可愛いお顔の愛犬は、あらゆる種類のものを食べるスカベンジャー。肉や野菜だけではなく、ごみ、カーペット、泥や砂など様々なものを口にします。その中には猫の糞も含まれており、むしろ好んで食べているようです。
犬はなぜ猫のウンチを食べるのか?
犬が猫の糞を食べるのは、決して新しい現象でも珍しい行為でもありません。糞を食べる行為には「食糞症(coprophagia)」という名前がつけられ、自分自身または他の動物(同種の他の個体または他の種)の糞を食べることと定義されています。
食糞の理由は、様々に推測されています。自らの痕跡を消すために食糞していた野生時代の名残という説や、子犬時代に経験した排泄物を舐めた後の母犬の口の匂いに誘発される説、単に探索行動の一つであるという説、環境ストレスが食糞行動を誘発する説などです。ただこれだと、犬が猫のウンチに魅了される理由を十分には説明できません。
猫のウンチを食べる理由の一つとして考えられるのは、猫の糞が美味しそうな匂いを発し、実際に美味しいからというものです。猫は肉食動物であるため、特定の特定の栄養素が消化できないまま排泄されることがあり、これが犬にとっては魅力的な味と匂いをもつスナックであるというのです。似たようなもう一つの理由は、犬が自分の栄養不足を補うために猫の糞を食べるという説で、猫の糞が含んでいるビタミンやミネラルに引き寄せられるというものです。
ただし、これらの全ては単なる推測。実のところ決定的な理由はわかっていません。ほとんどの場合、栄養の欠乏などの複雑な理由ではなく、探りたい試したいという欲求の結果だろうと、一般的には考えられています[1]。
猫の糞は犬にとって悪いものか?
猫の糞を食べるのは私たちには「オェ〜」な行為ですが、それは犬の身体に実際に悪さをするのでしょうか?
まぁ予想どおりの答えではありますが、悪影響を及ぼすことが考えられます。猫の糞に限らず食糞行為は、有害な細菌や寄生虫を口に入れている可能性があるからです。
Dr.CoatesはPetMDで、猫の糞便に含まれる細菌について、いくつかは正常な消化機能を促進する良いバクテリアだが、他はあまり良いものではないとしています。猫の糞に含まれる細菌には、クロストリジウム菌、カンピロバクター属菌、サルモネラ菌などがあります。また猫の糞には、ランブル鞭毛虫、回虫、鉤虫などの原虫を含む可能性があります。
猫の糞を食べた犬は、これらの細菌や寄生虫に感染する可能性があります。この場合、猫が感染の症状を示していないからといって、安全だというわけではありません。またこれらの感染症の中には、動物から人にうつるものもあります。
愛犬が猫糞を食べるのを防ぐ方法
犬が猫の糞を食べたからといって、すぐに大病を患う訳でもありませんが、なんといっても気持ちが悪い。やめていただくに越したことはありません。
犬が猫の糞を食べるのを防ぐ最も簡単な方法は、猫の糞に近づけないことです。入り口の小さな猫のトイレを採用するか、置き場所に工夫をする(高い場所に置く、犬が通り抜けできないゲージの向こうに置くなど)のも効果的です。猫が糞をする側から拾っていくというのも考えられる行動ですが、猫のトイレのタイミングを予想するのは難しく、また常に張り込むのは現実的ではありません。
食糞は、実にうんざりさせられる行為ですが、犬にとっては自然な行為です。すぐに大病になる訳でもありません。異常なまでに猫の糞に執着する場合は、犬の心や身体に何か問題が起きているのかもしれません。トイレを移動させるなどの努力が報われない場合は、獣医師にさらなるアドバイスを求めてください。
[1] Why Does My Dog Eat Cat Poop? – American Kennel Club
[2] Nutrition Gone Bad – Dogs That Eat Cat Poop | petMD
Featured image creditAlexis Chloe/ unsplash
犬のウンチが火を灯す〜イギリスでリサイクル街灯が設置 | the WOOF イヌメディア
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