子犬のお散歩〜どのくらいの頻度と運動量が必要か?

幼犬・子犬
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子犬を迎える夢を叶えたあなたは、すぐにお散歩に連れ出したくなることでしょう。犬は散歩が大好きだということや、子犬には運動や社会化が必要だということを知っていますものね。

でもちょっと待って!子犬のお散歩には、色々と注意が必要なのです。ワクチン接種は必要ですし、多すぎる運動は関節や骨の問題を引き起こす可能性があるのです。

今日は、子犬のお散歩および運動についてのお話です。1歳未満のパピーたちには、どのくらいの頻度で、どのくらいの運動量が必要なのでしょうか

子犬のお散歩〜注意すべき2つのこと

お散歩量の話の前に、子犬のお散歩について、絶対に心に留めておいてほしい2つの点をお話しさせてください。

「お散歩デビューは一連のワクチン接種を終えてから」という点と、「多すぎる量の運動は骨や関節に負担をかける」という2点です。以下について「大丈夫!」と言い切れるかどうか、いまいちど確認しましょう。

注意1)お散歩デビューはワクチン摂取を終えてから

8週齢ごろの子犬は、母乳の抗体が弱くなり始めるため、この時期に最初のワクチン接種を受けて病気の予防をしなければなりません。ワクチン未接種の子犬は、パルボやジステンパーのような危険なウィルスへの抵抗力が弱いため、外に連れ出すのは非常に危険です。ワクチン接種後いつから散歩できるかは獣医師に確認すべきですが、最低でも1週間、できれば10〜14日経ってからというのが一般的です。ただしまったく外の環境と触れさせないというのも好ましくないため、抱っこをして家の周囲を歩いたり、車で外に連れ出すなど工夫すると良いでしょう。

注意2)多すぎる量の運動は骨や関節に負担をかける

激しい運動は、発達途上にある骨格系に影響します。これはいわゆる「子犬の成長板(puppy growth plates)」の問題で、成長板が閉じていないうちに怪我をすると、のちに影響するような損傷や変形を引き起こす可能性があるのです。

成長板は長骨の端部に見出される軟骨板のことで、成長に連れて徐々に石灰化し密度の高い骨になります(閉じて固まる)。Vet Surgery Centralによれば、ほとんどの犬で骨の縦方向の成長は8ヶ月齢までに起こり、1歳までに成長板が閉じるとのことです。ただし、大型犬や超大型犬の中には、18〜20ヶ月齢まで成長を続けるものもあります[1]。閉じた状態になる前の成長板は、骨の端部にあるために傷つきやすいため、多すぎる運動は子犬には適していないのです。
大型品種の子犬の食事と運動には、知識と配慮が必要です。獣医師からのアドバイスを受けてくださいね。

子犬に必要な運動量を決める要素

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image by Grigorita Ko / Shutterstock

子犬に適した散歩量がどのくらいのものであるかの正確な基準は、残念ながら存在しません。科学的研究は一般化するほどには十分ではありませんし、専門家の意見も様々です。

それぞれの子犬が必要とする運動量は、次のような要素によって決まります。これらの要素を総合的に勘案し、その子に適した量を決めなければなりません。

  • 犬種:犬種の考慮は、子犬の運動量の決定にあたっても最重要の項目です。ボーダー・コリーとブルドッグを比べたら、たとえそれが子犬であっても、ボーダー・コリーの方が運動耐性は高いものです。
  • サイズ:サイズも重要な要素です。大型犬や超大型犬の多すぎる運動は、整形外科的問題の引き金になるかもしれません。完全に成熟するまで、激しい運動や飛び降りなどの活動は禁止した方が良いこともあります。小型犬は大型犬より早く成熟しますが、まだ十分には成長していないので、プレイセッションを数回に分けて昼寝の時間を多めに挟むなどの工夫は必要です。
  • 年齢:子犬の運動のニーズは、成長するにつれて変化します。6ヶ月齢をこえてきたら、長めのウォーキングやジョギングをすることができるかもしれませんが、それでもアジリティクラスへの参加や荒野をジョギングするのはまだまだ危険です。新たなチャレンジに挑む前に、常に獣医師に相談するというクッションをはさみましょう。

あなたの子犬に適した運動量を決める

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image by Zuzule / Shutterstock

とはいえ、「子犬に必要な運動量を決める定式はない!」という回答では、ちょっと悩んでしまいますよね。

ここでは参考にしていただくために、目安になる数字をいくつかあげることにします。

  • 品種もサイズもひっくるめて「子犬」と乱暴にひとくくりにした場合、8週齢以上であればゆっくりした20分間の”散歩”は安全です。このときの「ゆっくり」とは、子犬に合わせたペースでということと同義です。
  • ”5分間ルール”も、ひとつの目安です。「子犬の月齢に5分を掛ける」というもので、たとえば10週齢の子犬なら[2.5(月)×5 = 1日当たり12.5分間の歩行]となり、6ヶ月の子犬なら6×5 = 30分となります。
  • 目安はあくまでも目安。品種は個体の状態(疲労の程度)によっても変えていく必要があることは忘れないでくださいね。

子犬のお散歩デビュー:安全のヒント

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image by Christine Bird / Shutterstock

品種やサイズ、年齢にかかわらず、子犬を安全にお散歩させるためのヒントをご紹介します。

  • リードをつけて歩く練習をしましょう。まずは家の中で、首輪やリードをつけることに慣れてもらうことです
  • 短時間のお散歩からはじめ、休憩はたっぷりしっかり取るようにしましょう
  • 距離やスピードは、徐々に増やしていきましょう
  • 暑すぎる、あるいは寒すぎる時期のお散歩は避けなければなりません。真夏や真冬は、快適な時間帯を選ぶか、快適な場所に移動するなど工夫をしましょう
  • 滑りやすい、または段差が多い場所は避けて安全な場所を歩くようにしましょう
  • 歩き方がおかしいなと気づいたら、早めに動物病院に向かいましょう。早めの対処が変形などを予防します
  • 子犬が全力疾走するのが好きだとしても、ジョギングに付き合わせるのはまだ早いかもしれません。アジリティやハイキング、ジョギングなどをスタートする際は、獣医師に相談してからにしましょう
  • 毎日のお散歩量は、なるべく均等になるようにしましょう。週末だけ長時間歩いたり走ったりすると、成長期の子犬の成長に悪影響を及ぼすことがあります。

8〜12ヶ月齢をすぎると、愛犬との長い散歩やもっと激しい運動を楽しむことができます。少し我慢の時期になるかもしれませんが、待つことも子犬育てのひとつの局面です。子犬に合ったゆったり散歩を目一杯楽しみましょう。

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] How Exercise Can Harm a Puppy’s Growth Plates | PetHelpful
[2] How Much Exercise Is Too Much for a Puppy?
[3] How Far Can I Walk My Puppy at 8 weeks? 12 weeks? 4 months?

Featured image creditOrientgold/ shutterstock

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