虐待され続けた雑種の犬は、空腹とお腹の仔を抱え、寒さに震えていました。
ジョージア州のカントリーサイドで1匹の保護された犬は、人を恐れ、食べ物すら受け取ることを拒否しました。
やすりをかけられたように真っ平らな歯は、本当にやすりがけをされたか、犬がひっきりなしにケージを噛み続けたことを語っていました。酷使された乳首は、多すぎる数の子供を産んできたことを示しています。
彼女の生きてきた環境について、わかっていることは何もありません。保護施設のボランティアは、犬の過去についてこう推測しています。
「一般家庭での飼育放棄がベストなシナリオ。パピーミルで医療ケアもなく”産む機械”として扱われたケースも十分考えられる」
厳しかったのは環境だけではありません。彼女への扱いも、やはり酷いものだったようです。X線写真は、彼女の背骨の近くに古い散弾を映し出していました。それはどこかの誰かが、不幸続きの犬に発砲したことを示しています。
犬はキア(Kiah)と名付けられました。「新しい始まり」という意味です。しかし、キアの「始まり」は、喪失と混乱に溢れたものでした。彼女のお腹の仔はすでに息絶えており、獣医師らはキアの命を守るため、帝王切開により死んだ仔犬を取り出すしかなかったのです。
こうしてキアは仔犬に会えないまま、子供を失った母親になりました。彼女の身体(ホルモン)は「私は仔犬を産んだ母犬だ!」と訴えるけれど、仔犬はどこにも見当たらないのです。犬は死産の場合などには、死んだ仔の匂いを嗅ぐなどして現実を受け入れるものですが、キアには今回そうした受容の機会はありませんでした。
キアは混乱し、悲しみに打ちひしがれました。
キアの「新しい始まり」には、子犬が必要なのは明らかでした。そこで、キアに別の子犬を紹介することも試されましたが、キアは全く興味を示さないばかりか、唸り声をあげて威嚇するようになりました。
次に試したのが「ぬいぐるみを与える」という作戦です。一つは成犬サイズのものを、そして2つは小さくて柔らかい子犬サイズのものです。子犬たちにはブルブル機能と子守唄の再生機能が搭載されていました。
キアの一時預かりをしているClaffeyさんは、キアの様子をこう説明しています。
「ぬいぐるみを寝床に入れたときは、キアが気に入ってくれるか、怒りを感じるかはわかりませんでした。置いた後、時間を置いて寝床を確認してもたら、キアがぬいぐるみの上に頭を乗せて休んでいたんです。ぬいぐるみを動かすと、彼女も付いて回るようになりました。だからきっとぬいぐるみは、少しは彼女の支えになったんだと思います」
今ではキアは、眠るときは”子犬”に鼻を寄せ、子守唄が流れるときだけ食事をとります。
その光景はとても愛らしく、そして悲しいものだとClaffeyさんは語ります。「彼女の準備が整うまで、私はキアと一緒にいるつもり。でも最終的な目標は、彼女に終の住処を見つけることです」
キアの里親探しは、心と身体が十分に回復してから行われるそうです。
h/t to Cherokee County Humane Society
NY州でドッグトレーナーの公的資格の動き〜動物虐待事件が影響(アメリカ) | the WOOF イヌメディア
ドッグトレーナー資格認定を制度化し、法令で規制しよう動きが米ニューヨーク州で起きています。 法令化を推し進めるのは、トッド・カミンスキー上院議員(Todd Kaminsky)。犬の服従訓練を提供する事業者に対するライセンスを、州が発行し管理しようというものです。