内障
[5] PETMDイベルメクチン中毒
[6] Vetstreet 運動誘発性虚脱
[7] Embark Veterinary Inc

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