行方不明になっていた3歳のラブラドールは、森の中で1年間半、自給自足で暮らしていました。

ワイルドな暮らしに慣れてしまった”元家庭犬”でしたが、美味しいオヤツに抗うことはできず、ケージに入り込んだところでお縄となりました。

現在は良き家庭犬に戻るべくリハビリに励み、新たな暮らしに備えているそうです。

ごくごく普通の家庭犬だったバンディットがワイルドな暮らしに乗り出したのは、2016年10月8日のこと。連れて行かれたニューヨーク州の動物病院から脱走してしまったのです。

家族の必死の捜索も虚しく、バンディットの消息はぷっつりと途絶え、有力な目撃情報もないまま時間だけが過ぎてゆきました。

そして1年4ヶ月後の2018年2月8日、ニューヨーク州のウォルデンの住民であるCalvitti氏は、いつも通る道の近くで”黒い犬”を発見します。犬はいつも、彼の前に姿を見せては、森の中へと姿を消していたそうです。首輪をしていたことから迷子犬だとあたりをつけ、何度か捕獲を試みたCalvitti氏でしたが、成功にはいたらず、地元のレスキュー団体に助けを求めました。

レスキューの担当者は、監視カメラと捕獲用の罠を用意。最終的には巨大なケージを作ってオヤツを仕込み、犬が引き寄せられるのを待ち続けました。ケージを設置してから捕獲までにかかった日数は5日間。ワイルドな生活を続けてきた犬は、最初こそ突然現れたケージに恐れをなしていましたが、持ち前の遊び心と好奇心を抑えつけることはできず、ケージの中へと一歩ずつ、歩みをすすめていったのです。

そして2018年3月20日、犬はレスキューによって捕獲されます。首輪に付けられたID情報から、その犬の名がバンディットであること、そして家族がニューヨーク州の住人であることが判明します。逃亡から約一年、動物の死骸を食べ続けて生き延びてきた犬は、森での生活に別れを告げることとなりました。

本来であればここで家族の再会となるところですが、今回の場合はそうはなりませんでした。バンディットが不在の1年半の間に、家族のライフスタイルは変わってしまい、彼を受け入れることができなくなっていたのです。これまでに何度も脱走を繰り返していたこともあり、家族はバンディットをレスキューに預けることに決めました。

現在バンディットは、良き家庭犬に戻るべく、リハビリに励んでいます。幸いなことに食糧（ハンターが落としていく動物の死骸）には恵まれていたため、健康には大きな問題はなかったのですが、警戒心が強く常にビクビクする犬になってしまいました。犬生の約半分を森で暮らしていたのですから、致し方ないとはいえ、良き家庭犬に戻るためには、様々な音や光、人や他の動物に慣れていかなければなりません。

レスキューの担当者は、「彼が野で生き延びたのは驚嘆に値する。犬たちは私たちが思う以上に、適応力があり賢い」とコメントしています。素晴らしい適応力をもつバンディットが、人との生活にも再び適応し、素敵な家族を得ることに期待しましょう。

Featured image creditBuddha Dog Rescue & Recovery / facebook

h/t to Long lost pup found in NY woods after missing for year and a half | abc7ny.com

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