感染症の39人、ペットショップの子犬が媒介か(アメリカ)

健康管理
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米国疾病予防管理センター(CDC:Centers for Disease Control and Prevention)は11日、7州の39人が発症しているヒトカンピロバクター感染症について、ペットショップチェーンPetlandで販売された子犬との関連を調査していると発表しました。

【2017/10/4追記】2017年10月3日配信のNewsweekの記事は、感染者の合計は55名(うち入院13名)上ることがわかったと報じています。また、感染動物の供給元は明らかではないとしながらも、Petlandがパピーミルや仲介業者から”仕入れ”ていたとする米国動物愛護協会の2009年の調査内容を報じています。

7州に住む39人が下痢などの症状を訴える

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image by Ted Fu / Flickr

感染者は、Petlandの従業員12人と、Petlandの顧客や店舗訪問者27人の計39人。1歳から64歳までが下痢などの症状を呈しており、死亡者はいないものの9人が入院しています。Petlandの店舗が原因である可能性が高いとされていますが、現在は検査の結果待ちという状況です。

Petland社の広報担当はBuzzFeed Newsの質問に対して「弊社の運営のミスがカンピロバクター感染を招いたと示されてはいない」と回答し、子犬を扱う前後のて消毒は適切に行い、犬舎の衛生管理も厳格に行なっていたことを強調しています。

子犬の多くは感染している可能性

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image by Janice Carr Content Providers(s): CDC/ Dr. Patricia Fields, Dr. Collette Fitzgerald / Wikipedia

ヒトカンピロバクター感染症では、発熱、腹痛、下痢、血便を伴う腸炎症状が見られます死亡例や重篤例は稀ですが、乳幼児や高齢者、そして抵抗力の弱いときには重症化する危険があります。

感染源は、カンピロバクターに感染している家畜やペットです。通常、動物の糞便や滅菌処理が行われていない乳製品、または汚染された食材を未調理で食べることによって感染します。下痢等の症状ある動物だけでなく、一見健康そうな動物から感染することもあります。サルモネラほどには広く知られてはいませんが、細菌性腸炎の10〜20%を占めると言われるメジャー級の感染症です。公表されている日本の患者数は年間2000人程で推移していますが、健康な成人には全く症状が見られないことを考えると、実際の感染者数はもっと多いのかもしれません。米国では毎年130万人が感染しています。

カンピロバクター感染は一方で、フワフワの可愛い子犬を触ることで感染することもあるのです。子犬、とりわけ6ヶ月齢未満の子犬は免疫システムが弱いため、菌をもっていることが少なくないそうです。人から人へ感染ることのないこの細菌は、犬から犬へは糞便を介して、あるいはケージやフードボウルの共有によって、容易に広がっていきます。感染した犬は下痢などの病気の兆候を示すこともありますが、なんの症状もなく元気で健康そうに見えることもあります。

身を守るために手洗いの励行を

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image by Petteri Sulonen / Flickr

今回は州をまたがる大規模なチェーン店が原因ではないかと目されていることで”ペットショップの子犬”が注目されていますが、どこから来た犬であっても、感染症の原因になり得ます。CDCは、感染を防ぐためには、犬との接触や糞尿や吐瀉物を片付けた後は、必ず石鹸を使ってしっかりと手を洗うよう推奨しています。ナデナデの後に石鹸で洗うというのは現実的ではないかもしれませんが、少なくとも糞尿の始末やお尻を清潔にした後は、徹底的な手洗いを励行しましょう

また、獣医師による定期的な犬の健康診断や、犬の居住空間を清潔に保つことは、私たち自身の健康を守る上でも大切だということは心得ておかなければなりません。

Featured image credit Maxime FORT / Flickr

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