なぜ私の犬は車を怖がるのか〜その理由と解決策

しつけ・トレーニング
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「ドライブ大好き!お出かけ楽しみ〜」という犬もいれば、「車は怖くて好きじゃない…」という犬もいます。ドライブが大好きワンコなら大喜びで車に飛び乗るものですが、苦手ワンコはクンクンと悲しい声を出したり、車に乗ることを拒否する行動をとったりします。

運転中にワンワンギャンギャン鳴かれたり、落ち着きなく暴れまわるようであれば、気が散って運転どころではなくなってしまうかもしれません。

なぜ愛犬は車、あるいはドライブを恐れるのでしょうか。

なぜ私の犬は車を恐れるのか

Dog and man sitting in the car

photo : adrian/ unsplash

・乗り物酔い

人と同じように車酔いする犬もいます。乗り物に乗ると吐き気を感じたり、吐いたりすることもあります。これがあなたの犬に似ているとしたら、そのむかむかした気持ちのせいで、ペットは車に乗るのが怖くなったのかもしれません。

・車に乗ることに慣れていない

車に乗ることに慣れていない犬は、車に乗ること自体に戸惑うかもしれません。車には通常、独特の匂いがあり、エンジンの音や床の振動、あらゆるものが後方に流れていくようなスピードの感覚など、普段の生活では経験しないような刺激があります。こうした刺激のいずれか、または全部が、犬にとって非常に恐ろしい経験になっているのかもしれません。

・車とネガティブな経験が紐づいている

犬の中には車を否定的な経験と結びつけて記憶してしまうコもいます。そうした経験は、容易に恐怖の感情に発展するものです。「車に乗る=動物病院に行く」「車に乗る=怖い音がする」など、もともと獣医が嫌いとか甲高い電子音が嫌いな犬なら、車に対して否定的な感情を強めることになるでしょう。

お迎えした保護犬が車嫌いNO場合は、過去にトラウマを残すような出来事を経験した可能性があります。「車に乗せられて捨てられてしまった」「家族と引き離された」などの恐ろしい体験は、車嫌いの原因にもなりかねません。交通事故にあった犬も同様に、過去の恐怖体験から車を嫌いになってしまう可能性があります。

犬の車嫌いを克服する〜乗り物酔いの改善

Black and white dog sitting in the car

photo : Tadeusz Lakota/ unsplash

犬は車に乗って気持ち悪くなっても、「気持ちが悪い」とは伝えてくれません。また、乗り物酔いの兆候は、嘔吐のようなわかりやすいものばかりではありません。あくび、唇を鳴らす、クンクン鳴く、過度のよだれといった兆候をみせることもあります。

子犬は身体がまだ未発達のため、バランスを平衡に保つなどの機能が十分に働いていません。愛犬がまだパピーなら、成長にともない車酔いの症状はなくなっていくことが期待できます。

  • 子犬でも成犬でも、彼らが車の中で十分にリラックスできるよう、環境を整えてあげましょう
  • なるべく正面を向くことができるよう、座るいちなどを調整しましょう
  • 柔らかくて使い慣れたタオルや犬用ベッドを使ってあげましょう
  • 定期的に窓をちょっぴり開け、新鮮な空気を循環させましょう
  • 車に乗せる前には、食事を軽めにして早めに終えましょう

乗り物酔いがひどいときは獣医師に相談し、薬を処方してもらいましょう。他の病気が原因で車酔いのような症状がみられることもあります。自己判断をせず、獣医師の診察を受けたうえで薬を飲ませるようにしましょう。

犬の車嫌いを克服する〜不安と恐怖を和らげる

Gray tiny poodle smiling

photo : Andrew Shiau/ unsplash

愛犬が車に恐怖を抱いているのであれば、車に近くことだけでも不安や恐れを感じます。ネガティブな感情を和らげるためには、エンジンをかける前の段階からはじめる必要があります。

ステップ1:車に向かって歩くことから練習しましょう。元気にアプローチできたら、愛犬の大好きなオヤツを与えましょう。小さなステップですが、大きな一歩でもあります。ここで焦らず、愛犬が自分から近くようになるくらいまで繰り返します。

ステップ2:車に近づき、ドアを開けましょう。そして大好きオヤツを与えます。この段階もここでストップ。一度車から離れたのちに、もう一度近づいてドアを開けるまでを繰り返します。

ステップ3:ステップ2の段階で、ドアが開いている状態に慣れたことを確認したら、愛犬に車(車の中や外)を探索させましょう。上手にクンクンできたらご褒美、ときには車の中に大好きオヤツを置いておくのも良いでしょう。オヤツを置く場所は、ドアの近くなどの難易度低めの場所から始めてください。慣れてきたら、どんどん中に入っていけるような場所にオヤツを置いてみましょう。

ステップ4:犬が車に入っているときに、ドアを締めてみましょう(飼い主さんも一緒に車の中にいます)。閉じる時間は数秒からスタート。すぐにドアを開けて犬にオヤツを与えます。30秒から1分程度、ドアを閉じていられるようになることが目標です。愛犬が騒いだり苦しむ様子をみせたら、時間を短くするか前のステップに戻りましょう。

ステップ5:愛犬がドアを締めた車の中でもイイコにしていられるようになったら、エンジンをかけてみましょう。これも短い時間でOKです。落ち着いていられたら、オヤツをあげてエンジンを切り、外に出られるようドアを開けてあげましょう。

ステップ6:エンジンをかけたままでも落ち着いていられるようなら、ほんの短い距離で良いのでドライブに出かけましょう。目標の距離を達成できたら、大好きオヤツを与えます。愛犬がリラックスできるようになったら徐々に距離を伸ばします。


恐怖や不安を克服するには、非常に長い時間がかかります。愛犬が上手にできたからといって急いで次のステップに移っては、恐怖心を克服できません。頭が良いコや勘が良いコは、ご家族の期待に沿うべく無理をしてしまうことも考えられます。

ペット犬の場合、基本的スキルを教えるようなトレーニングでも、1回15分以内で十分だと言われます。今回のテーマのような行動の課題を克服するトレーニングでは、もっと短い時間(5分程度)で十分でしょう。「嫌だな」という気持ちが現れる前に終え、ネガティブな印象を残さないようにしましょうね。

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