韓国政府、ペットの福祉政策を担う新部門の設立を発表

世界の犬事情
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韓国の農林畜産食品部は今月、畜産政策局の下部組織として新たに動物福祉政策部門を設置すると発表しました。ペットを飼育する家庭の増加に伴い新設するもので、これまでは複数のチームに分散していたペット関連の問題を一元的に管理し対応するためのものだということです。

「動物福祉政策部は、動物関連事故の防止、動物の放棄や虐待からの保護、動物実験の倫理ガイドラインの強化などの主要課題に取り組む予定だ」 「この新しい部門は、農林水産省の最も忙しい部門の1つになると我々は考えている」と関係者は声明で述べています。

韓国では現在、文在寅(ムン・ジェイン)大統領のもとで動物保護政策が進められています。3月20日に示された憲法改正案では「国家は動物保護政策を実施しなければならない」と規定し、動物保護は国家の責任であると宣言しています。6月13日に予定されている国民投票で改正案が成立すれば、韓国での動物の扱いが基本的に大きく変わるだろうと動物保護団体は期待を寄せています。

改正憲法にも動物への言及があるのには、国民の動物の保護や権利への関心が高まりがあると韓国ヒューマンソサエティのボリア・ソー氏は言います。「大統領自身が述べたように、憲法は国民の顔であり、国民のものだ。国民の動物福祉に対する懸念の高まりを反映するのは当然のこと。あまりにも長い間、韓国の動物はほとんど法的保護を受けずに苦しんできた」

そして、こうした国民意識の変化は、ここ数年のペットの飼育数の増加も関与していると思われます。政府によると、ペットを所有する世帯の数は​​、2015年の457万から2017年の593万へと、わずか2年で20%以上も増加しています。

ただ一方で、実験動物の数も2年で18%増加しているという現実もあります。2015年に251万だった実験動物は、2017年には308万に増加しました。世界から非難が止まらない食肉の問題もあり、韓国国内にはまだ1万7000以上の食肉用の養犬場があります。

動物の取り扱いについては問題山積みの韓国。ペット専門の政策部門設置はささやかな一歩かもしれませんが、これらの取り組みの一つひとつが人々の意識を変えることに繋がっていくのでしょう。韓国は、動物の権利保護に向かって、新たな道を開きつつあるようです。

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Breaking! The South Korean Ministry Establishes First-Ever Pet-Related Animal Welfare Policy Division As Nearly 6 Million Homes Have Pets – World Animal News
[2] South Korean animal groups unite in supporting the inclusion of animal protection in a revised constitution : Humane Society International

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