ペット動物との死別は、飼い主に深く大きな喪失感をもたらすもの。その苦痛の大きさから、心のバランスを崩してしまう人もいます。時間をかけてその死を悼み、喪失に向き合いたいと希望する飼い主は少なくありません。
米国では近年、従業員に有給の忌引休暇を認める企業が登場しているそうです。「ペットは家族」という意識を反映して、制度として取り入れる企業が増えているというのです。
CBS SF BayAreaによれば、ペットが亡くなった時の休暇取得を認める企業は以前から存在していたのだそう。しかし最近では、単に’休暇を認める’だけでなく、基本の福利厚生プランの中に’有給での忌引休暇’が含める企業が登場しつつあるのだと言います。人事エキスパートのデコトー氏(John Decoteau)は、「ペットを慈しむ事は極めて普通のこと」と考える企業が、「他社と違うことをしてアピールするというより、人材獲得施策と位置づけて導入する」傾向にあると語っています。
有給の忌引を取り入れているのは、VMware社(バロアルトのソフトウェア企業)、Maxwell Health社(ボストンの人材マネジメント企業)、Klimpton Hotel group(サンフランシスコ)、Trupanion社(シアトルのペット保険)など。日本にも根強いファンを持つアイスクリーム製造企業のベン&ジェリーズは、公式には忌引を規定していないものの、必要に応じて休暇を与えると明言しています。
ペットを喪った悲しみは、「世界を変えるほどのもの」。ペットとの死別に際して、現実と向き合うための時間が必要だとする飼い主は、忌引休暇の増加を「飼い主にとって救いになる」と歓迎のコメントを寄せています。2009年に発表された調査では、調査対象となった飼い主の3分の1は、悲嘆にくれる期間が6か月またはそれ以上にわたると回答。飼い主がさらされる大きなストレスには、何らかの対策を講じる必要があるのかもしれません。
喪失への向き合い方は人それぞれ。自らを忙しさの中に置き、徐々に悲しみに慣れていこうとする人もあれば、時間をかけて別れを告げて悲しみに向き合おうとする人もいます。前出のコトー氏は、悲しみにくれる人は非生産的になりがちだから、リーダーは集中できる環境を整えるべきと語っています。「そもそも、苦しんでいる人には手を差し伸べてあげたいですよね」
9月の第2日曜日は、米国のペットメモリアル・デー。虹の橋を渡ったペットに心を寄せる日として定められています。SNS上にはハッシュタグ#NationalPetMemorialDayが登場。たくさんの思い出ワンコ達が、飼い主さんの手のひらに帰ってきています。
h/t to Companies Offer Paid Bereavement Leave For Death Of Pets « CBS San Francisco
image credit Andy Simonds / Flickr
“育犬”休暇がやって来る!? ペットを迎えた人が取得する”パウタニティ・リーブ” | the WOOF
最近、海の向こうでは、パウタニティ・リーブ(paw-ternity leave)なる言葉がメディアを賑わせています。 パウタニティ・リーブとは、産休(マタニティ・リーブやパタニティ・リーブ)のペット版。企業などが新しくペットを迎えた人に与える有給の休暇のこと。